ハンドルがぶれる…タイヤのバランス調整ちゃんとできていますか?
2016/04/21
ゴンタ
近年は車体の剛性向上や走行性能の上昇に伴い、車の足元であるタイヤもパッとみて以前とは異なると一目でわかる違いがあります。それはズバリ「扁平率」です。扁平率といえば乱暴に解釈するとタイヤ側面の「厚さ」の事です。この扁平率の違いが車に与える影響を紹介します。
タイヤは、そのサイズによって、外径や幅の寸法、負荷能力(許容荷重)、適応リム幅(ホイールの幅)、最大空気圧、最高速度などが指定され、または許容範囲が細かく決められており、その規格にのっとってタイヤは製造されています。
世界で使用されるタイヤの基本的な規格は「国際標準化機構規格〔ISO〕」に規定されています。また、日本国内で使用されるタイヤの規格は「日本国内で使用されるタイヤの規格〔JATMA〕」で規定されています。
タイヤの総幅:サイドウォールの文字や飾りなどの突起部分すべてを含むタイヤの幅
タイヤの断面幅:サイドウォールの文字や飾りなどの突起部分を除いたタイヤの幅
トレッド幅:タイヤが路面と接する部分の幅
タイヤ外径:タイヤ外周部分の直径。
タイヤ高さ:タイヤ外径からリム径を引いた数値の1/2の数値。
リム幅:リム(ホイール)内側の幅
リム・フランジの高さ:リム(ホイール)のタイヤと組み合わされる部分の高さ
数値は、標準リムに装着し規定の空気圧充填時のものです
タイヤの扁平率は、タイヤの断面形状の偏平比の度合を表す数値です。単位には%を用います。タイヤの扁平率は次の式で計算できます。
扁平率=タイヤ高さ÷タイヤの幅×100
タイヤに荷重をかけた状態では、その扁平率により接地面の形状が変化します。
タイヤの接地面は、だいたい扁平率60~65のタイヤでは正方形になり、それより低い扁平率だと横長、高い扁平率だと縦長になると言われています。
タイヤメーカーのカタログなどで、扁平率70以上のタイヤが乗り心地重視で、扁平率55以下のタイヤが運動性能重視、扁平率65のタイヤが「バランス型」と呼ばれています。
それでは、接地面積が同じで、接地面の形状が異なるタイヤでは、それぞれにどのような差が生まれるのでしょう。
カーブでハンドルを切って曲がろうとすると、車をカーブの外側に押し出そうとする遠心力が働きます。すると、タイヤと路面に横向きの力が加わります。
この時に、タイヤの接地面が横に長ければ長いほど、横向きの大きな力にしっかりと耐えて車を曲がらせようとする大きな力が発生します。
低扁平タイヤは、カーブでの性能を中心とした運動性能に優れていると言えます。
ところで逆に、接地面が縦に長い(扁平率が高い)と、加速、減速で有利ということになります。オフロードを走るためのタイヤが高い扁平率のタイヤを使うのは、車が走ることも困難な悪路で、少しでも駆動力を得ようとするためなのです。
このことが、低扁平率タイヤは高扁平率タイヤに比べて雨に弱いという一因になっています。低扁平率タイヤの高性能は、あくまで障害物の無い鋪装された道で、雨が降っていないことが前提になるということがお分かり頂けると思います。
扁平率とはタイヤの幅に対して、どれほどの厚みなのかという割合であるということは前述のとおりです。側面から見ると同じ厚みに見えてもタイヤ巾が大きくなると割合としては、より低い扁平率のタイヤとなります。
タイヤの厚さが厚くなるほどクッション部分が厚くなり、乗り心地は良い方向に向かいます。また厚みがある事で目には見えないレベルでのタイヤの「たわみ」も生じるため、路面の衝撃をダイレクトに伝えない他、ハンドル操作などに対しても「ゆとり」を持った車の動きとなります。車の乗り心地性能については、この様にタイヤが「しなる」ことが快適性の大きな要因となります。
扁平率の低いタイヤはもともとホイールが接地面に近いのでエア漏れ、エア不足に気づきにくいものです。また、空気圧は高過ぎても、低過ぎても、タイヤの寿命を短くし、さらに、走行性能にも悪影響をもたらします。
少なくとも、一ヶ月に一度は圧力計で空気圧を点検しましょう。
低扁平率のタイヤについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。「タイヤは命を乗せています」、そして本当に大事なものなのに、結構気を配らないのがタイヤです。しっかりとタイヤの知識を身に着け、日常的に点検し、安全で快適なカーライフを送りましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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