シートベルト、ちゃんとしてる?していなかったら違反?罰金は?
2016/04/01
kaori7
交通事故を起こしてしまった場合、どのような罰金が科されるのかわかりやすく説明します。交通事故には人身事故と物損事故がありますが、人身事故と物損事故では、刑事処分である罰金も大きく概念が変わってきます。今回は交通事故の、特に人身事故の場合の罰金について説明します
● 物損事故…物の損壊のみで、怪我人のない交通事故
● 人身事故…怪我人のでた交通事故
交通事故は大きく上記の2種類に分類できます。
交通事故の罰金
それでは、交通事故を起こしてしまった場合の刑事処分である罰金について説明します。
物損事故とは、人が怪我をせず、器物損壊だけだった場合の事故の事を言います。そして、物損事故はそれだけをもって刑事処分や行政処分はありません。これらの責任を追及されるのはあくまで「人身事故」についてのみです。
交通事故
万が一他人の器物(車両など)を壊した場合に、それに対する損害賠償が発生するのみです。(よほどの事があれば、安全運転義務違反2点の可能性もゼロではありませんが。)
ただし、これはあくまで交通違反を犯さずに物損事故を起こした場合であり、道路交通法違反があればそれに対しては行政処分や刑事処分があります。
人身事故を起こすと、3つの責任を負う義務が生じます。
● 行政処分:累積した点数に応じて、運転免許証の効力を一定期間停止させたり、取り消されたりする
● 刑事処分:自動車運転死傷行為処罰法違反(死亡・傷害事故による処分)とその他の道路交通法違反
● 民事処分:被害者に対して与えた損害を賠償するもので、物損に対してはもちろんの事、死亡や傷害についても責任を負う
刑事処分とは交通事故を起こした加害者が、事故に伴い犯した犯罪の責任を問うものであり、内容により刑事罰は大きく変わることになります。
この処分はおよそ二通りに分かれており、死亡・傷害事故による処分とその他の道路交通法違反があるのですが、前者の方が被害の程度が大きいことから刑事罰も非常に大きくなります。
自動車運転過失致死傷罪(刑法211条2項)では7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金。
交通事故(人身事故)
危険運転致死傷罪(刑法208条の2)では死亡の場合に1年以上の有期懲役(最高20年)、傷害の場合は15年以下の懲役となります。
危険運転致死傷罪は、悪質、危険な運転(飲酒運転等がこれに該当)によって人を死傷させた場合に適用されます。
殺人罪では死刑または無期もしくは5年以上の懲役。殺人罪は、死亡するかもしれないと思いつつも被害者をひきずったような場合に適用されます。
緊急措置義務違反(人身事故)では5年以下の懲役または50万円以上の罰金となります。
交通違反を伴う交通事故の場合は刑事処分としての違反内容により罰金も科せられます。交通事故でも道路交通法違反に関しては、刑事処分の中でも罰は比較的に軽いと言われております。
運転者には、酒酔い運転をした場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が、酒気帯び運転をした場合は3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
交通事故(飲酒運転)
また車両提供者も運転者と全く同様に、酒酔い運転であれば5年以下の懲役または100万円以下の罰金が、酒気帯び運転であれば3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
さらに酒類提供者・車両同乗者に対しても、運転者が酒酔い運転であれば3年以下の懲役または50万円以下の罰金が、酒気帯び運転であれば2年以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられます。
無免許運転の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
一方で、人身事故を起こしてしまった場合には、罰金刑の規定はなく、最低でも6か月以上の懲役刑が科されます。
交通事故(無免許運転)
無免許運転については、無免許運転を下命・容認した者、免許証を不正取得した者、車両提供者についても無免許運転者と同様の法定刑が定められています
また、無免許運転になることを知りながら、送迎を依頼したり、実際に同乗した場合には、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
交通事故を起こした場合、現場に留まり被害者に対しては救護を、また事故により道路に生じた危険を防止するための措置をおこなう義務があります。これらの義務を果すことなく現場を離れる緊急措置義務違反は人身事故では「ひき逃げ」と、物損事故では「当て逃げ」と呼ばれます。
交通事故(ひき逃げ)
ひき逃げの場合は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。「人の死傷が自分の運転による人身事故」である場合に、救護義務・危険防止措置義務に違反した場合は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金を科されます。
当て逃げは、物損事故に係る危険防止措置義務違反より、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金が科されます。
この義務を全うし物損事故となった場合でも過失建造物損壊罪に問われることもあり、6か月以下の禁錮または10万円以下の罰金となります。
それでは、人身事故を起こした場合の罰金はどのような相場になるのでしょうか。
被害者の治療期間15日未満の軽傷事故、建造物の損壊に係る交通事故の場合は比較的に軽度となり、刑事処分における相場はおよそ12万円~20万円ほどとなります。
治療期間15日~30日未満となる軽傷事故の場合は15万円~30万円になります。
また、治療21日以下は原則不起訴となります。
交通事故
被害者の治療期間が30日~3月未満の重傷事故で専ら以外の原因の場合は20万円~50万円になり、専らの原因の場合は30万円~50万円になり、さらに被害者が治療期間3月以上の重傷事故や特定の後遺障害が伴う交通事故では懲役刑・禁固刑又は罰金30万円~50万円が課せられることになります。
交通事故の罰金
こちらでご紹介した相場はあくまで人身事故の一般的な参考額となり、実際にはこの金額が大きく上下する場合もあります。
例えば違反をいくつか重ねていたり、故意に危険運転を行なった場合、更には最近一段と厳しくなったアルコールを飲んでの運転も罪はさらに重くなりますので、いずれも行わないよう気をつけましょう。
交通事故の罰金について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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