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初期型はハンドメイド!今でも人気のいすゞの117クーペに迫る!

いすゞの117クーペは量産が難しいデザインであったために、初期型はほとんどが人による手作業で作られていました。そのため販売台数も少なく、今でも人気の高い一台です。そんないすゞの117クーペを様々な視点からチェックしてみました。

いすゞの117クーペってどんな車?

まずはいすゞの117クーペがどんな車なのかを紹介したいと思います。
今では乗用車事業から完全に手を引いているいすゞ。そのいすゞのフラグシップ車として長年君臨してきた「117クーペ」を見ていきましょう。

117クーペは当時のいすゞ自動車の経営状態などが大きく反映されているといっても過言ではありません。
しかし長年いすゞのフラグシップ車をつとめていただけあって、そのデザインやこだわりは素晴らしいものです。

いすゞの117クーペは1968~1981年まで製造販売されていた4人乗りのクーペです。
コンセプト、デザイン、パッケージ、スタイリングはカロッツェリア・ギアに委託され、当時のチーフデザイナーであったジョルジェット・ジウジアーロが担当しました。
このジウジアーロは多くの日本車のデザインにも携わっていて、そのデザインは高く評価されています。

最初期のプロトタイプであるギア・いすゞ117スポルトは1966年3月のジュネーヴ・モーターショーで発表され、同ショーのコンクール・デレガンスを獲得していて、その後イタリアで開催された国際自動車デザイン・ビエンナーレに出品され、名誉大賞を受賞しています。

それではこれから、いすゞの117クーペがどんな車かをご紹介します。

いすゞの117クーペの性能

まずは117クーペの性能を紹介します。
117クーペに搭載されているエンジンはどのようなものなのでしょうか。

いすゞの117クーペの駆動方式は後輪駆動、つまりFRです。
エンジンは水冷直列4気筒の1600cc、1800cc、2000ccDOHCおよびSOHCが基本で、末期に2200ccディーゼル車が少数だけですが生産されていました。

いすゞの117クーペのサスペンションはいすゞのフローリアンと共有で、前輪がコイルスプリング + ダブルウィッシュボーン、後輪がリーフスプリング + リジッド(ライブアクスル)で、ステアリングギアボックスはリサーキュレーテッドボール(ボールナット)式です。

いすゞはベレットの後輪スイングアクスルに手を焼いた経験から、一転して保守的な構成に変更したフローリアンのシャーシを採用していますが。1960年代の実用セダンとしてはごく一般的で堅実なレイアウトとなっています。
しかし、それをスペシャリティカーとして見た117クーペに移植すると、いささかの陳腐さ・凡庸さは否めなかったと言えるようです。
それでも例えば初期形のインジェクションモデルでは最高速度190km/h以上を公称していて、スポーティさには欠けるものの長距離ツアラーとしての性能は確保されていたようです。

117クーペのトランスミッションは、デビュー時には4速MTでしたが、後に5速MTに変更され、3速ATも追加されました。
この車のエアアウトレット(室内気の排出口)は、ボティとリアウィンドウ上端の境目に内蔵されたスマートなものとなっていますが、コストダウンの煽りを受け、逆流防止弁は省略されたため、洗車の際などにこの部分への直接放水は禁止されていました。
つまり洗車は細心の注意を払って行わなければ、室内が水浸しということですね。

ここで、実際に117クーペに乗っている人の声も見てみましょう。

クラッチはつながりやすく、坂道発進も楽々と、普通に走る分にはとても扱いやすいです。また、これは乗れば分かることですが…細かな部分にいすゞの良心やポリシーを垣間見れる…それが117クーペの乗り味を味わい深くしています。

出典:http://www.goo-net.com

エアコン付き車なら雨天時も快適。燃費が意外とよく、一般道:高速=3:1で、常時エアコンオンで走っても、13.3㎞/lだった

出典:http://www.goo-net.com

このように性能面では高く評価されています。また古い車では諦めがちな燃費も、意外によかったのが印象的でしたね。

いすゞの117クーペのデザインと乗り心地

次は117クーペのデザインと乗り心地について紹介します。
117クーペのデザインは大きく分けて2つ、細かく分けると3つのタイプに分かれます。
それぞれのデザインの特徴や乗り心地を紹介したいと思います。

いすゞの117クーペと言えば、この初代の形を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
この初代のボディは職人による手作業がほとんどなため、生産が開始されたばかりの車体になると、溶接の箇所がそれぞれで違っていたりということもあるようです。

ですが、いすゞの117クーペはこの形だけではありません。
1968~1972年まで販売されていた丸目の初代117クーペのほかにも、1973~1976年までの2代目、1977~1981年までの最終型と3つの形が存在しています。

まずはそれぞれのボディ、エクステリアの特徴を紹介します。

初代 117クーペ

1968年12月発売で少量限定生産車であったことから「ハンドメイドモデル」「ハンドメイド117」と通称されるのがこの初期形117クーペです。

いすゞはコンセプトカーの117スポルトの生産化にむけてリデザインを再度ジウジアーロに依頼し、オリジナルの美しさを可能な限り尊重して主に室内高を増やすなどの変更が加えられ完成しました。

しかし、極端に細いピラーなど当時の自動車製造技術では手作業でしか生産できない難しさがありました。
さらに当時のいすゞは経営状態が芳しくなかったため、プレス機を改良することができずにいました。

しかし、いすゞはベレットより格上のイメージリーダーを欲していたため、大まかなラインだけをプレスで出し、パネルのトリミングや穴あけなどの生産工程の大部分を手作業とすることを決断し、117クーペとして市販化にこぎつけることに成功しました。

この世代の117クーペの室内は上質な発泡レザートリムや台湾楠のウッドパネル、リアウインドウのデフォッガをフロント用と同様の送風式にし熱線プリントを排したすっきりとしたリアガラス、ダイヤルで開閉できる三角窓などを採用し、当時主流だった吊り下げ式の一体型クーラーユニットから操作スイッチを独立させセンターコンソールに配置するなど、造り込まれた豪華なものとなていました。

2代目 117クーペ

1971年にGMと提携したいすゞは乗用車事業の再検討を余儀なくされましたが、117クーペについてはGMからの資金と技術の習得により、機械によるプレス成型のめどが立ったことで1973年3月より量産化対応の改設計で生産されることになりました。

いすゞは本格的な量産化とコストダウンに伴い、117クーペのステンレスモールの仕上げやメッキなどの品質は一般的なレベルに落とすことを余儀なくされました。
また全体のフォルムは第1期の車両と大差はないものの、細部のデザインには下記に示すようにかなりの部分に変更が加えられています。

・前後パンパーが若干厚みを増した流線型に。
・フロントターンシグナルランプをバンパー上から下に移動させ、レンズをアンバー化。
・フロントグリルの横バーが外され、唐獅子のエンブレムを単体でグリル中央に装着。
・フェンダーミラーをクロームメッキの砲弾型から樹脂製の角型に変更。
・リアクォーターパネルに117coupeロゴの入ったリフレクターを装着。
・リアコンビランプが小型のイタリア車風からアメリカ車風の大型・横長タイプに変更され、トランクのキーホール位置を変更。
・リアコンビランプ間のライセンスプレートブラケットをパンパー下に移動。
・タイヤ径が14インチから13インチに変更され、地上高がさらに低く。

内装もシートを中心にコストダウンが図られ、最上位グレードに位置づけられたXEこそモケット張りのままでしたが、他はビニールレザーシートに変更となりました。
その他にも
・XE以外のグレードのメーターパネルを楠製からプレス模様の入った金属製に変更。
・三角窓の開閉をダイヤル式から一般的なものに。
・ステアリングホイールとシフトノブをウッドから軟質樹脂製の物に変更。
・センターコンソールの形状変更、樹脂で一体成型化するとともに、仕上げのレザー貼りを省略。
・トランクオープナーの廃止。
など、多くの変更点があります。

最終型 117クーペ

1977年12月にマイナーチェンジが行われ、ヘッドランプが規格型の角形4灯に変更され、小型のチンスポイラーが装着されました。
また、前後バンパーはラバーで被われ、各部ガーニッシュがブラックアウトされています。

117クーペは後席の快適性も熟考されてつくられていて、クーペボディの車にしては珍しく、リアシートの左右それぞれに灰皿やリヤ用のヒーターダクトも装備していましたが、最終型ではプラスチックが多用されたデザインに変わり、後席の灰皿も廃止されるなど、さらにコストダウンの煽りを受けました。

そんな117クーペのデザインや乗り心地に関しての声を紹介します。
実際に乗っている人はどのように感じているのでしょうか。

ジウジアーロ氏作の不朽のデザイン。特にリヤウインドウからトランクへ続く、なだらかな流れは、絶妙の一言。車高は低めだが、乗り降りしやすく、前席なら頭上空間も確保されている。各ピラーが細く、視界は大変良好。

出典:http://www.goo-net.com

デザインがすべての車です。いつまでも飽きない最高級の評価させていただきます。

出典:http://www.goo-net.com

このようにジウジアーロのデザインが高く評価されています。
乗り心地に関しても、室内空間が広いようですし、視界もいいようで、開放感がある空間に仕上がっているようですね。

いすゞの117クーペの価格

次はいすゞの117クーペの価格について紹介します。
ハンドメイドモデルと呼ばれた初期型の価格は特に気になるところでしょうね。

では、初代の一番気になるハンドメイドモデルの価格を紹介します。
初期型は小規模生産体制のため、販売価格は当時としては非常に高価な172万円となりました。
月産台数も30~50台程度に限定されたため、今でもこの希少性が117クーペの名声をさらに引き上げることにつながっています。

そのあとのモデルに関する情報が少なく、確かな価格は不明なのですが、おそらく初期型よりは安くなっていると思います。
この情報はまたわかり次第、発表したいと思います。

いすゞの117クーペのまとめ

いかがでしたか。

いすゞのフラグシップ車であった117クーペの魅力は伝わったでしょうか。
今となっては中古車でしか手に入れることができませんが、プレミアがついていることもあり、今でも高価な車体も存在しています。

117クーペにはここで読んだだけではわからない魅力がまだまだあるようです。
気になった方は、ぜひ試乗してみてください。
117クーペのオーナーの方は、この車は存在している間に一度は乗ってみるべき車であるとおっしゃっていました。
販売されてから時間がたっていることもあり、かなり希少車ですので早いうちに乗ってみられることをオススメします。

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