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オイルをキレイにする車の腎臓、オイルフィルターエレメント!

オイルフィルターエレメントはエンジン内を循環するオイルが人間の血液だとすると、血液中にある不純物を取り除く腎臓のような役割を果たします。エンジン内のオイルをクリーンに保ち、エンジン本来の性能を保持します。今回はオイルフィルターエレメントを紹介しましょう。

オイルフィルターオイルエレメントって何?

エンジンをスムーズに動かし、フルにパワーを引き出すためにオイルが使用されています。オイルは使用中に燃料の燃焼によるススやスラッジ、エンジン摺動面の金属摩耗粉、外部から吸収する空気のホコリなどにより汚れていきます。
これらの不純物や汚れをろ過してエンジンを快調に動かすためにエンジンの潤滑系統に組み込まれた部品がオイルフィルターエレメントです。 人間で言えば、オイルは血液であり、オイルフィルターエレメントは腎臓に相当します。

オイルフィルターエレメント

オイルフィルターエレメントの構造と種類

ひとくくりにオイルフィルタエレメントと言っても、目的により中の構造や、求められる機能は様々です。
ここでは基本となるスピンオンタイプの構造を解説します。

オイルフィルターエレメントの構造

サポートスプリング(セットスプリング):振動やオイルの油圧によりフィルタエレメントが動かないように保持します。

リリーフバルブ(逃がし弁):オイルの粘土が高い起動時や、フィルタエレメントが目詰まりを起こしたとき、油の流量を確保するために開きます。

フィルタエレメント(ろ紙):エンジンオイル中の異物、不純物を取り除きます。ひだ折りにより多くのろ過面積を持ちます。

アンチドレーン弁:エンジン起動中に給油切れを起こさぬよう、フィルタ内のオイルがエンジン停止中にオイルパンに逆流するのを防止します。

ガスケット:エンジンブロック側の取付面とフィルタをしっかりシールします。熱・オイルに侵されないよう高品質の材料を用いています。

「圧力調整弁(レギュレーターバルブ)」:オイルポンプからの油圧が一定以上になると開弁し、オイルをバイパスさせ、フィルタに異常油圧がかからないようにしています

現在使用されているオイルフィルターエレメントはフィルターエレメント(ロ過材)とその部品がシェル(外殻)と一体になった(スローアウェイタイプとも呼びます)がほとんどです。ごく一部にフィルターエレメントだけを交換するタイプのものもあります。他にも特殊なタイプのものもありますが限定されています。

オイルフィルターエレメントの内部構造

なぜオイルフィルターエレメントの定期的な交換が必用か

オイルは使用していると、必ず酸化し、スラッジが生成されカーボンやゴミなどで汚れてきます。

その汚れを除去するのが、オイルフィルターの役割ですが、オイル自体の劣化が過度に進むとオイルフィルターの能力も限度を超えてしまいます。

入口から流れ込んだ汚れたオイルはフィルタエレメント(ろ紙)を通過して不純物が取り除かれ、きれいなオイルになり油出口からエンジン内に流れます。

長期間オイルフィルターエレメントを交換しないでいると目詰まりを起こし、フィルター内のバイパスバルブが開いて汚れたオイルが直接エンジンに供給されてしまうのでエンジンの汚れと摩耗が発生し、エンジンの寿命を縮めます。
また、次にバイパス回路も詰まってフィルターのカートリッジが変形し、オイル漏れを起こし、エンジン焼付きを起こすこともあります。

交換後のオイルフィルターエレメントのフィルターエレメント

1万kmエンジンオイル交換をしていない車のオイルフィルターです。すごく汚れているのがわかると思います。また、スラッジが多く付着しており目詰まりしていると思われます。

直ちにエンジンへの重大なダメージにはなりませんが、長期的にこの状態で放置すると、思わぬ故障などの原因になる場合もありますので、定期的な交換を心がけましょう。

デミオのオイルフィルターエレメント交換

リリーフバルブが開いてしまうほど汚れているかどうかの状態は外観では判断できませんし、オイルフィルターには交換時期を自動で知らせる手段もありません。そのため次回の交換時期などを記載しておくステッカーなどを利用しメンテナンス時期の確認をしましょう。

オイルフィルターエレメント交換

オイルフィルダーエレメントを取り外したところです。

オイルとオイルフィルターエレメントの同時交換が理想的

オイルフィルターエレメント交換

オイルフィルターエレメントはエンジンの下方に取り付けられています。

実は古いオイルフィルタエレメント内には汚れたオイルが100~500ml(缶 ジュース約1本分)残っています。せっかく新しいオイルに交換したとしても、汚いオイルと混ざることになるのでオイルの劣化を早めます。オイル交換の時は、オイルフィルタエレメントも同時に交換しましょう。
オイルフィルターエレメント内に残った古いオイルを除去するためにも、オイルとフィルターの同時交換をお勧めします。

過酷な条件下(エンジンにストレスを与えるような環境下)ではオイルの劣化が通常より早くなる傾向があります。早めの交換を心がけましょう。

オイルフィルターエレメントの交換

新品のオイルフィルターエレメントと使用済みのオイルフィルターエレメントです。酷く汚れていることが分かりますね。

オイル交換の度にフィルタエレメントも同時に交換するのがベスト。通常6000km位での交換をお勧めします。新車の場合は3000km位での交換をお勧めします。

まとめ

オイルフィルターエレメントについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

一般にはオイル交換2回につきオイルフィルターエレメント交換は、1回と言われていますが、前述のようにオイル交換の度にオイルフィルターエレメントも交換することをお勧めします。せっかくオイルがきれいになったのですから、オイルフィルターエレメントも新品の方がいいですよね。

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