2016/04/10
alcedo
自動車を運転している人にとって、フトコロが痛むのが、交通違反時の罰金や反則金納付。支払いが滞るといろいろ問題が出てきます。今回は、交通違反を行った時の罰金、反則金、およびその支払いについて詳しくまとめてみましたので、ご参考になさってください。
そもそも交通違反とは何でしょうか?
皆さんも、写真のようないわゆる「反則切符」なるものを受け取った方は多いはず。交通違反を犯した時に警察官から手渡されるものです。では、そもそも交通違反とはどういった行為の事を指すのでしょうか?ここでは、交通違反の内容を確認します。
上の定義にもあるように、「交通違反」とは、「交通法規」に違反することですね。
交通法規とは、現行の道路交通法の事をさす
交通法規は、大きく分けて5つの時期に分けることができ、その起源は明治憲法下の「内務省令」にさかのぼることができます。現在施行されている「道路交通法」は昭和46年の大改正以来、小さな改定を経て、第5期目ということになります。
交通違反は点数で細分化されている
交通違反を起こすと、違反の程度に応じて、点数が定められており、1交通違反ごとに自分の点数が差し引かれていきます。ちなみに、免許を新規で取得した時(無免許等の交通違反がないとき)は全員一律15点を所持しています。
交通違反でも、比較的軽微な違反(例:定員外乗車など)は1点、重大な交通違反(例:酒気帯び運転など)は13点~25点と、交通違反の程度に応じて点数が異なります。
これらの交通違反点数が加算され、一定の点数に達すると、「免許停止」等のいわゆる「行政処分」の対象となります。
軽微な交通違反時に手渡される、通称「青キップ」
交通違反も、厳密には「刑事処罰」の対象となります。しかし、軽微な交通違反の場合は、「反則金」が課せられ、期日までにこの「反則金」を納入すれば、刑事罰が免除されます。
この「青キップ」は、正確には「交通反則告知書」といい、反則金の支払いは各自の自由です。支払わなかった場合は、通常の刑事手続きが行われ、最終的には”裁判”で司法の判断を仰ぐことになります。
重大な交通違反を起こした時に手渡される通称「赤キップ」
軽微な交通違反の際の「青キップ」に対し、重大な交通違反を起こした際に手渡されるものを、「告知票」といい、赤キップの通称で知られています。この「赤キップ」を手渡されると、刑事事件を起こしたということで5年間の「前科」がついてしまい、裁判所へ出頭し、刑事裁判を受ける必要があります。
この「赤キップ」を切られる場合の交通違反は、6点以上減点される違反に適用されます。つまり、「酒気帯び運転」やスピード違反で30km以上となると、赤キップとなります。
罰金額は裁判の結果決定される!
赤キップが発行され、簡易裁判所で裁判を受けると、その刑の程度に応じて「罰金」が課されます。反則金と異なり、この「罰金」には決まった金額がありません。金額は裁判官が判断することになります。
では、赤キップが渡されると「罰金刑」となりますが、そこまでの過程はどのようになるのでしょうか?
ここでは、赤キップ手渡し後、裁判を経て罰金が決定、支払いまでをご説明します。
交通違反を起こし、告知票(赤キップ)を渡される
白バイやパトカーにスピード違反や酒気帯び運転等で検挙された場合、赤キップが手渡されます。ただし、赤キップは青キップと異なり、手渡す義務がないので、警察官によっては渡さない場合もあります。万一、否認して裁判となる場合にも必要ですので、もらっておきましょう。
簡易裁判所から呼出状が届きます
交通違反を起こした本人が居住地域を管轄する検察庁から「出頭指示」の案内が来ます。その案内状には呼出元の地方検察庁の名前や、出頭する簡易裁判所の場所等が記載されていますので、大切に保管します。
簡易裁判所へ出頭し、略式裁判を受ける
呼出日当日、簡易裁判所へ出頭します。地方検察庁から告訴された内容について、裁判が行われますが、通常の裁判と異なり、弁護士もいませんし、裁判官と書記官の2人ほどで略式裁判が行われます。事実の確認があり、不服等があれば申し立てることもできます。
略式裁判で罰金の額が決まる!
簡易裁判所での略式裁判で、最終的な罰金額が決まります。不服がある場合は、略式裁判後14日以内に正式裁判を起こすことも可能です。正式裁判とは、弁護人を選任して、公開の裁判所の法廷で裁判官の判決により刑を受けることをいいます。
ちなみに、「略式裁判」は、罰金相当額が100万円以下の場合に行われます。100万円を超える罰金が科せられるような重大な裁判は「正式裁判」となります。
略式裁判の結果、判決により罰金の額が決まりますが、この罰金の支払いができなかったり、全額が用意できないときはどうなるのでしょうか?
罰金は全額一括支払いしなければなりません
簡易裁判所での判決により、決定した罰金は、全額を一括で指定された日までに納めなければなりません。分割での支払いは原則できませんので、注意が必要です。
罰金をどうしても一括で支払いできない場合
罰金は、一括での支払いが義務となっており、分割での支払いは認められていません。所定の期間内に担当検察庁へ罰金を納金する義務がありますが、どうしても期間内での支払いが無理な場合は、通知をした検察庁の「徴収事務担当者」へ相談しましょう。
罰金の支払いは裁判で決定した刑となりますので、支払わないと家財等を強制的に差し押さえられます。
支払いできなければ、最終的には労役所へ留置されます!
支払いできる現金がなく、差し押さえるべき家財等がない場合、1日を5,000円と換算した軽作業に服するため、労役所に留置されます。たとえば、略式裁判で罰金10万円と決定し、支払いができない場合は、労役所に20日間留置されます。
厳しいお話ですが、「労役所」とは、ある建物を示すのではなく、「刑務所」内で業務に服するところです。扱いは囚人と同じとなり、検察庁で収監書が読み上げられ、手錠と腰縄も装着されてしまいます。こうならないためにも、罰金の支払いは必ず行うべきです。
交通違反の内容に応じて、罰金で支払う金額の相場がある
罰金は、略式裁判の結果、裁判官にて判断されると説明しましたが、実際には、交通違反の内容に応じておおよその罰金相場があります。交通違反が重大であれば罰金支払い額も大きく、軽微になれば罰金支払い額も小さくなります。
罰金支払い額の相場は、たとえば、酒気帯び運転の場合、200,000円~500,000円。
速度超過(30~35km超過)で50,000円~60,000円といったところです。詳しくは、下のリンクから確認してくださいね。
反則金や罰金の支払いはフトコロの痛手!!
これまでご説明してきたように、重大事故や悪質な交通違反が多いため、反則金や罰金の金額も大きくなっています。罰金の支払いができないために、労役所に留置される人も増加しているといいます。反則金や罰金の支払いをしなくてすむ最善の方法は「交通違反」をしないことと理解しましょう。
万一、不幸にも交通違反で検挙され、反則金や罰金の支払い義務が生じた場合は、ご家族・親戚などにも相談し、必ず支払いをしましょう。
いかがでしたか?
「たかが交通違反」と軽く見ていると、反則金や罰金の支払いが重くのしかかってきます。
安全運転を励行して、交通違反をしないことが、フトコロを痛めない最善の方法であることをご理解いただきたいと思います。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
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