A110の後継車と言われながらも6年間も並行生産されたアルピーヌA310
2015/12/08
とっぱらや
数々のラリーで、優勝を始め、多くの好成績を収めたアルピーヌA110。アルピーヌA110の最大の武器は、リヤエンジン・リヤドライブ方式(RR)による絶大なトラクションとライバル車達に比べ圧倒的に軽量な車重であった。アルピーヌA110の魅力に迫ってみましょう!
アルピーヌA110は、フランスの自動車製造会社、アルピーヌが1961年から1977年まで製造したスポーツカーで、先代はアルピーヌA108、後継はアルピーヌA310です。
アルピーヌA110
全長3850×全幅1450-1520×全高1130㎜
ホイールベース 2,100㎜
アルピーヌA110は、1963年のパリサロンで発表されました。このとき発表されたのは「ベルリネッタ」、「クーペ」、「カブリオレ」、「GT4」の4タイプです。
デビュー当初は、R8用の1Lのエンジンを搭載していたA110ですが、毎年のようにマイナー チェンジとラインナップ変更が行なわれました。
デビュー翌年の1964年に1108ccが登場。
1965年に1100ゴルディーニがクロスフローエンジン搭載し、
1966年には1300ゴルディーニ・エンジンを搭載。。
1967年には1500、1300S、G、V70、V100の5車種となる。
1968年にはエンジンが1300ccに拡大され、なおかつ両端のライトの真ん中に2つの補助灯がついたおなじみのスタイルとなった。また、1600S、V85(1300VC)も発売される。
1969年には、両端のライトが大径のものに変更された
アルピーヌA110 berlinette
1971年にA110はモンテカルロラリーで優勝。同年にエンジンは1600ccに拡大され、1600Sが登場。それまでバンパーに埋め込まれていたウインカーが楕円形のものになる。
1972年は、前年に変更されたばかりのウインカーが今度は台形のものへと変更され、サイドミラーが標準装備されるようになった。
アルピーネA110 berlinette
発表から11年後の1973年、アルピーヌは大きな改造が施された。それまでのセミトレーリングアームを廃止し、ダブルウィッシュボーンサスへと改変したのである。
1974年には、1600SC、1600SIが登場した。
1975年にはフロントの「カツオブシ」が丸いものから四角いものに変更され、なおかつ、ドアハンドルが埋め込み式となった。
1976年は、モールの類が一気になくなった1600SXが発売された。このSXがA110にとって最後のモデルとなった。ちなみに最後のA110SXはグリーンに塗られていたという。
アルピーヌA110 1600SX
特徴的なデザインのA110。この車は1977年7月まで、ほぼ同じボディー形状で生産され続けたのであった。
A110は、ルノー8のシャーシとエンジンを流用し、デザインのみA108をベースにしている。
中央を走る太い鉄チューブはA108と同じものを利用しているのだが、前後のシャシー、足回りはルノー8のものを利用した。また、ラジエターが車体最後部(だいたい、ミッションの上、ドアの後ろあたり)に位置されている。これは、車体後部の上部から外気を入れて、ラジエター後部からエンジンに風を送るためだ。このおかげで、A108よりも小さく、すっきりとしたデザインとなった。
1963年にデビュー以来1000、1100、1300、1500、とエンジン排気量を拡大していき1969年にはシリーズ最大排気量の1600ccのエンジンが搭載されました。
下に主要なバージョンの諸元を載せています。
・アルピーヌA110(1963年)
水平直列4気筒OHV
総排気量 956cc
重量 565kg
最高速度 192㎞/h
・アルピーヌA110 1300S
総排気量 1296cc
最高出力 120hp/6,900rpm
重量 625kg
最高速度 215㎞/h
・アルピーヌA110 1600S
総排気量 1,565cc
最高出力 138ps/6,000rpm
重量 680kg
最高速度 205㎞/h
・アルピーヌA110ベルリネット 1600SC
水平直列4気筒OHV
総排気量 1605cc
重量 760kg
最高速度 210㎞/h
アルピーヌA110のデザイナーはジョバンニ・ミケロッティ。
アルピーヌA110カブリオレはA108カブリオレスポーツを進化させたものです。1963年から1969年までにわずか数十台が製造されました。
アルピーヌA110カブリオレ
2+2シータバージョンです。
アルピーヌA110 GT4
ホイールベースは2,270㎜、全高は+30㎜です。
典型的な二重ヘッドランプは初期のバージョンではついていなくて、1967年から標準装備されました。
アルピーヌA110
冷却方式にもR8の特徴が受け継がれており、ラジエターは最後部に位置する。冷却気は車体後部左右上面から取り入れ、ラジエターを後から前へ抜け、エンジンルーム前側の下面から排出される。走行風による吸引効果を最大に生かすため、車体下面は滑らかな形状となっている。なお、1300G/Sの一部と1600系ではラジエターは後部ではなく、前部ノーズに移したフロントラジエター仕様となっている。
エンジン冷却用のエアーインテークです。
ラジエターは最後部にあります。
RRならではの端正なフロントデザイン(ラジエターの開口部がないので自由なデザインが可能)
アルピーヌA110の価格を紹介します。発売当時の価格です。
アルピーヌA110
A110 1100 25,600フラン(1965年)
A110 1300S 26,900フラン(1965年)
A110 1300G 29,500フラン(1967年)
A110 1500 21,600フラン(1967年)
A110 1600 28,500フラン(1969年)
A110 V85 25,600フラン(1972年)
A110 1600S 35,400フラン(1969年)
A110 1600SC 38,700フラン(1972年)
A110 1600SX 49,900フラン(1976年)
アルピーヌA110について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
アルピーヌA110
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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