2016/04/10
alcedo
ニュースを見ていると、飲酒運転による死亡事故が報じられることがあります。小学生の列に突っ込んだり、歩行者をはねて逃走したり、かなり悪質な事件も目立ちます。そのため、飲酒運転に対する罰金や罰則は、厳しくなりました。今回は飲酒運転の罰則について紹介しましょう。
飲酒運転に対する罰則は、運転者本人への罰則と、お酒を提供した人、飲酒運転の車に乗っていた人、飲酒運転することを知っていながら車を提供した人とで罰則が分かれています。
飲酒運転の罰則
飲酒運転の罰則が厳しくなり、最近は飲酒運転による事故が減っていますが、それでもまだまだ軽い気持ちで運転してしまう人は後を絶ちません。
飲酒運転は、免許の停止(免停)か免許の取消(免取)のどちらかになります。
免許の停止とは、運転免許を受けた者が、道路交通法に違反し過去3年間の累積点数が一定の点数に達した場合に、30日~180日の期間を決めて、違反者の免許の効力を停止するものです。
過去1年間に行政処分が1回もなかった場合は、点数がリセットされます。また、過去2年間に無違反だった場合は、最初の違反に関しては3ヶ月で0点に戻る優遇処置があります。
免許の取消とは、運転免許を受けた者が、重大な交通違反など犯した時に、免許の効力を取り消すものです。
飲酒運転による罰則は厳しくなっており、酒酔い運転はもちろんですが、酒気帯び運転でも0.25mg以上のアルコールが検知された場合は、一発で免取になります。
「酒酔い運転」の刑罰は「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」、違反点数は「35点」です。
「0.25mg以上の酒気帯び」は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」で違反点数は「25点」、「0.15~0.25mgの酒気帯び」は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」で違反点数は「13点」となっています。
飲酒運転の罰則
「そこのコンビニまでだからいいや!」
「酒を飲んでいたけれど、休んだから大丈夫!」
こんな軽い気持ちで車を運転していませんか?飲酒運転を行った人には、重い罰則が課せられるだけではありません。仕事や社会的地位を失い、家庭崩壊にもつながります。また、多額の賠償金の支払いを求められることもあります。
違反点数13点で免許停止90日、違反点数25点で免許取消、欠格期間2年、違反点数35点で免許取消、欠格期間3年となっています。
飲酒運転の罰則
現在は、酒気帯び運転でもアルコール濃度が0.25mg以上の場合、過去に違反歴が無くても一発で免許取り消しになります。
酒酔い運転の定義は、「アルコールの量に関係なく、酒に酔った状態で正常な運転ができないおそれがある時」です。
飲酒運転の罰則
酒気帯び運転とは、血中アルコール濃度が、1ミリリットル中0.3ミリグラム、又は呼気1リットル中0.15ミmg以上のアルコール量が検出された場合を言います。
0.15mg以下の飲酒でも事故を起こした時の情状により、過失運転致死傷罪(自動車運転過失致死傷罪)よりも重い罰則が科せられる可能性があります。
車両提供者に対する罰則は、
運転者が酒酔い運転した場合は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金、
運転者が酒気帯び運転した場合は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
が課せられます。
飲酒運転の罰則
●知人が酒を飲んでいることを知りながら、自分の車を貸して、その車に同乗した人が車両提供、同乗罪で運転免許取消し
●飲食店を経営する店主が、客が車で来店しているのを知りながら、店内で日本酒、ビール等を提供し、酒類提供罪として運転免許取消し
酒類の提供者と車両の同乗者に対する罰則は、
運転者が酒酔い運転した場合は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金、
運転者が酒気帯び運転した場合は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
が課せられます。
飲酒運転の罰則
飲酒運転による道交法違反は、運転者だけではなく車を貸した人やお酒を飲ませた人、一緒に車に乗っていた人などにも罰則が科せられます。罰則は運転者と同様に厳しくなっています。
飲酒運転の車に同乗しただけでは罪になりませんが、運転車が飲酒していることを知っていながら、自分を送るように依頼、要求した場合は罪になります。
これらは、あくまで飲酒運転が検問などで見つかった場合の話で、死傷事故を起こした場合には、もっと厳しい罰則が科せられる可能性があります。
【事例1】
知人が酒を飲んでいることを知りながら、車の助手席に乗り込み、二次会の場所まで送るように依頼し、同乗した者が、同乗罪で2年間の運転免許取消し
~ 東京都葛飾区 ~
【事例2】
飲食店を経営する店主が、客が車で来店しているのを知りながら、店内において日本酒、ビール等を提供し、酒類提供罪として2年間の運転免許取消し
~ 東京都調布市 ~
自動車運転過失致死傷罪は、必要な注意を怠って、人を死傷させた場合に適用され、死亡・負傷させた場合の罰則は、7年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金が課せられます。
危険運転致死傷罪の罰則は、アルコール又は薬物の影響により 正常な運転が困難な状態で自動車を走行し、負傷させた場合は15年以下の懲役、死亡させた場合は1年以上の有期懲役となっています。
危険運転過失致死傷罪の罰則は死亡させた方が刑が軽くなるように見えるかもしれませんが、1年以上の有期懲役というのは、20年の懲役刑が科せられることもあり、懲役20年は殺人と同じくらいの罪です。(併合加重の場合は最高30年)
やめよう!飲酒運転
同乗者に対する罰則としては、泥酔した運転者の車が9人を死傷させた交通事故で、危険運転致死傷のほう助の罪にとわれた搭乗者に、懲役2年の実刑判決が言い渡された判例があります。なお、この事故の運転者については、危険運転致死傷罪で懲役16年が確定しています。
飲酒運転の罰則について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。飲酒運転を行った人には、重い罰則が課せられるだけではありません。仕事や社会的地位を失い、家庭崩壊にもつながります。また、多額の賠償金の支払いを求められることもあります。
飲酒運転厳禁
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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