2016/01/18
Tantosan
スバルといったら水平対向エンジンと四輪駆動。他社にはないスバルの武器といえば、やはりエンジンではないでしょうか。では、なぜスバルはエンジンにこだわるのか。今回はスバルのエンジンに対する思いや技術、特徴について調べました。
富士重工業はもともと航空機・エンジンメーカーであったため、スバル創業時に元航空技術者たちが自動車開発に携わることになりました。
そのため、航空機に通じる機能性・合理性優先のメカニズム、特に走行性能に特化した四輪駆動と水平対向エンジンに力を入れています。
SUBARUの走りの歓びは、このエンジンから生まれる
ピストンを左右に水平に配置した、独特のレイアウトを持つ水平対向エンジン。
この世界でも稀有な存在である水平対向エンジンを、SUBARUが搭載し続ける理由。
それは、このエンジンが生まれながらに持つ特性こそが、SUBARUが考える理想をもっとも合理的に、そして高いレベルで実現できるものであると考えたからに他なりません。
回転バランスに優れ、低振動であること。低重心による優れた走行安定性。そして衝突安全性能への貢献。
SUBARUが目指す走りの歓びは、すべてこの水平対向エンジン[SUBARU BOXER]から生まれていると言っても過言ではないのです。
スバルの売りはなんといっても水平対向エンジンです。
スバルが自社生産するほぼ全車種に搭載されています。
現在水平対向エンジンを搭載した4輪車を生産している国内メーカーはスバルのみ。
他にはない、スバルだけの武器となりました。
スバルの水平対向エンジン
慣性力を打ち消しあうため、振動が少ないのが特徴。
エンジン比較
直列エンジンは振動が発生しやすく、V型エンジンはやや発生しやすい。
さらにスバルは低重心、コンパクト、軽量も意識しています。
スバルのEJ20エンジンは水平対向4気筒エンジンです。
EJ20は1989年の初代レガシィに初搭載し、今日に至るまでスバルの主力エンジンとなっています。
排気量は2.0ℓ、グレードによってはターボチャージャー搭載型のエンジンもあります。
20年以上基本設計が生かされることは稀ですが、スバルの車は1年ごとに改良されることが多く、その度にEJ20もすこしずつ変わってきています。
そのため、初期のEJ20と現在のEJ20ではまるで別物のようになってきています。
スバルのエンジン:EJ20
インプレッサ(GDB)に搭載されたエンジン。
インプレッサ(GDB)
左からF型、E型、A型。
EJ20はスバルの主力エンジンとして20年以上採用されてきましたが、近年の車体大型化による重量増加などが影響し、徐々に搭載車種が減少しています。
EJ型エンジン最大排気量のEJ25は2.5ℓクラスでありながら、EJ20とほぼ同じ寸法、重量であり、車両への搭載方法も同じため、徐々にEJ25の採用が増えてきました。
このように長年スバルを支えてきたEJ20も終わりかと思いますが、改良を積み重ねたEJ20型ターボエンジンは信頼と実績があり、モータースポーツ界ではまだ活躍できそうです。
FB型エンジンは富士重工がEJ型以来、20年ぶりに開発した新型エンジンです。
FHI(富士重工)、FutureのFと、Brand New、BOXERのBを合わせてFBと名付けられました。
EJ型エンジンと比べ、現行車種との互換性を考慮してEJ型とほぼ同じサイズ、メンテナンスフリー化の影響で重量は4kg増加、燃費性能は約10%向上しています。
レヴォーグ(ターボ)以外はNA専用として設計されており、アイドリングストップとの組み合わせも考慮されています。
スバルのエンジン:FB20
2010年09月29日開催の新世代水平対向エンジン「FB型」説明会にて。
フォレスター(SHJ)
排気量2.0ℓなのでFB20搭載。
FB型エンジン初搭載車。
型式は排気量1.6ℓのFB16、2.0ℓのFB20、2.5ℓのFB25。
FB16は1.5ℓレベルの燃費性能と2.0ℓレベルの動力性能、FB20は気持ちのいい加速レスポンス、FB25は環境性能も向上しました。
スバルらしいスポーティで快適な走行を楽しめます。
FA型エンジンはFB型エンジンをベースにしていますが、軽量化を主目的としたFB型に対し、高出力、高負荷に耐えられる設計としています。
NAとターボは同じ型式ですが、多くのパーツが別物のため、ターボの方が高出力に耐えられるようになっています。
また、NAはトヨタとの共同開発ですが、ターボは富士重工の自社開発です。
スバルのエンジン:FA20
画像は直噴ターボ。
レガシィB4(BMG)
直噴ターボエンジン搭載。
FA20のターボはスバルだけ。
FA20(DIT)ではスバル初の直噴ターボを搭載しました。
2.0ℓとは思えないほどのパワーでありながら、低燃費、低排出ガス性能を両立させました。
FB型、FA型ともに新世代を担うエンジンといえます。
スバルの水平対向エンジン
新世代ボクサーエンジン。
スバルは「環境性能」と「走りの愉しさ」の高レベルでの両立を目指しています。
ハイブリッド化、ターボチャージャー搭載、直噴化、FRパワートレーン開発など、新型エンジンはまだまだ発展の可能性を秘めています。
今後どのように進化していくのか楽しみですね。
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