交通事故における損害賠償とはどんなもので、どこまで請求できるか?
2016/03/25
とっぱらや
免許は交通事故や交通違反を犯すことで減点されると考えている人が多いようです。しかし、交通違反に関する点数制度は「減点方式」ではなく「累積方式」です。違反点数は交通事故や交通違反をする度に「累積」されて、累積点数が一定の基準を超えた場合に処分を受けます。
交通違反点数制度は、運転者の過去3年間の交通事故や交通違反に対して一定の点数をつけ、その合計点数が所定の基準に達した場合に、運転免許の取消し・停止処分を行う制度です。点数には
1:交通違反をした場合の基礎点数
2:交通事故を起こした場合に付加される交通事故の付加点数
3:ひき逃げやあて逃げをした場合に付加される措置義務違反の付加点数
の3種類があります。
ただし、例外として1年間交通違反をしなかったとき、免許の取消し・停止処分を受けたときは、それ以前の点数は加算されません。また2年間無違反の者が、1点、2点または3点の軽微な交通違反をした場合、その後3ヵ月間違反がなければ、その点数は加算されません。
累積点数が処分基準に達すると、免許の取消しや停止の処分を受けますが、この基準点数は過去3年間の前歴の回数によって区別され、前歴が多いほど、低い合計点で処分が行われ、また免許の欠格期間も長くなります。処分満了後1年間無事故・無違反でかつ免許の停止などの処分を受けなかった場合には、それ以前は計算されません。
交通違反点数制度は、交通違反の基礎点数と交通事故等による付加点数からなります。基礎点数とは、スピード違反、信号無視などの交通違反行為に付されている点数をいいます。交通事故等による付加点数とは、交通事故を起こした場合に、事故原因となった交通違反の基礎点数に加えて、負傷者の怪我の程度と事故の責任の程度に応じて付加される点数のことです。
交通事故
交通違反の場合には、交通違反行為ごとに定められた点数が累積されます。
交通事故の場合には、交通違反行為の基礎点数と交通事故の付加点数(2~20点)を合算した点数が累積されます。
違反点数の計算方法の大原則は「過去3年間における違反点数の合計点」です。
しかし、以下の一定条件を満たせば累積違反点数が0点に戻ります。
なお、これらは違反点数計算上の特別措置であって、交通違反歴そのものが消えるわけではありません。
3点以内の違反であれば、違反後3か月間が無事故・無違反で経過すると違反点数は累積されません。
交通事故
1年以上前の違反行為による点数は累積されません。
免許停止による行政処分前歴は0回として扱われます。
交通事故
免許停止処分によって累積点数は0点になり、行政処分前歴が1回つきます。
交通事故を起こした場合、被害者(建物)の程度に応じて交通事故点が、交通違反の基礎点数に合算されます。
交通事故
死亡事故:専ら・・・20、専ら以外・・・13
身体の障害が残った場合:専ら・・・13、専ら以外・・・9
全治3ヶ月以上:専ら・・・13、専ら以外・・・9
全治30日以上~3ヶ月未満:専ら・・・9、専ら以外・・・6
全治15日以上~30日未満:専ら・・・6、専ら以外・・・4
全治15日未満:専ら・・・3、専ら以外・・・2
建造物損事故:専ら・・・3、専ら以外・・・2
※専ら:運転者の一方的な不注意によって発生した場合
※専ら以外:被害者にも過失があった場合
交通事故を起こして被害者に対して必要な措置をとらなかった場合は、上記の点数に加え、さらに以下の点数が合算されます。
交通事故
救護措置義務違反(ひき逃げ):35[3年]※
物損事故の場合の危険防止等措置義務違反(あて逃げ):5[-]
酒酔い運転でひき逃げ:35[10年]
酒酔い運転でひき逃げしなかった場合:35[3~7年]
酒気帯び運転でひき逃げ(0.25mg以上):25[8~10年]
酒気帯び運転でひき逃げ(0.15mg以上0.25mg未満):13[6~9年]
過労運転等でひき逃げ:25[8~10年]
麻薬等運転でひき逃げ:35「10年]
※[]内は欠格期間
交通事故の物損事故とは、人が怪我をせず、器物損壊だけだった場合の事故の事を言います。そして、物損事故はそれだけをもって刑事処分や行政処分はありません。これらの責任を追及されるのはあくまで「人身事故」についてのみです。
交通事故
万が一他人の器物(車両など)を壊した場合に、それに対する損害賠償が発生するのみです。(よほどの事があれば、安全運転義務違反2点の可能性もゼロではありませんが。)
ただし、これはあくまで交通違反を犯さずに物損事故を起こした場合であり、無免許運転による道路交通法違反は、25点の加算(赤キップ)によって免許取消という行政処分と、刑事処分として罰金刑となります。(何度も繰り返している場合は懲役刑もあり得ます)
交通事故の点数制度について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。交通事故はいつ起こるか分かりません。万が一交通事故が起きてしまったら、冷静な対応をしましょう。
交通事故
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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