交通事故における損害賠償とはどんなもので、どこまで請求できるか?
2016/03/25
とっぱらや
交通事故の被害者が保険会社や医師とトラブルになるケースで多いのが、整骨院での後遺症治療をおこなう際です。事実、ネットで「交通事故・整骨院」と検索するとたくさんヒットします。被害者は交通事故の後遺症だけでも堪えられないのにその上保険会社・医師とモメては堪りません
整骨院とは、「柔道整復師が柔道整復術を施術する施術所」です。整骨院の施術は医師がおこなう医療行為と違い、医業類似行為と呼ばれています。
〔交通事故〕整骨院
整骨院の施術は医学的にはあくまで補完医療という位置付けになっています。交通事故では、追突によるむち打ち(頚椎捻挫)被害者の多くが整骨院で施術を受けており、その治療により症状が大きく改善したというケースも見られます。
柔道整復師は、高校卒業後、厚生労働省の許可した専門の養成施設(三年間以上修学)か文部科学省の指定した四年制大学で解剖学、生理学、運動学、病理学、衛生学、公衆衛生学などの基礎系科目と柔道整復理論、柔道整復実技、関係法規、外科学、リハビリテーション学などの臨床系専門科目を履修します。
柔道整復師
国家試験を受け、合格すると厚生労働大臣免許の柔道整復師となります。
資格取得後は、臨床研修を行い、「接骨院」や「整骨院」という施術所を開業できます。また、勤務柔道整復師として病院や整骨院などで働くこともできます。
交通事故の治療には、まずは整形外科に通院するというケースがほとんどだと思います。整形外科医が交通事故被害者のために熱心に治療をおこない、そこで治療効果が見えれば全く問題ありませんし、あえて整骨院に通院することもないでしょう。
交通事故でむち打ち(頚椎捻挫)
しかし、整形外科で交通事故の治療を続けていても、いっこうに痛みが改善しないなど、治療の効果があまり見えて来ないと、整骨院への通院を検討するという人も出てくるでしょう。
整骨院への通院を希望する場合は、事前に医師に相談してみましょう。
整骨院への通院が事後報告となってしまったことで、あからさまに不快感を示す医師がいますし、そもそも整骨院の施術を信用していない医師もいます。
交通事故で頸椎捻挫
もし、整骨院でおこなった施術が原因で交通事故の被害者の体に悪影響が出た場合、訴えられるのは担当の整形外科医です。
このように医師と整骨院の間には微妙な関係がありますので、事前に医師へ整骨院への通院の了解を得た方が良いということなのです。
しかしながら、医師の中には整骨院の話を持ち出した途端に態度が急変し、以後の治療を拒絶されたという話を聞いたこともあります。
交通事故で頸椎捻挫
一般的に交通事故で起こる頸椎捻挫(むちうち症)は、レントゲン・MRIに異常をきたさないことから、整形外科ではあまり親身に治療をしていただけないことが多く、周りの人からも「見た目は元気そうだけど・・・」などと言われてしまい、辛さをなかなか理解していただけません。
担当の整形外科医を敵にしてしまっては、診療の際に不利を被ったり、場合によっては後遺障害認定等級にも影響する可能性だって考えられます。最終的な症状固定の診断を下すのは医師なのです。整形外科での診察時には、医師に自分の後遺症の具体的な症状(痛み、痺れなど)を積極的に伝えると共に、良好なコミュニケーションをとっておきましょう。
整形外科に通院中に交通事故の後遺症の症状が改善しない場合には、医師の同意のもと代替療法として整骨院に通うことは可能です。
また、保険適用内の治療を受ける限りは治療費も保険会社の負担となります。
交通事故でむち打ち(頚椎捻挫)
交通事故の被害者が整骨院に通うのは自由ではあるのですが、気をつけたいのが前述のように医師や保険会社との対応の仕方です。
保険会社の担当者の中には、被害者が整骨院に通院することを止めたり、回数を減らすように指示したりと、できるだけ費用を減らそうとやっきになる人がいます。
交通事故の後遺症治療で整骨院へ通院
また、整骨院へ通院すると1日あたり4,200円の慰謝料負担が発生します。このように保険会社にとっては二重に費用が発生するため被害者が整骨院の通院することを嫌います。
それも当然で、保険会社側は毎回の治療費の負担をしなくてはなりません。整形外科への通院は多くても週1回程度だと思いますが、整骨院への通院はマッサージなどにより症状が楽になるということもあってか頻繁に通う人が多いためです。
そのため、被害者と保険会社はこの整骨院への通院費で揉めるケースが多いのです。
保険会社としては、交通事故の被害者が整骨院へ通う正当な理由があるのかを疑問視します。「整骨院への治療が必要なのか?」、「慰謝料目的で通院していないか?」さらに「整骨院側に不正請求がないか?」などを調査して、疑いがあると判断したら整骨院での治療打切りの通達をしてくることがあります。
整骨院の施術の保険の適用範囲をご説明します。この適用範囲を巡っても保険会社とよくトラブルが起こります。
交通事故でむち打ち(頚椎捻挫)に
交通事故で整骨院に通院する方の多くが、むち打ち(頚椎捻挫)のリハビリのため
「電気療法」「手技療法」「温熱療法」「運動・ストレッチ療法」などは保険適用ですが、「鍼灸治療」は医師の同意書がなければ保険適用外になることがありますし、交通事故の後遺症の患部以外の治療は保険適用外になることがあります。
本来は保険適用範囲内の治療なのに適用範囲外であると言ってきたり、患部以外の施術の支払いはできないと一方的に通達してくるような保険会社の担当者もいます。
交通事故でむち打ち(頚椎捻挫)に
それを聞いて、多くの交通事故被害者が保険会社の言うままに治療を限定したり、通院回数を減らしたりするようです。
この治療範囲や通院回数に関しては、法律や保険の素人である被害者は何が正しいのか判断できませんので、多くの被害者が保険会社の言うままに泣き寝入りするケースが多くなる現状があります。
交通事故後のトラブルについて紹介してきましたが、これらのトラブルの相手はすべてその道のプロです。一方、交通事故の被害者は何の知識も持ち合わせていない傷ついた弱者です。ここは専門知識を持っているプロに任せた方が得策です。交通事故の専門家である弁護士を早めに代理人にしていれば、事故後のトラブルに巻き込まれずに済みます。また、保険会社との交渉で嫌な思いをしたり、医師との対応で気苦労を重ねることもありません。
交通事故の被害者になったら弁護士に相談
交通事故の専門家である弁護士を早めに代理人にしていれば、事故後のトラブルに巻き込まれずに済みます。また、保険会社との交渉で嫌な思いをしたり、医師との対応で気苦労を重ねることもありません。
交通事故の被害者にとっては、一生懸命リハビリに励んでいる中で、保険会社からのクレームは我慢なりません。実際に、保険会社とのトラブルで、精神的に不安定になったりして、うつ病を発症する人もいるでしょう。
ここで問題なのは、後遺症治療から医師対応、保険会社対応をすべて被害者個人が担ってしまっていることです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事に関する記事
キーワードから記事を探す
Copyright© 運営事務局