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「Black Cab」と言えばロンドンタクシー。その価格は・・・・?

「Black Cab」と呼ばれるロンドンの風物詩ロンドンタクシー。その歴史や性能、価格も調べました。そのうえ、次の新型は日本製かもしれないという噂まで・・・・?!魅力いっぱいのロンドンタクシーの価格や性能に詳しくなりませんか?

『ロンドンタクシー』って・・・・?!

ロンドンタクシーとは、イギリス・ロンドンを走っている事に由来する英国のタクシーの名称及び商標のことです。
旧タイプの車両は黒塗装のものしかなかったため、「Black Cab」が通称となっていました。

ロンドンタクシー

『ロンドンタクシー』の概要

ロンドンタクシーは、長年に渡りイギリス自動車メーカー最大手のブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)とその後身企業が「オースチン」ブランドで販売していましたが、1982年以降は実際のロンドンタクシー生産を担当していたカーボディーズ社に製造権が移管され販売されました。
カーボディーズ社は、1984年に経営権移行でロンドンタクシーインターナショナル(LTI)と改称され、以後もロンドンタクシーはLTI社が生産していました。

ロンドンタクシー(新) LTI TX4

2010年には、LTIの株式を保有していたマンガニーズ・ブロンズが、吉利汽車(ジリー社)に経営権を委譲すると共に、コスト削減のため車体の製造も依頼し、イギリス国内では最終組み立てのみを行うこととなりました。

LTI製『ロンドンタクシー』の構造は、最終モデルまでフロントエンジン・リアドライブの保守的なレイアウトが長く踏襲されてきました。アッパーミドルクラスの比較的大きなボディを持つにも関わらず、ロンドン市街の狭い道や古いホテルの車寄せでも取り回しが容易なよう最小回転半径が規制され、実際に3.8mという驚異的な水準に抑えられているのです。

運転席と客席は隔壁で仕切られており、後部座席に3人座れるほか、隔壁に折りたたみ式の座席が2席付いていて後部座席に対面して座れ、乗客が最大5人乗れるようになっています。
これはロンドンタクシーが辻馬車から派生したことにから、当局によって早くから規格化されたためです。

ロンドンタクシー

こちらも伝統ですが、ロンドンタクシー車体は屋根が高く、山高帽をかぶったままでの乗降と着座が可能です。現行モデルは全高が1800mmとミニバン級の高さとなり、車椅子のままでの乗車も可能となっています。

英国の商用車におけるディーゼルエンジン普及を背景に、ディーゼルエンジン搭載モデルで、 TX1 (1997年 ~ 2002年)には旧モデルFX4から引き継がれた日産製 2.7L が採用されていましたが、2002年以降のTX1 と TX II (2002年 ~ 2006年)ではフォード製のデュラトルクZSD424型 2.4 L に置き換えられました。2007年以降の TX4 ではVMモトーリ製 2.5 L となっています。

前述しましたが、旧タイプの車両は黒塗装のものしかなかったため、「Black Cab」が通称となっていました。
もっとも新型車のロンドンタクシーに変わってからは、様々な塗装やラッピング広告の車両も存在しています。

『ロンドンタクシー』の歴史

イギリスにおいてタクシーは、辻馬車から移行する形で20世紀初頭の1901年から自動車によるタクシー営業が行われるようになり、辻馬車を指す語「ハックニー・キャリッジ」はそのままタクシーを指す言葉として使われました。

早くから当局による規格が制定され、主要自動車メーカーと車体メーカーとの協業、または特装車専用メーカーによってタクシー専用車種が生産されるようになっていました。構造は部分的に馬車の伝統を受け継いで運転席と客室が分断され、車格に比して小回りが利く設計を用いるなど、後年に至るまで引き継がれる基本的な仕様が定められていました。

第二次世界大戦終了直後の1947年、イギリスの自動車メーカーのうちナッフィールド・オーガニゼーションが、1.8Lのナッフィールド・オックスフォードを、続いて1948年にオースチンが2.2Lの「オースチン・FX3」を、それぞれ戦後型のタクシーモデルとして発表しました。

Nuffield Oxford Series I

両車とも前後輪固定車軸で戦前型の形態を濃厚に残し、通常の自動車であれば助手席となる位置をドアの無い荷物置き場にするなど、英国の法で規定されたタクシーの基本構造を踏襲していました。
なお、この当時からオースチン・FX3のボディ架装は、ボディ生産メーカーのカーボディーズ社が受託していました。

ナッフィールドとオースチンが1952年に大合同してブリティッシュ・モーター・コーポレーションが成立すると、タクシー用の存続モデルはオースチン系のFX3となり、オックスフォードは1953年に2000台弱で製造終了しました。
FX3は1958年までに12,000台以上を生産し、ロンドンをはじめとする英国内のタクシー需要における大きなシェアを占め、FX3は生産末期にはメーカー生産またはユーザーのアフターパーツ交換によってディーゼルエンジン搭載も行われるようになり、英国におけるタクシーのディーゼル化の端緒となりました。

Austin FX3

BMCが1958年に開発した新型タクシーのオースチン・FX4(Austin FX4)は、その後製造メーカーの所属変更・改良を重ねながらも1997年まで40年近くにわたって累計約75,000台が生産され、世界的にロンドンタクシーとして知られたモデルになりました。

その後、ガソリンエンジンがディーゼルエンジンになったり、排気量が変わったりと変遷を踏み、1970年代以降にはロンドンタクシーのほとんどがディーゼルエンジンと自動変速機の組み合わせとなりました。

1966年に、BMCが企業再編でブリティッシュ・モーター・ホールディングス(BMH)、さらに1968年にブリティッシュ・レイランドとなっても、新型FX4シリーズはタクシー業界の固定需要と、基本的な完成度・信頼性の高さによって生産が続行され、同新型車はイギリス全土で標準型タクシーとして広く普及しました。

そしてブリティッシュ・レイランドの経営難により、1982年に新型FX4の製造権はシャーシ生産をしていたカーボディーズに移り、正確にはこの時点でオースチンの名称は外れてしまいました。
また1970年代から1980年代にかけ、カーボディーズは新型FX4の後継モデルの開発を幾度か試みましたが、この時点では結局頓挫したのでした。

新型FX4の生産はカーボディーズがマンガニーズ・ブロンズ社の傘下に入ってロンドンタクシー・インターナショナル(LTI)に改称した1984年以降も続行され、後継の新世代ロンドンタクシーとなる新型TX1の発売で1997年にようやく世代交代が果たされました。FX4の「ロンドンタクシー」としてのイメージがあまりに強く定着していたため、新型TXシリーズもデザインモチーフは新型FX4風のレトロモダンデザインを採用したものでありました。

LTI社製のタクシーは、一時期ロンドンタクシーの91%を占めていました。
その価格について掲載した記事がありましたので、ここに引用します。

LTI製タクシー車両は3万2995ポンド(約560万円)から3万6790ポンドで販売されている。

出典:http://newsphere.jp

新型『ロンドンタクシー』のモデル

2014年、日産は、ロンドンタクシーの新型モデルを発表しました。新型ロンドンタクシーの車種は、既に導入が決まっているニューヨークのイエローキャブと同じ日産・NV200バネット(1,600ccガソリンエンジン)ではあるものの、伝統の丸型2灯ライトを採用しているため、フロント周りが大きく異なっています。

NV200の新型ロンドンタクシー導入は2012年に決定しており、日産は前輪駆動のNV200に新型ロンドンタクシーとして使用できる旋回能力を与えるため、フェンダー拡大と前輪等速ジョイントの特殊設計を用いて、大柄な前輪駆動車では通常困難な3.8mの回転半径を実現させていました。しかし「ロンドンのブラックキャブ」にはFX4以来のクラシカルなスタイルイメージが強固に定着しており、新型ロンドンタクシーなのに通常のミニバンにしか見えないNV200の外見には市民から大いに不満が寄せられたため、日産はデザイン面でもより新型ロンドンタクシーらしくと、丸型2灯ライトなどのリデザインを施したのでした。

新型『ロンドンタクシー』の価格

ここでは、新型『ロンドンタクシー』と期待される日産・NV200バネットの概要・改良ポイント・価格について、調べてみたいと思います。

まず概要についてですが、
 ●商用車「NV200(日本名:NV200バネット)」をベースに開発した新世代タクシーで、すでにアメリカ・ニューヨークで次世代イエローキャブとして活躍中
 ●世界的40ヶ国以上で販売
 ●2015年6月下旬から全国一斉発売
ということとなります。

続いて改良ポイントですが、
乗り心地・ユーティリティについては、
 ●新設計シートやサスペンションの最適化により、乗り心地も従来のセダンタクシー並みを確保
 ●スマートフォン、携帯電話等のユーティリティー装備が充電できるよう、12V電源を装備
 ●ベビーカーなども足元スペースに置くことが可
といえます。

コスト面では、
 ●オートスライドドアや電動式スライドステップなどを標準採用しながら、車両価格はこれまでのセダンタクシーと同等価格に設定
 ●ガソリンとLPGの両方の燃料が使用でき、燃料価格の経済性と航続距離の向上を実現する「LPGバイフューエルシステム」搭載車も設定
 ●従来型「セドリック」に対し、エンジン、ブレーキ、電装関連の整備頻度の高い部位の作業効率性を向上させることによる維持コスト低減と、燃費性能により、トータルコストを改善
といえそうです。

NV200タクシー

そして日産・NV200バネットの価格は、
 ●ガソリン:本体価格219万6720円(消費税価格込)
 ●ガソリン/パノラミックルーフ:本体価格239万1120円(消費税価格込)
 ●LPGバイフューエル:本体価格281万6640円(消費税価格込)
 ●LPGバイフューエル/パノラミックルーフ:本体価格301万1040円 (消費税価格込)
となっています。

「NV200タクシー」ワゴンという新しい価値

旧型『ロンドンタクシー』の価格

ここでは、以前のLONDON TAXI TX4をブライダルや福祉車両を始め各種送迎車として未だに輸入している正規ディーラー会社のTX4の価格を掲載したいと思います。

≪TX4 標準仕様車≫

●全 長 : 4,566mm
●全 幅 : 1,783mm
●全 高 : 1,823mm
●車両重量 : 1,880㎏
【エンジンスペック】
●4G69S4N型 SOHC16バルブ 4気筒
●2378cc + 電子制御インジェクション
●最大出力 152馬力 最大トルク 21.62kgf/m/4000rpm

【使用燃料】
●無鉛レギュラーガソリン 燃料タンク容量 50リッター
●エミッションコントロール EU(ユーロ)4適合
【ブレーキシステム】
●ABS アンチロックブレーキシステム
●フロント:ディスクブレーキ
●リ  ア:ドラムブレーキ
【ミッション】
●6速オートマチック

【ステアリングシステム】
●パワーステアリング
●最小回転半径 3.8m
【乗車定員】
●フロント2名 リア5名 計7名定員

【価格】
●車両本体価格:2400ガソリン ATモデル(7人乗り)   ¥5,572,800(消費税価格込)

【オプション】
●メタリックカラー               ¥108,000(消費税価格込)
●アルミホイール                ¥129,600(消費税価格込)
●フロアマット                 ¥86,400(消費税価格込)

となっています。

価格から見る次期ロンドンタクシー

前述しましたが、LTI製タクシー車両の価格は3万2995ポンド(約560万円)で、日産・NV200バネットの価格は高くて301万1040円。そしてTX4の価格が557万2,800円。
日産の、ロンドンタクシー業界進出は、価格面でいえば決定ですネ・・・・!!

当然、安全性や快適性、耐久性やメンテナンスのしやすさ等々を考慮しても、結論は同じでしょうネ・・・・!!

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