2016/04/11
k86y
ラジエーターは車にとって欠かせない装置の一つですが、意外にも酷使され、寿命がくるのが早いのです。ラジエーターの異常にはやく気づき、交換する必要があります。さてその交換時期や費用はいくらかかるのでしょうか。今回はラジエーターの交換費用の話題です。
自動車に使われるエンジンは、動作中に摩擦により熱が発生し、その熱は蓄積していくので、やがてエンジンそのものを破壊してしまいます。これをオーバーヒートといいます。
それを回避するため、エンジンの周囲に冷却水の循環させて、オーバーヒートを防ぐのですが、その冷却水の過熱を防ぐための装置がラジエーターです。
ラジエーターは熱交換器の一種であり、冷却対象の流体や熱源の流体を内部に流し、周囲の空気や水に熱伝導を利用して放熱する。したがって管を基本構造とし、限られた空間で表面積を大きく獲るために蛇行させたり、複数の細管に分岐させたり、管の外壁に放熱板を設けたりといった手段が用いられる。
ラジエーターの役割
今はほとんどの車のエンジンは水冷式ですが、ごくわずか空冷式(空気の流れでエンジンを冷やす)があります。名車ポルシェはまさに空冷式ですので、ラジエーターはありません。(ただしオイルを冷却するためのオイルクーラーはあります)
ラジエター本体は、走行中に石などが当たって穴が空くことがあります。ラジエターホースやヒーターホースなどのホース類は、ゴムの劣化によってひび割れが発生することがあります。また、ウォーターポンプからは、回転部のガタによって水漏れが発生することがあります。
ラジエーターはエンジン作動しているか、いないかにかかわらず、常に冷却水を中に貯めているのですが、この冷却水が曲者で、定期的に交換しないと(2年に1回)劣化した冷却水はラジエーターを腐食させてしまうのです。じつはラジエーターは一見金属の塊のようですが、タンク部は95%樹脂でできています。この樹脂部分が腐食し冷却水漏れを起こすのです。
駐車中に冷却液が漏れた場合は、クルマの下に液だまりができることがあるのでクルマの下回りのチェックも必要です。エアコンからでる水と間違えがちですが、LLCには赤・青・緑などの色が着いており、特有の臭いもあります。
ラジエーター腐食の原因として考えられるのはほかにも・・・
1.樹脂の劣化(熱と水の影響)ほとんど上ホース側)
2.事故や高圧洗車機の至近距離噴射等
3.凍結防止材等による外部からの腐食
4.製造段階の不備
このLLCの交換時期は、新車で3年。それ以降は2年と言われています。これ以降になると、水アカが発生し冷却能力が低下します。同時に錆も発生しやすくなるので、ラジエーター液をエンジンに送り込むウォーターポンプが故障する場合もあります。
特殊なトラブル等が無いケースで普通に自動車を管理しながら使用した場合のラジエーターの寿命は普通自動車で8年~12年程度、軽自動車の場合は6年~10年程度が平均的な寿命ラインと考えておいて良いじゃろう。
さてラジエータの交換となりますが、その前にラジエータの交換が必要なのかをチェックする必要があります。悪徳な業者は、ラジエーターが劣化しやすいことを知っていますので、不用意に不安を煽り、なかには冷却水が漏れているかのように偽装してラジエータの全部を交換させ、多額の費用(10万円以上)を負担させようとする輩もいますので、注意が必要です。
ラジエータの交換の判断は冷却水の漏れが重要ですが、先にもご紹介した通り、腐食しやすいのは樹脂でできたタンク部分ですので、ラジエーター全体の交換が必ずしも必要とは限りません。この部分の交換だけなら費用的に安くすむ場合もあります。
またラジエータの交換は素人で少し無理がありますので、整備工場に頼むのが一番です。エンジン回りの交換は素人は行わないのが無難です。
ラジエーター交換作業の様子
大がかりな作業となりますね。
ランクル80アッパータンクの亀裂より噴水
これは酷い!!
ラジエーターの交換費用ですが、ディーラーや他の整備工場との間でもまちまちのようです。
ラジエーター自体の費用はは1万円~2万円くらいのもので、ほとんど社外品を使うそうです。他にホースの交換も行うのでその費用と、タンク部分の交換費用だけなら2~3万円程度で済みます。ただしラジエーター自体がダメージを受けていれば全交換となりますので、それなりの費用が生じます。どの程度の修理が必要か費用もいくらかかるか見極める必要があります。
いきなりガソリンスタンドなどで冷却水漏れを指摘されあわてて修理依頼をすると、必要以上に費用がかかります。多少の冷却水漏れならとりあえず継ぎ足せばその間は長距離を走らなければなんとかなるので、その間に見積もりを信頼のおける業者にお願いしましょう。
劣化損傷したラジエーター
この位の損傷程度だと、交換が必要です。
ラジエーターのタンク部分の腐食。
この画像だとアッパータンクの腐食は著しいが、ラジエーター本体はほとんど損傷していません。こればら、全交換は必要なく、費用も安くて済むはずです。
ラジエーターのアッパータンクの部分交換
この交換だけなら費用的にラジエーター全交換よりも安くできます。
ラジエーターのアッパータンク
別売りされていますね。
【ラジエーター交換費用・工賃の目安】
交換工賃(技術料) 8000円~12000円程度
② ラジエーター 20000円~50000円程度
③ アッパー・ロアホース 10000円~16000円程度
④ ラジエーター液(LLC) 1200円~2000円程度
これはラジエーター全交換の場合の費用です。
ラジエーターは修理が可能なのですが、どうしても水漏れが治らない場合や、詰まってしまっている様な場合は交換が必要です。費用はさまざまありますが、一般普通車で多い約5万円としておきます。
ラジエーター交換とその費用についてご紹介しました。一口にラジエーター交換と言っても、必ずしもすべてを交換しなければいけないというわけではありません。全交換ともなれば費用も当然かかります。ただラジエーター交換の時期は以前お話ししたタイミングベルト交換の時期とも一致しますので、一度に交換すれば、費用的に安く済むとも考えられます。費用のかかる車のメンテナンスですが、ラジエーター交換費用がいくらかかるものなのか、ラジエーター交換費用で無駄な出費をしないためにも、知っておくべきだと考えます。ラジエーター交換費用で結構無駄な出費を強いられているオーナーさんは数多くいますから。
しかし!!翌日、担当者から再び連絡があり、
担当者:「新たに冷却水が漏れている箇所が見つかりました!」
私:「(゚ロ゚;)エェッ!? 追加冷却水漏れ修理費用はいくらくらいですか?」
担当者:「費用は更に70,000円くらいかかりますね。」
私:「そんなぁ・・・」
私:「更に費用が掛かる話は聞いていません。見積もりの金額で私は修理を依頼したんですよ。更に費用がかかるなら、古い車なので廃車も考えるとお伝えしていたはずですが?」と話すと、担当者はあっさり
担当者:「そうですよね。わかりました。では、追加の冷却水漏れ箇所の修理費用は頂かず、修理致します。」
こんなひどいやり取りを発見しました。見積もりをしても、追加の修理代の請求があるなんて・・・
これもラジエーター交換費用にまつわるやりとりです。しかもディーラー!
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