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自動車の国内登録シェア、トヨタ独走、ホンダ・日産低迷、マツダ躍進

2015年の自動車生産・販売台数が出揃った。国内自動車販売台数は504.7万台と2014年に比して51.6万台も減少。特に軽自動車の販売低迷が目立つ。登録車のシェア争いはトヨタが45.1%と独走。ホンダ、日産は前年割れ、マツダがシェアを1.3ポイントアップした

2015年度の国内自動車売台数

 2015年の国内自動車販売台数は前年比90.7%の5,046,511台と大幅に減少し、かろうじて500万台を維持しました。

 特に低迷したのが軽自動車です。今年に入って12カ月連続で前年割れし、前年比83.4%の1,896,201台と3年ぶりの200万台割れとなってしまいました。
 2015年4月、保有にかかる軽自動車税がそれまでの年間7200円から年間1万0800円へ1.5倍に引き上げられ、軽の相対的な割安感が薄れたことが影響しています。加えて、ダイハツ工業とスズキのシェア争いが激化した前年の水準が高かったこともマイナス幅を大きくしたと思われます。

トヨタ・アクア

2015年販売ランキング1位のトヨタ・アクア 215,525台

 一方、登録車(軽以外の自動車)は健闘しました。前年比95.8%の 3,150,310台とマイナスではありますが、4月以降では前年割れは2カ月のみで4~12月累計ならば101.2% とプラスに転じています。登録車は、2014年4月の消費増税後の反動減が大きかったため、軽より早く底打ちしています。

ホンダ・N-BOX

2015年新車販売ランキング2位はホンダ・N-BOX 184,920台

 結果として、2015年の新車販売全体に占める軽自動車のシェアは37.6%。初めて40%を越えた前年(40.9%)から大きく後退してしまいました。ただ、2010年以降、一貫して増えてきた軽自動車のシェアが減少に向かうのか見極めにはもう少し時間が必要です。

自動車登録台数シェア

 登録車のシェアでは、トヨタ自動車のシェアが45.1%(2014年比0.2ポイント増)とトップを独走し、2位本田技研工業のシェアが12.1%、3位日産自動車のシェアが12.0%で続きます。本田技研工業のシェアは1.5ポイント減、日産自動車のシェアも1.0ポイント減とシェアを落としてしまいました。

ホンダ・フィット

2015年新車販売ランキング3位はホンダ・フィット 119,846台

 本田技研工業は2014年末発売の小型セダン「グレイス」、2015年2月のミニバン「ジェイド」など投入した新車が空振り。ただし、それは当然かもしれません。グレイスは海外向けシティの改良モデルですし、ジェイドも中国向け車両を日本へ導入したものですから。日産自動車に至ってはめぼしい新車がありませんでした。

ホンダ・グレイス

ホンダ・ジェイド

 ここから見えてくることは、本田技研工業や日産自動車は国内ニーズを優先した車両開発をする余裕がなくなりつつあること。実は本田技研工業、日産自動車とも世界的には販売を伸ばしており、業績もそれほど悪くありません。グローバルに事業を展開する両社にとって、成長が見込める海外向けにリソースを配分するのは当然ともいえます。国内を見据えた開発が出来るトヨタ自動車との差はますます広がっていくでしょう。

 もっとも好調だったのは4位のマツダ。2014年9月の「デミオ」や2015年2月の小型SUV「CX-3」、5月の「ロードスター」と矢継ぎ早に出した新車がすべて当たり、シェアは6.4%と前年のシェア5.1%から1.3ポイント伸ばしました。

マツダ・RX-VISION

 近年、統一デザインテーマ「魂動」や新世代技術「SKYACTIV-TECHNOLOGY」で急速に性能やデザインがアップしたマツダはブランドイメージも急上昇。昨年10月に開催された東京モーターショーでもため息が出るほど美しいコンセプトカーが人気を博していました。過去、値引きに頼って販売し中古車価格が下落する悪循環にありましが、「正価販売」を打ち出し「値引きのマツダ」からも脱却しつつあります。2016年も早々に「CX-9」を発表し、今後もこの勢いは続きそうです。

マツダ・CX-9

 5位は富士重工業で123,985台、シェアは3.9%(前年比0.1ポイント増)。6位はスズキで76,656台、シェアは2.4%(同±0ポイント)となっています。

軽自動車販売シェア

 軽自動車は全体的に低迷する中で、トップシェアは32.1%のダイハツ工業。前年同期から97,516台減らしましたが、2014年からシェアは1.0ポイントアップしています。

ダイハツ・タント

2015年新車販売ランキング4位はダイハツ・タント 157,756台

 一方、2014年に、2006年以来となる軽ナンバーワンの座に返り咲いたスズキのシェアは29.5%(前年比1.7ポイント減)。前年比で149,379台も販売を減らしています。結果、2015年はダイハツが49,068台の差をつけてトップを奪回しました。

 面白いのは、業績ではダイハツ工業が大幅減益に苦しむのに対し、スズキは増益を維持している点です。

日産・デイズ

2015年新車販売ランキング5位は日産・デイズ 150,696台

 3位はシェア18.2%の本田技研工業で345,650台(シェアは0.5ポイント増)。4位は日産自動車の210,831台シェアは11.1%(シェアは0.5ポイント増)。5位は三菱自動車工業の61,463台、シェアは3.2%(シェアは0.3ポイント減)となっています。

国内自動車生産台数シェア

 2015年の国内自動車生産台数は前年比94.9%の8,744,103台。前年から、474,272台も減少しました。

 国内自動車生産台数のトップは、トヨタ自動車の3,188,444台でシェアが36.5%(2014年比1.1ポイント増)。2位は前年4位のマツダで972,237台、シェアは11.1%(同1.0ポイント増)と躍進。3位は前年2位のスズキで937,568台、シェアは10.7%の(同1.8ポイント減)。4位は前年5位の日産自動車で872,831台、シェアは10.0%(同0.4ポイント増)。5位は前年3位の本田技研工業で730,493台、シェアは8.4%(同2.0ポイント減)。6位は前年7位の富士重工業で709,749台、シェアは8.1%(同0.6ポイント増)。7位は前年6位のダイハツ工業で697,340台、シェアは8.0%(同0.5ポイント減)。8位は三菱自動車工業で635,441台、シェアは7.3%(同0.3ポイント増)となっています。

まとめ

 自動車の生産・販売台数シェアについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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