最も燃費が良いハイブリッド車は？走り方で燃費に差がでるって本当？

ハイブリッドカーとは2つ以上の動力源を持つ自動車のことを言います。

日本においてハイブリッドカーと呼ばれる車両はエンジンモーターを動力源として備えた車のことです。メーカーや車種によって違いはありますが、運転条件によってエンジンのみで走行、モーターのみで走行、エンジンとモーターを同時に使用して走行するものなどがあります。

日本や北米のハイブリッドカーにはエンジンの回転力を直接動力として利用するだけでなく、発電機を回すために利用するタイプが多く存在しています。
主にエンジンが発電機の動力源となり、補助的に二次電池や回生ブレーキを用いています。

ハイブリッドカーは発電と駆動の方法で「シリーズ方式」、「パラレル方式」、「スプリット方式」に分けられます。現状では最も構造と制御が単純なシリーズ方式が世界的には主流となっています。

シリーズ方式はエンジンを発電のみに使用し、モーターを車軸の駆動と回生のみに使用するもので、エンジンを発電用の動力源として搭載した電気自動車です。

パラレル方式は搭載されている複数の動力源を車輪の駆動に使用する方式です。
エンジン走行とモーター走行のメリットを生かすことを考えられた、両者の「いいとこどり」といえるのがパラレル方式です。

スプリット方式はエンジンからの動力を動力分割機構により分割することで、発電機と車輪の駆動へ振り分けたり、エンジンとモーターからの駆動力を自由に合成するといったことが可能となる方式です。
燃費悪化の原因となるエンジン出力の変化を出来る限り抑えていることがスプリット方式の特徴といえます。

ハイブリッド車は燃費が良いというメリットばかりが強調されることが多いですが、デメリットもあります。

デメリットの1つ目がシステムの複雑化による重量増加です。
ハイブリッド車は内燃機関およびその補機一式以外に電動機および駆動用バッテリと燃料タンクを搭載していますので、同程度の排気量のガソリン車に比べ15-20%ほど重いといわれています。

また、ハイブリッド車はガソリン車に比べコストが高いというデメリットもあります。

同じ車種のガソリン車とハイブリッド車の価格を比較した際に、極端な例だと2倍以上になると言われています。また、ハイブリッドカーではバッテリーの交換費用などガソリン車にはないコストが発生することがあります。

ハイブリッド車の燃費の良さは誰もが知るところですが、同じ車種でハイブリッド車とガソリン車が用意されていた場合、どちらを購入するのが良いのでしょうか。

同車種でガソリン車、ハイブリッド車が用意されているトヨタ ヴェルファイアを一例にあげ、比較してみたいと思います。
なお、ヴェルファイアは2016年6月8日～2016年7月8日の期間においてトヨタで最も売れた車種です。

ヴェルファイアで最も安価なガソリン車はグレードX。
燃費は11.6km/Lで価格は3,197,782円です。

一方、ヴェルファイアで最も安価なハイブリッド車がグレードHYBRID X。
燃費は18.4km/Lで4,155,055円です。

実際は他に諸経費などがかかりますが、今回は単純に車体価格のみを比較します。
ガソリン車とハイブリッド車の価格差は約100万円ですね。

ガソリン車とハイブリッド車が1万km走ったとして、それぞれ必要なガソリンは
ガソリン車：10000/11.6=約862L
ハイブリッド車：10000/18.4=約543L
となり、1万km走るのに必要なガソリンの差は約319Lとなります。

2016年7月7日における東京のガソリン平均価格は118.8円/Lでしたので、319Lは37897.2円となり、1万km走るごとにハイブリッド車は37897.2円お得となります。
ですので、車体価格の100万円をガソリン代で補うとすると約26万km走る必要があります。

今回の算出はあくまで一例です。
車を買い替えるスパンや走行距離は人によって異なりますし、ガソリン車とハイブリッド車の価格差、燃費差は車種によって異なります。

とはいえ、ハイブリッド車を購入するか、ガソリン車を購入するかは個人のライフスタイルにあわせて検討する必要がありそうですね。

どうせハイブリッド車を買うなら一番燃費が良いハイブリッド車を買うのがお得です。
ということで最も燃費が良いハイブリッド車をご紹介します。

最も燃費が良いハイブリッド車はトヨタ・プリウス。
トヨタ・プリウスの燃費はグレードによって異なりますが、その燃費は37.2～40.8km/Lです！

トヨタ・プリウスといえば世界初の量産ハイブリッド専用車として知られており、販売店の営業日ベースで月間販売目標（約12,000台）の約8.3倍に相当する約10万台の受注があったほどの大人気車種。

価格は2,429,018～3,199,745円ですが、これだけの燃費ならハイブリッド車を購入した方がお得となる可能性は高そうです。

それでは最後にハイブリッド車で燃費を良くするにはどうすれば良いかをご紹介いたします。
カタログ燃費と実燃費では差が出るのは仕方ないことですが、なるべくカタログ燃費に近づくようにしたいですよね。

まず、なるべく重量を軽くすることです。
これはハイブリッド車に限ったことではありませんが、トランク等に余計な荷物があり重量が重いと燃費は悪くなります。不要なものはなるべく積まないようにして下さい。

次にエアコンをOFFにすることです。
過ごしやすい季節はエアコンを付けずに窓を開けると燃費に良いです。
夏場や冬場にはエコ温度に設定することを心がけると無駄に電力を消費せずに済みますので燃費が改善します。

続いては急停止をしないこと。
ストロングハイブリッドではブレーキを踏むことで発電用モーターが回りバッテリーに充電されます。
約10km/h以下になるまではこの回生ブレーキが充電し続けますので、ブレーキを踏んでいる時間が長い方がよりバッテリーに充電される量が増えることとなり、必然的に燃費も向上します。

最後はなるべく長距離を走ること。
ハイブリッド車はシステム起動から1分程度はエンジンが止まらない暖気がありますので、数分しか運転しない場合には燃費は伸びません。暖気はガソリンを無駄に消費することになりますので、なるべく暖気の回数を減らして一度のドライブで距離を走るようにすると、燃費も伸びてきます。

いかがでしたでしょうか。
燃費が良いことで人気が高いハイブリッド車ですが、ライフスタイルによってはガソリン車の方がお得になるケースもあるというのは意外でしたね。

もちろんハイブリッド車しかない車種であれば迷うことはありませんし、長距離を走る方であればハイブリッド車の方がお得になることが多いでしょう。また、ガソリン価格が上昇すればハイブリッド車の方がお得になる可能性が高くなります。

ハイブリッド車の購入を検討されている方はご自分のライフスタイルを考えて改めて検討してみて頂ければと思います。
それでもハイブリッド車が欲しいとなれば、なるべく燃費の良い走りを心がけて頂きたいと思います。