軽自動車の気になる走行距離、気にする走行距離のあれこれについて!
2016/04/09
とっぱらや
最近の軽自動車の室内空間はとっても広々。エンジンの改良も進み、ターボ車ならば軽自動車とは思えない走りも実現します。そんな広くてパワフルな軽自動車に5人乗りは認められるの?5人乗りの軽自動車は存在するの?といった軽自動車5人乗りに関する疑問にお答えします!
軽自動車のカタログを見ても、乗車定員は4名としか書かれていません。
しかし、ちゃんと5人乗りができるのです。もちろん合法で、公道を走れます。
キャストの諸元表
現在の軽自動車の規格は、1998年(平成10)10月発表以降の車両に適用された規格です。
ボディ寸法は全長×全幅×全高3400×1480×2000mm以下、排気量660cc以下、乗車定員4名以下となっており、5名以上(5名含む)の乗車定員の軽自動車は存在しません。
しかし、このように定められてはいますが、やはり軽自動車での5人乗りは可能なのです。
そのカラクリを解説します。
とはいっても、軽自動車の乗車定員で示されている通り、乗車定員は4名です。
大人が軽自動車に5人乗りした場合は定員外乗車として道路交通法第57条に抵触し、1点の行政処分を受けます。
ここでいう「大人」とは、12歳以上の人をさします。小学6年生の子どもでも12歳に達していれば、「大人」としてカウントされますのでよく気をつけてください。
大人が軽自動車で5人乗りをして交通事故を起こした場合、問題が深刻になる場合があります。
定員オーバーをしている場合は、事故を起こしても搭乗者保険が支払われない可能性があります。
保険はあくまで正しい運転をしている人のためのもので、ルール違反をした人の事故はカバーされません。
搭乗者保険が支払われるケース・支払われないケース
保険料が支払われるケースは、正しく座っていた際の交通事故によるケガ。
もちろん、シートベルトやチャイルドシートの使用が前提です。台風や洪水、高潮などの被害に遭った場合も搭乗者傷害保険を使うことができます。
一方で、支払われないケースは搭乗者が危ない乗り方や違法な乗り方をしていた場合です。例えば、定員オーバーで乗車していたり、サンルーフや窓から車両の外に身を乗り出していてケガをしたりした場合です。荷台に乗車していてケガをした場合もNGです。
以上の通り、大人の5人乗りは軽自動車ではできません。
ちょっと頼まれたから、近距離だからといって引き受けてしまう人も少なくありませんが、そんな時に限って取り締まりを受けたり、事故を起こしてしまうことというのはよくあることですよ。ご注意ください。
ペンギンの5人家族
軽自動車の5人乗りで認められるのは、「大人2人+子ども3人」の場合です。
乗車定員の根拠となる「道路運送車両の保安基準」によると、12歳未満の子ども1名はは大人の2/3名としてカウントすることとなります。
したがって、大人2名と子ども3名ですと、2+(3×2/3)=4となります。子どもが3名で大人2名の扱いですので定員オーバーにならず5人乗りできます。
大人1名と子ども4名の場合も、1+(4×2/3)=約3.67ですので、この場合も定員に収まりますので5人乗りが可能です。
子どもを自動車に乗せるときには、チャイルドシートの使用が推奨されていますし、6歳未満の幼児を乗せる場合は義務づけられています。軽自動車の5人乗りに関して、これが大きな問題です。
チャイルドシート、6歳未満の子どもには使用義務があります。
しかし、軽自動車の後席にチャイルドシートを取り付けるにもシートベルトが2つしかありません。
チャイルドシートを使わないにしても、シートベルトが足りません。
全員分のチャイルドシートを取り付けるスペースがない場合は、取り付けが可能な座席にだけ取り付ければよい)や身体の状態によりチャイルドシートの使用が困難な時、また事業用のバスやタクシーがお客である幼児を乗せる時など、使用義務が免除される場合もあります。
軽自動車での5人乗りの場合は、これに該当します。
ですので、大人2名+6歳未満の子どもが3名で5人乗りする場合、1名はチャイルドシート無しで乗車できます。
シートベルトに関しても同様で、子ども3名を後席に乗せた場合、足りない1名分のシートベルトの着用義務は免除されます。
質問3 子どもが多くベルトが足りないが?
答え
12歳未満の子どもは3人で2人とみなされるので,ベルトが足りなくなることがありますが,足りない分は免除されます。
しかし、シートベルト無しで乗車する位置は、後席の中央となります。5人乗りして事故を起こした場合の危険度が高いため、運転には細心の注意が必要です。
違反にならないということと、安全が確保できるというのは別の話です。
シートベルトがないと、事故時に危険
運転しやすく、子育て世帯でも買いやすい軽自動車に、大人5人乗りを公認する車種がないというのは多くの人の不満です。
ボディサイズの制約があるとはいえ、最近の車種を見れば確かに5人乗りが可能といっても不思議ではありません。
しかし現在は国の定めたルールにより、軽自動車の定員は4名以下に限られています。メーカーがわざと5人乗りの軽自動車を作らないのではなく、決まりに従わざるを得ないのでこうなっているのです。
第189回国会開会式
21世紀に入って、様々な規制緩和が議論されて実現しています。私たち自動車ユーザが声を集めて働きかければ、規制緩和につながって5人乗り軽自動車が実現するかもしれません。
スズキ・ハスラーCM
何か、5人乗りできそうなイメージを与えているような…
これまで述べた通り、大人2名+子ども3名、大人1名+子ども4名という形ならば、軽自動車での5人乗りは合法的に可能です。
しかし、シートベルトやチャイルドシートを使えない軽自動車の後席中央は、万一の事故時に大変危険です。
車外放出事故における年齢別の構成比
このようなデータを見る限り、軽自動車での5人乗りは危険と隣り合わせです。
普段軽自動車を使っている人で、どうしても5人乗りする必要に迫られた場合は、思い切ってレンタカーを利用しましょう。あるいは、二人の大人がそれぞれ別の軽自動車を運転し、全員で4名の範囲内に収まるようにするのが賢明です。
無理して軽自動車の5人乗りを行って、大きな事故を起こしてしまったでは取り返しがつきませんから…
軽自動車を定義するルールが変わらない以上、「5人乗りは可能だけど行わない」…今はこうするしかありません。
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