スバルのフラッグシップモデルセダンレガシィB4。その実力は?
2015/11/16
日野義之
スバル360は1958年から1970年までのべ12年間に渡り、約39万2,000台が生産された超人気車です。スバル360は1960年代の日本で一般大衆に広く歓迎され、日本初の国民車と考えられ、「マイカー」という言葉を誕生させた名車とされています。
スバル360は今でも人気があり、知名度の高い車です。
そんなスバル360の性能、デザイン・乗り心地などをオーナーの評価も交えながら紹介します。
スバル360は一体、どんな車なのでしょうか。
スバル360は航空機技術を応用した超軽量構造を採用し、限られたスペースで必要な居住性を確保するための斬新なアイデアが数多く導入され、量産型の軽自動車としては史上初めて大人4人の乗車を可能にしました。
さらに当時の水準を超える走行性能を実現しています。
スバル360は比較的廉価で、十分な実用性を備えていたため、一般大衆に広く知れ渡り、モータリゼーション推進の一翼を担った存在となってます。
このことから日本最初の「国民車」と考えられ、同時に「マイカー」という言葉を誕生・定着させたため、戦後日本の歴史を語る上で欠かすことのできない「名車」と評価されているほどです。
まずはスバル360の性能を見ていきましょう。
50年以上も前の車のエンジンはどのようになっているのでしょうか。
スバル360に搭載されているエンジンは、強制空冷2ストローク直列2気筒・356ccエンジンで、それを車体後部のエンジンルームに横置きで搭載しています。
当初のスペックはグロス値で16PS/4,500rpmとなっていました。
スバル360に搭載されたEK31系エンジンは、改良を重ねつつもスバル360の標準パワーユニットとして一貫して使用され、出力はのち18PS、20PSと増加、最終型では25PSまで出力が向上しました。
ここでオーナーの評価を見てみましょう。
ファーストカーとして普段使いしていますが、街乗りで遅すぎて困ると言う事はありません。
調子の良い固体なら、高速でも80~100キロでの巡航も可能です。
ただし製造中期迄の3速車だと高速巡航は少し辛いかもしれません。
スバル360の評価でまず驚かされたのが、燃費がいいということでした。
古い車は燃費が良くないと思いがちですが、車体が今の車に比べてかなり軽いということが理由としてあげられるのではないでしょうか。
次はスバル360のデザインと乗り心地を見ていきましょう。
スバル360の可愛いデザインは2ドア4窓セダンボディで、日本の自動車業界において、独立したフレームを持たないフル・モノコック構造を量産車で実現した先駆的存在となっています。
スバル360が開発されていた当時は自動車ボディを構築するための鋼板は最低でも0.8mmの厚さが必要とされていましたが、これでは軽量化の支障となると判断され、それまで通常強度部材には用いられていなかった0.6mm厚の鋼板をボディ素材に採用しました。
それでも十分な強度を得るために平面部分を避け、全体に「卵形」と表現される曲面で構成されました。
本体強度に影響のないフード等にはアルミ材も用いられています。
屋根については四辺の枠だけあればモノコック構造の強度は保てるということで、天井部分は思い切って当時の新素材であったGFRP製とし、H断面のゴムで車体に固定する方式を採用しました。
これによって軽量化できただけでなく、全体の重心が下がりました。さらに、車内に響くエンジン騒音を車外に逃せる効用も生じ、いい方向へと進むことができました。
ガラスは重量がかさむこと、またボディ開口部を小さくする目的もあって、フロントのウインドシールドおよび側面窓は比較的面積が狭く取られています。
リアウインドウがユニークで、安全規格上ガラスを用いる必要がないということから、透明なアクリル樹脂板を使用しました。
軽量化の効果はあったものの、長く使用すると経年で変色が生じました。
スバル360の愛嬌のある卵形デザインには、強度確保も兼ねてフロントフェンダーからサイドに至る波形のキャラクターラインが添えられています。しかし、そのままでは腰高過ぎるように見えかねないサイドビューを軽快にまとめる助けになっている工夫もなされているのです。
スバル360の初期形の車内は、これ以上ないというほどに簡素な車内で、軽量化とコストダウンのためにあらゆる無駄が省かれていました。
ステアリングホイールは強度に問題のないギリギリにまで部材を細身に削られ、計器類はスピードメーターと積算距離計が唯一となっていました。
さらに最小限のスイッチ類が薄いダッシュボード前面に備わっており、ダッシュボード下には車体全幅に渡るトレーが設置され、荷物スペースの一助となっていました。
ドア窓は当初、横引きスライドの引き違い窓だったため、ドアパネル部分は客室内部容積の一部として上手く活用されていました。
シートは前後席とも、プレスしたアルミ合金の湯たんぽ状のフレームをベースに、ゴムひもとウレタンフォームでクッションを整えてビニール表皮を張っただけという軽量かつ簡素な構造なっていました。
ここでオーナーの評価を見てみましょう。
簡素化されている内装ですが、シートの座り心地はいいようですね。
簡素化されていても、室内が狭くても、それでも最高と思わせるデザイン、性能なのだそうです。
次はスバル360の価格を見ていきましょう。
50年以上前ですから、今とは紙幣価値が違っていますが、当時としては比較的廉価だったようです。
スバル360が発売された1958年で365000円だったそうです。
その当時の大卒の初任給が14000円くらいが相場だったそうです。
今の紙幣価値で考えるとは270万円くらいになるでしょうか。
立派な高級車ですね!
いかがでしたか。
スバル360が発売された当時は大学に行っている人も少ない時代だったので、月給数千円という人も少なくなかったようです。
それでも一般大衆者と呼ばれるのですから、相当な人気があったことがわかります。
スバル360は模範となったフォルクスワーゲン・タイプ1のあだ名となっていた「かぶと虫」との対比とコンパクトにまとめられた軽快なデザインから「てんとう虫」の通称で庶民に広く親しまれていました。
スバル360は生産中止後も、1960年代を象徴するノスタルジーの対象として日本の一般大衆から人気で知名度も非常に高いです。
スバル360が初めての自家用車だったという中高年層が多いこともその傾向を強める一因となっていますが、親子で代々乗り継いでいる方などもいて、若者層にも広く浸透していることがわかります。
スバル360の生産が終了して約50年経過していますが、後期モデルを中心に可動車も多く、愛好者のクラブも結成されているため、今なお路上を走る姿を見ることがでます。
可愛いてんとう虫、スバル360の購入を検討中の方、可愛い旧車をお探しの方、ぜひスバル360の紹介を参考にしてみてください。
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