記事ID13360のサムネイル画像

追突事故では必ず追突した方の過失割合が100%になるとは限りません

追突事故の基本パターンは、道路上で停車していた車に後方から走ってきた車が突っ込むパターン。そうなると過失割合は基本的に追突した方が100%、追突された方は0%ということになります。しかし、追突事故では必ずしも追突した方の過失割合が100%になるとは限りません。

交通事故の過失割合とは

交通事故の過失割合とは、発生した交通事故に対する責任(不注意、過失)の割合のことです。
当事者双方に過失のある事故の場合、通常は当事者が契約している保険会社の担当者が話合い、過失割合を決定します。
その話合いの基準となるのは、過去の裁判例です。実際の事故と類似した過去の裁判例を基準として、実際の事故状況に応じて割合を修正しながら過失割合を決定していきます。

但し、損害保険会社が提示した過失割合で当事者が納得するとは限らず、その先の解決手段として、交通事故紛争処理センターによる裁定や、訴訟・調停といった司法の場の活用もあり得ます。2000年代後半からは、任意自動車保険への弁護士費用負担特約が普及したことから、過失割合について訴訟や調停に持ち込まれるケースが増えたとされています。

追突事故

交通事故が多く発生しているのは交差点での出会い頭の事故です。つまり車の進行方向が違う車との事故が多いのですが、同じ方向に向かって走っている車同士でも、意外によく遭遇するのが追突事故です。

追突事故

交差点内で右折のために停車していたら、いきなり後ろから車が突っ込んできたとか、高速道路やバイパスなどで渋滞が発生していて、最後尾についていたら渋滞に気づかない車に追突されたといった事故のパターンはよく聞く話です。

公道での追突事故の場合、事故相手の保険会社から連絡が来ます。物損事故の場合は修理代のお話になりますが、人身事故になった場合、慰謝料や治療費まで絡んでくるので、「過失割合」の問題がとても重要になってきます。

今回は追突事故での過失割合のお話です。前述のように、相手側の保険会社の対応が悪く、過失割合で揉めるケースが最近多いようです。

追突事故

追突事故 過失割合は100:0が基本

「過失割合」は「責任がどちらにどれだけあるか?」を示す割合です。示談金を確定する時に重要な要素となります。

追突事故

自動車同士の追突事故についての基本過失割合は、100:0です。これが大前提です。そもそも、後続車両には、「車間距離の保持義務」というものが道路交通法上規定されており、万が一前方の車が急ブレーキして停車したとしても、後ろから追突せずに停止出来るよう十分な車間距離を空けて走行する事が義務づけられています。

追突事故 前方車両が不用意に急ブレーキをかけた場合の過失割合

追突事故が発生する原因を並べてみると、次のようなものがあります。

● 後続車の前方不注意、脇見運転
● 後続車両の車間距離不足
● 後続車両のブレーキ操作の遅延
● 後続車両の酒気帯び運転や酒酔い運転
● 後続車両の速度オーバー
● 後続車両の居眠り運転
● 前方車両の急ブレーキ

などが考えられます。見ての通り、ほぼすべてが後続車両の過失ですが、ただ一つ、「前方車両の急ブレーキ」という原因がある場合は、被害者側にも過失が認定される可能性が残されています。

先ほど記載した通り、後続車両には車間距離の保持義務がありますから、「急ブレーキを踏まれたから、後ろから追突した」という言い訳は通用しません。

追突事故

しかし、この急ブレーキに相当の必要性、合理性が認められないとなると話は別です。不用意な急ブレーキについては、被害者側にも一定の過失割合を認定しています。その過失割合としては、加害者:被害者=70:30です。

追突事故

前方車が不必要な急ブレーキをかけて追突事故が発生した場合は、前方車の過失割合が30%となる可能性があります。

追突事故 駐停車車両への追突事故の場合の過失割合

本来は停めてはならない場所に停車させ、また必要な措置を怠り、後続車が注意していても追突が防げなかったような場合は、たとえ追突事故であったとしても、被害者側にも過失割合がつく可能性が十分にあります。

追突事故

後方から走行してきた四輪車が、道路に駐停車している四輪車に追突した場合の過失割合は、後方からの追突車両に100%,、駐停車車両に0%が基本過失割合です。

追突事故

ただし、道路交通法では駐停車について次のように定められています。

・坂の頂上付近、勾配の急な坂、トンネル、道路のまがりかどなどは駐停車してはならない(44条)
・車両が夜間、道路にあるときは前照灯、車幅灯、尾灯、その他灯火をつけなければならない(52条)
・車両は駐停車するときは道路の左端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない(47条、47条2項)

追突事故

また、被害者が駐車禁止場所や駐停車禁止場所などに車を停めていた場合で、それが原因で事故を誘発したと認められるような場合は、過失を主張される可能性があります。例えば、曲がり角のすぐ先の死角になるような場所に車を停めていたり、夜間にハザードランプもつけずに停車していたような場合についても同様で、それぞれについて10~20%程度の過失割合が生じます。

追突事故

駐停車車両への追突事故の場合、駐停車車両に過失がある場合、過失割合が増える可能性があります。

追突事故 被害者に酒気帯び、酒酔い、無免許等があった場合の過失割合

さきほどの過失割合に加え 、被害者が飲酒運転や無免許運転だったような場合は、さらに 5~20%程度過失割合が加算される可能性もあります。

追突事故

まとめ

いかがでしたでしょうか、以上が追突事故の合の過失割合についての基本事項です。

しかし基本的に追突事故の過失割合は保険会社が勝手に決めます。

「もしかして自分は保険会社に適当にあしらわれているのではないか?」とお感じの方は、各種交通事故相談窓口に相談されてみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

関連する記事

この記事に関する記事

この記事に関するキーワード

キーワードから記事を探す

TOPへ