プラグイン・ハイブリッドの代名詞、プリウスPHV!燃費性能は!?
2016/06/20
ぽぽぽぽーん
2015年12月9日にフルモデルチェンジし4代目となるプリウスが発売されました。その見た目や40km/Lの燃費性能などが話題になりましたが、今回はそれまでのプリウスにはなかった4wdモデルが追加されました。プリウス4wdの仕上がりはいかがなものなのでしょうか?
こちらが3代目プリウス。
そして新型となる4代目プリウス。顔付きなどデザイン面でのインパクトが話題にもなりました。
しかしボディ形状は3代目プリウスと同じ流線型となっているのですが…このボディそのものが進化しています。皆さんこのCMに見覚えはありませんか?
今回のプリウスはTNGAの第一号車であり、グッと車高が押さえ込まれました。今回のプリウスの魅力の一つです。
車高が低くなったことの利点は動画内での会話の通りです。軽量化や低重心化が可能。「クルマは軽くて低重心であるほど良い」これはスポーツカーでもエコカーでも同じことです。
しかし、このボディで4wdのシステムが収まるのでしょうか?2wdと4wdを比較すると必ずと言って良いほど最低地上高や全高に数値として現れる物です。はたして4wdでのプリウスはどうなのでしょうか?
というわけで、早速新型プリウスの諸元表を確認しました。はたしてどのような違いがあるのでしょうか?
この数値は2wdと4wdのどちらかを選択できるグレード「Aプレミアム・A・Sおよび各ツーリングセレクション」の数値です。Eに関しては2wdのみのラインナップですが、40.8km/Lという4代目プリウスとしてはもっとも高い燃費性能です。
さて、2wdと4wdの全高と最低地上高はどう違うのでしょうか?
なんと全体的に5mmの上昇で留まっています。特に注目すべき点は最低地上高でしょうか。通常は4wdの駆動システムを組み込むと、最低地上高は低くなる傾向なのです。
全体的に5mm上昇ということは、あえて4wdに関してはリフトアップしたと考えるのが自然ではないでしょうか。
今回トヨタはプリウスの4wd化によって、雪国での販売にも力を入れることでしょう。その過程で最低地上高は2wdと同様に確保されていたのを、雪に対応するために5mmのリフトアップを施したのではないでしょうか。
TNGA一号車である今回の4代目プリウスですが、そのプリウスには通常の機械式の4wdを搭載すると言う事は考えにくいでしょう。そもそも機械式であれば最低地上高の数値に表れるはず。
となると、独立したモーターを用いた電力による駆動を行うシステムです。トヨタには既にE-Fourというシステムがあり、既にミニバンタイプに対して使用されている4wdシステムです。
プリウスに搭載するE-Fourには変更が加えられています。まずは各部品の配置が換わっています。
ミニバンであれば十分な室内スペースがあり、床下にもスペースがあるので走行用バッテリーを配置できたのでしょうが、TNGA車であるプリウスにはその様な余裕はありません。リヤインバーターを納めていたボンネットも削られています。そうなると搭載できるスペースはリヤの足回り周辺ということになります。
こちらが実際のリヤ周りのイメージ図。ちょうどバッテリーの上あたりに後部座席がくる位置になっています。
全体的に薄型・小型化はされたのですが、その最たる部分と言えるのが4wdシステムの要ともいえるリヤトランスアクスル&リヤモーターのユニット。イメージ図で見てもらえばわかりますが、従来の物からかなり小型化されています。
これによって余裕のある457Lの収納スペースを確保できました。ちなみに4代目プリウスの2wdモデルは502Lの容量で3代目と比べると56L増えているとのことです。4wdではデッキアンダートレイのが大型になることで457Lですから…おや?4wdでありながら、3代目プリウスよりも収納スペースは増えてますね。このことから如何にユニットが小型化されたのかがわかるかと思います。
従来の機械式の4wdでもそうなのですが、4wdであれば雪道の悪路に強いというのは間違いです。というのも、スリップしたときに重要になってくるのはデファレンシャルの存在です。
デファレンシャルは旋回時の内輪差による左右のタイヤの移動距離の違いを、タイヤの回転数を左右で変えることによってスムーズな旋回を手助けしています。しかし、この装置があることでスリップしたり、宙に浮いてしまったタイヤがあると接地しているタイヤには駆動力が伝えられなくなり、最悪その場から動けなくなるという欠点もあります。これを防ぐのがデフロックやリミテッド・スリップ・デフ(LSD)と言われるものです。悪路で重要なのは必要に応じた駆動力の制御なのです。
さて、今回のプリウスはそのへんはどうなのでしょうか?
加速時や雪道などの滑りやすい路面で、スムーズに4輪駆動走行へ切り替えることで発進性・走行安定性をアシスト。コーナリング時には車両の状態に合わせて前後へのトルク配分を最適化し、優れた操縦安定性をもたらします。
日常での使用において、発進時には前輪だけでなく後輪にも駆動力を配分し、発進をアシスト。
その後は時速70km/hまで、走行条件に合わせて前後輪を10:0から4:6の配分比の間で制御します。言わば賢く必要な分だけ働くシステムです。
ここは前後で独立したモーターを持っているプリウスの強みですね。普段はFFでの2wd走行によって燃費向上。加速時やスリップ検知時には、駆動力を上手く分配する4wdへと移行するというシステムです。
状況に合わせた前後のトルク分配のイメージ。
もちろん4wdだけでなく、既存のVSCシステムなども搭載されています。4wdでの駆動力のコントロールだけでなくブレーキによる制動力での走行時の安定性を確保しています。
いかがだったでしょうか?
見た目が特に話題となっていた今回の新型プリウスですが、プリウスとしては初めて4wdを搭載したことで雪国での売れ行きが気になってきます。実際にトヨタとしてもそこを意識した4wdのセッティングとなっているようです。実際に雪国では4wdであるかどうかと言うのは重要視されています。4wdは雪に対する保険みたいな物です。FFしかなかったプリウスとしては泣き所だったわけです。
またTNGAを始めて取り入れたことによって、今回のプリウスからはスポーツカーらしい雰囲気が漂っています。4wdを取り入れたこともあり、今までのプリウスにはない走る楽しさも見所かと思います。
本格的な雪のシーズンに入る直前のタイミングで投入されたプリウス。その4wdは雪国で通用するのでしょうか?これからはその走りにも注目です。
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