2016/05/04
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毎年5月初旬に送られてくる自動車税納税通知書。納付期限は5月末まで。これが夏に送られてくればボーナスで払えるのに!・・・サラリーマンにとっては苦しいやりくりです。では自動車税を滞納するとどうなるのでしょう?自動車税の滞納にまつわるあまり知られていないおはなし。
自動車税とは、毎年4月1日に自動車を所有(または使用)している人に課される都道府県の税金(地方税)のことです。
自動車税の納付の窓口はそれぞれの都道府県の事務所で、たとえば「〇〇自動車税事務所」「〇〇県税事務所」「〇〇自動車税管理事務所」などの名称でよばれています。
名称は各都道府県によって異なり、一律に統一されているわけではありません。
※軽自動車の場合は「軽自動車税」とよばれ市町村の税金(地方税)になります。
自動車税の額は基本的に総排気量によって定められています。
たとえば自家用乗用車で総排気量が1,500CC超2,000CCの車は39,500円、2,000CC超2,500CC以下の車は45,000円などの税額(年間)が設定されています。
※トラックの場合の自動車税は総排気量ではなく最大積載量によって税額が定められています。
自動車税は地方の税金、つまり地方税です。
これに対して自動車重量税は国の税金、国税になります。
自動車税の納付期限は毎年5月31日(31日が休日の場合は6月の最初の平日)です。
年度の途中で車を購入(取得)した場合は、購入時に月割計算で次の3月までの未経過分の自動車税を納めることになります。
※軽自動車を購入した場合は月割の制度がなく翌年度からの課税となります。
まず自動車税を滞納すると「延滞金」の計算対象となります。
納めるべき「自動車税」と「延滞金」を合わせて納めなけらばならなくなります。
ただし、直ちに延滞金が発生するわけではなく、納めるべき自動車税の「額」と滞納「日数」と延滞金の「率」によって計算された額が1,000円以上になったときから延滞金の納付義務が発生します。
詳しくはあとでご紹介します。
滞納をそのままにしていると、まず「督促状」が送られてきます。都道府県によって差はありますが概ね7月頃に送られてきます。
本来、滞納しなければ延滞金など払わなくて済むのです。延滞金の年利率は市中銀行の年利率よりも高利です。余計な支出は抑えたいものです。
更にそのまま滞納を続けると「催告書」が送られてきます。
「催告書」が届くまでになったら事態は深刻です。
口座や給料、自動車などの差し押さえが目前に迫る重大事態となっています。
お役所(自動車税事務所等)の「催告書」をあまく見てはいけません。お役所は上品で丁寧ですが、金融機関など他の債権者よりも優先して債権を回収する権限が法制度により確保されています。滞納を放ったらかしにしていると、お役所はするべきことを淡々とこなして行くでしょう。
前述のとおり「催告書」を放ったらかし(無視)すると、自動車税事務所等はドライにするべきことをこなして行くでしょう。
差し押さえなどに合わないためには、まず、自動車税事務所等に相談するべきです。誠意を持って相談すれば分割納付等に応じてくれる場合もあります。
やむを得ず滞納しなければならないことになっても、あわてないことが肝心。
滞納した場合の自動車税のしくみがどうなっているのか冷静にしらべていけば不安はかなり解消されるはずです。
延滞金の計算は、
自動車税額 × 日数(納付期限の翌日から納める日までの滞納日数) × 延滞金の割合(年利率)
で行います。
滞納日数に乗じる延滞金の割合(年利率)は、基本的に次のとおりとなります。
A 納期限の翌日から1ヶ月までの期間 7.3%
B その後の期間 14.6%
ただしこれはあくまで本則であって、平成12年以降は特例措置の適用があり、平成28年度の場合の割合は
A 2.8% (特例基準割合(※1)に1%を加算した割合と7.3%のいずれか低い方)
B 9.1% (特例基準割合に7.3%を加算した割合と14.6%のいずれか低い方)
※1 特例基準割合とは、各年の前前年の10月から前年の9月までの、国内銀行の新規の短期貸出約定平均金利の年平均(※2)に1%を加算した割合のことをいいます。
※2 短期貸出約定平均金利の年平均とは、短期貸出約定平均金利の合計を12で割った割合で、各年の前年12月15日に財務大臣が告示する割合のことをいいます。
A 2.8% = (財務省告示第三百九十四号0.8% + 1%) + 1%
B 9.1% = (財務省告示第三百九十四号0.8% + 1%) + 7.3%
日銀がマイナス金利政策を打ち出すほどの超低金利のこのご時世では、本則の7.3%、14.6%を超えることはまずないでしょう。
自動車税を滞納した場合、延滞金は具体的にいつから発生するのか?
それは、その自動車税の額と滞納している日数によって変わってきます。自動車税額が大きいほど延滞金の発生は早くなります。
ここで、平成28年度の延滞金の計算例を見てみましょう。
まず、年率は
A・・・・納付期限の翌日から1月を経過する日までの期間 ・・・2.8%
B・・・・その後の期間について・・・・・・・・・・・・・・・・9.1%
を適用します。
平成28年5月31日を納付期限とする自動車税39,500円を平成28年10月2日に納付する場合(1,000円未満の500円は計算上切り捨てます。)
Aの年率の延滞金 =39,000円 × 2.8% × 30/365日 = 89円(1円未満切捨)
Bの年率の延滞金 =39,000円 × 9.1% × 94/365日 = 913円(1円未満切捨)
A + B = 1,002円(1,000円以上)
100未満を切り捨てますので延滞金は1,000円となります。
Bの延滞金計算おいての日数が1日短く93日だったとするとA、Bの合計で1,000円以上に達しません。
よって、自動車税を39,500円とした場合の延滞税の発生は10月2日からとなります。
滞納したら延滞金はいつから発生するのか?自動車税延滞金早見表は非常に便利です。各税額ごとに素早く調べることができます。
前述の自動車税の延滞金計算例では、5月末納付期限で10月2日になって初めて延滞税が発生することが解りました。
滞納はしないにこしたことはないのですが、納付期限を過ぎて直ちに延滞金が発生するわけではないということがわかると、慌てずに家計のやりくりもできるでしょう。
長期的な視野に立って計画性を持って暮らしにのぞみたいものです。
自動車も税金も社会に必要なものです。滞納したらどうなるのか、税のしくみを知っておくことで自動車と税金に上手にお付き合いしていけるでしょう。
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