雪道、泥道、どんな悪路も走破するクラウン4WDの性能を検証します！

クラウン4WDの性能を検証する前に。
「4WD」や「四駆」という言葉はよく耳にしますが、これらの車は
そもそもどんな車なのでしょうか？
まずは、4WDについて簡単な説明をしてみます！

4WDとは英語のfour-wheel driveの略称で、日本語にすると四輪駆動。四輪駆動の略称が「四駆」です。自動車などの駆動方法の一種で、駆動力を4つのタイヤ全てに伝え、駆動輪として用います。
AWD（all-wheel drive）、総輪駆動、もしくは全輪駆動と呼ばれる事もあります。

4WDは四輪全てが駆動輪となるため、駆動力が路面の摩擦力を上回ります。空転が発生しやすい道路状況でも、各タイヤのトレッドにかかる駆動力を分散させて空転を抑え、悪路からの脱出性や高速走行性に優れるという利点があります。

一般的な二輪駆動と比べると、クラウン4WDは四輪が駆動力を発揮するため、牽引力が大きく向上しています。また、エンジンブレーキによる制動力が四輪に分散されるので、ホイールロック（タイヤの滑走）までの限界が高く、ロックからの回復も早いという長所があります。

トヨタ初のハイブリッドフルタイム4WD車を追加されたクラウンシリーズ。
いずれも直列4気筒DOHC2.5リッター「2AR-FSE」エンジンとモーターからなるハイブリッドシステムに、トルセンLSD付トランスファー、新たに開発したハイブリッド用トランスミッションを組み合わせ、4WDの高い操縦操作性と、JC08モード燃費はロイヤルシリーズとアスリートシリーズで21.0km/L、マジェスタシリーズで19.0km/Lという低燃費の両立を実現しました。

前後輪の車輪速度に差が生じると、LSDが作動。トランスミッションからの駆動トルクを、前後輪に適切に配分します。通常の前後輪のトルク配分は40：60ですが、走行条件に応じて瞬時にトルク配分を変え、高い走破性と自然かつダイナミックな操縦感覚をドライバーにもたらします。
また、細部にチューニングを施し、クラウンの名に相応しい静粛性も実現しています。

クラウン4WDは、快適性も重視。シート表皮は本革、使いやすさを追求したトヨタマルチオペレーションタッチにはスイッチ類を集約。エアコンや車両設定などの各種操作をTFTカラータッチディスプレイで行えます。
また、操作頻度の高いスイッチは画面内に取り込まず、あえて画面左右に常時表示する事で、ドライバーの使いやすさに配慮しています。

クラウンらしい上質感溢れるインテリアと、乗り心地の良さを追求した空間は、細部にドライバーへの配慮が見えます。暑い日も快適にドライブできるように、前席シートの背もたれ面と座面から、爽やかな風が吹き出すシートベンチレーション機能を搭載。寒い日はもちろん、すぐにシートが温まるようになっています。
さらにステアリングヒーターを採用し、寒い日のドライビングでも快適な操作ができるよう配慮。タッチスイッチで簡単に操作でき、約30分後には自動的にOFFになる無駄のない設定になっています。

1955年の誕生以来、「安心・信頼」という伝統の下、正統派セダンとして進化し続けてきたトヨタのクラウンシリーズ。それは外観にも反映されています。
水平基調の力強くて伸びやかな低重心の基本骨格と、躍動感を両立したサイドビュー。王冠（クラウン）をモチーフとした、迫力あるフロントフェイス。これらが揺るぎない存在感と品格とを兼ね備えたクラウンの個性を強調しています。

そしてボディカラーは全18色。その内の新規設定の12色は「時間（とき）の移り変わりを表わす日本の色」をコンセプトにした、4つの色相からなるボディカラーとなっています。
また、全カラーに分子レベルで結合しやすい特性を備える「セルフリストアリングコート」を採用。これにより、洗車などによる小さな擦り傷の自己修復が可能となり、新車時の光沢とカラーを長期に渡り保持する事に貢献しています。

保守的な車と思われがちなクラウンですが、実際は節目ごとに革新的な試みがされてきた車です。事実、トラクションコントロールやスタビリティコントロールなどを初めて採用したのは、いずれもクラウンの過去モデルでした。
この14代目にあたる現行モデルも例外ではなく、「クラウンといえば6気筒」のイメージを破る2.5リッター4気筒エンジンを搭載しています。このエンジンは同社の「カムリ」に搭載されているものと同系統なのですが、新世代直噴技術「D-4S」を搭載し、筒内直接噴射を高圧力化・大流量化する事で混合気を均質化。これにより高次元で高出力と低燃費の両立を実現しました。

高出力と低燃費との高次元の両立を目指すクラウンアスリートハイブリッド4WD、その最上級グレードであるハイブリッドアスリートG　4WDは、モーターのみでスムーズに発進できる優れた発進加速性能に加えて静粛性も高く、4気筒エンジンを積むデメリットは全く見られません。
クラウンハイブリッドアスリートG　4WDは、トヨタのハイブリッド技術と、4WD車の走行性能を高次元で融合・実現させた、クラウンのハイブリッド4WD車の最上級グレードに恥じない、優れた性能を持つ車であると言えるでしょう。

環境保護が言われて久しい現代では、高価でも環境性能の高いハイブリッド車を求める声が高いのですが、4WD車でも同じのようです。
クラウンのグレードにロイヤルサルーンが設定されたのは、74年に登場した5代目の時の事でした。それから99年に登場したクラウン11代目で、スポーティグレードとしてアスリートが独立、ロイヤルサルーンは豪華上級指向のグレードに位置づけられました。
そして2012年にフルモデルチェンジした14代目の現行モデルでは、「ロイヤル」というベーシックグレードを新設し、ロイヤルサルーンをそこへ組み込みました。現在、ロイヤルサルーンは中級の主力グレードという位置づけになっています。

2.5L FRハイブリッド車で高評価のトランスミッションをベースに開発した4WD用トランスミッション（電気式無段変速機＋6速シーケンシャルシフトマチック）は、クラウン同シリーズのガソリン車（4WD）と比べて何と約2倍の低燃費を達成。優れた発進加速性能も合わせて、高次元の動力性能とスムーズな走り、さらには優れた環境性能をも実現しました。
そして、ロイヤルサルーンの特筆すべきもう1つのポイントは上質感。2015年のマイナーチェンジで内外装を、より上質感を高めたデザインに変更しました。
厚みを持たせたフロントバンパーに立体感を際立たせたグリル横とで、押し出し感を強め、上質感を表現したフロントビューに。内装は木目調の格子柄パネルやシートの色彩など、全般的に明るく、上質感を重視したデザインになっています。

クラウン　アスリートG i-Fourのトランスミッションは、スーパーインテリジェント6速オートマチック〈6 Super ECT〉。発進加速性能と動力性能に優れ、滑らかな変速フィーリングを行えます。また、マニュアル感覚の操作を楽しめるシーケンシャルシフトマチックを採用し、4WD車でもFR車のようなハンドリングを実現しています。
さらにエンジン、ブレーキ、ステアリングなどの機能を、1つのシステムとして統合制御する先進の車両運動制御システムVDIMで、高い予防安全性と走行安定性を確保。
エンジン制御の最適化を図り、環境性能を高めるとともに、レギュラーガソリン仕様とする事で、4WD車のネックの1つである経済性にも配慮しています。

また、2015年のマイナーチェンジで、クラウン　アスリートシリーズの外観は、よりスポーティさを強調したデザインに変更されました。グリル枠をフロントバンパー下端まで伸ばして低重心を強調、グリル両側のバンパーをコーナーへ張り出させ、後方へ向かわせる立体的な造形によって、ワイド＆ローの構えを強調し、ダイナミックさを演出。さらにフロントグリルに立体メッシュ形状を採用し、より力強さを強調するフロントビューに。インテリアにはメノウ積層柄加飾パネルを採用し、透明感と深みを表現しています。

クラウン4WDは、クラウン独特の高級感と安心・安全性を残しつつ、どんな道路状況や天候でも安定した走りを実現する4WDの走行性能を組み込んだ、まさに自動車の最高傑作の1つの形になっています。
4WDの購入を検討している方は、この記事を参考にしていただき、クラウン4WDのオーナーになる事を検討していただければ幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。