交通事故における損害賠償とはどんなもので、どこまで請求できるか?
2016/03/25
とっぱらや
示談とは、漠然と「事故の賠償の話をすること」くらいに理解している方も多いのではないでしょうか。実際に交通事故の示談をする場合、示談の意味をしっかりと理解しておかないと、交渉で十分な賠償を得られなかったりすることもあり得ます。今回は交通事故の示談について紹介
示談というのは、法律用語ではありません。民法の世界でいう「和解」のことを示談と呼んでいます。
世の中、交通事故に限らず揉め事が起きた場合に話がこじれしまえば、最終的な解決手段は裁判になります。しかし、裁判にはお金と時間が掛かるのは周知の事実です。
交通事故の示談
弁護士を雇って相手を提訴し、公判に出廷するために何度も裁判所まで通うわなければなりません。そんな大事になってしまう前に、揉め事の当事者同士が話し合い、合意できる条件で揉め事を終わりにしておくことが和解になります。 つまり裁判のような公的な手続きを使って揉め事の決着をつけるのではなく、私的な話合いで揉め事を治める手段が和解であり、一般的には示談と呼ばれています。
では示談はどのように行われるかといえば、交通事故の関係者が交通事故の損害をどのような分担で、どうやって賠償するのかという話し合いになります。
交通事故発生から賠償金支払いまでのフロー
極論を言ってしまえば、交通事故が起きた直後に相手と交通事故について、話し合いを始めた瞬間から示談は始まっていると言えるわけです。そして裁判を回避して交通事故の始末をどうするのかという点で、交通事故の当事者同士がお互いに納得して、後で文句を言い出さないよう、合意に達した時点で示談が成立したと言えます。
交通事故の場合、ドライバーが飲酒運転をしていたといった特殊な例を除けば、どちらか片方が一方的に悪いと判断されることはありません。
車と歩行者の事故ですら、車の方が分が悪いとはいえ、歩行者の過失責任がゼロになることは稀です。
交通事故の示談書(サンプル)
したがって示談をする場合、どちらがどの程度悪くて、どこまで損害を賠償するかという合意に達するには、そう簡単にはいかないでしょう。 リアル話をすれば、最近示談交渉はお互いの保険会社の担当同士が話し合うケースも珍しくありません。加害者はともかく被害者すら蚊帳の外に置かれて、話が合意にまで達してしまう可能性もあります。そんな不本意な結果にならないよう、示談のことをよく理解しておく必要があるわけです。
交通事故に遭って被害者になってしまった場合、被った損害の賠償を加害者に請求して、支払ってもらわなければなりません。
賠償の形は基本的に…というか、普通は損害に見合ったお金をもらう事になり、いくら支払ってもらうかというのが示談交渉です。
交通事故の示談
最近は大抵のドライバーが任意保険に加入しており、示談の交渉の保険会社の担当員が行うパターンが普通になってきました。
加害者と被害者が直接交渉するのに比べて、変に感情的になったりしにくく、交渉に慣れている分、かえって保険会社の担当員と交渉した方が話が早いかもしれません。しかしその反面、事前の準備を怠ると、交渉にかけては百戦錬磨の担当員に言い包められて、不利な条件で示談に応じなければならなくなるといった危険もあります。
そんなわけで、保険会社の担当員と示談交渉をする前にやっておくべき事は、大きくわけて二つです。
交通事故の書類や資料を整理しておく
損害賠償額を正確に把握しておく
交通事故の示談交渉で、保険会社の担当員の言いなりならない方法は、まず被害者自身で交通事故に関する書類や資料を整理しておくことです。
たとえば「交通事故証明書」を、ちゃんと自分用に入手しておきましょう。交通事故証明書は、特に交通事故の詳しい内容が記されているわけではありませんが、チェックしておくポイントとして、 事故が「人身事故」か「物損事故」かを確認する ことです。
被害者が怪我を負っているのに、物損事故として処理されてしまうと、怪我の損害が補償されなくなってしまう可能性が出てきます。そんな場合は交通事故証明自体を物損から人身に書き換える手続きも必要になりますので、示談交渉を始める前に必ず確認しておきましょう。
交通事故の示談
すでに人身事故になっている場合は、「実況見分調書」や「供述調書」など入手しておいた方がいい資料もありますので、それぞれ手に入れておくといいでしょう。
また損害賠償額を確定するのに、病院の治療費や薬代、あるいは入院費や通院費など支払ったお金に関しては、すべて領収書や明細を保管して整理しておく必要もあります。
保険会社が示談交渉をする場合、被害者が何も言わなくても、はじめから担当員が示談で支払う賠償金額を提示してきます。
保険会社からの示談金の提示
しかし被害者に交通事故の示談金に関する知識が全く無い場合、示された金額が妥当なのか判断が出来ません。ですから、事前に自分が遭った交通事故の場合に示談金の相場を調べておく必要があります。
なぜ弁護士だったら示談金が上がる可能性があるのか?
そもそも示談交渉の提示金額は保険会社の保険基準を元に算出されているため、どうしても安くなるという理由があります。もちろん保険会社もビジネスなので示談金が高くなるより少しでも安くしようとするのは当たり前です。
リアルな話をすれば、最初に示される保険会社の示談金は、自賠責基準に毛が生えた程度で、弁護士基準に比べれば相当安い可能性が高いでしょう。示談金の相場を調べる時間がないとか、そもそも交渉事は苦手だという人は、示談準備の時点で交通事故問題に詳しい弁護士を雇った方がいいかもしれません。
今回は交通事故の示談について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。万が一不幸にも交通事故の被害者になってしまった場合、示談の交渉相手は保険会社のプロです。素人が太刀打ちできる相手ではありません。早めに交通事故問題に詳しい弁護士にお願いした方が何かと有利だと思います。
交通事故の示談
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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