1973年の初代WRCの栄誉に輝いたアルピーヌA110、アルピーヌA100とは?
2015/12/10
とっぱらや
新世代のアルピーヌ製GTとして発表されたA310。スタイリングは角6灯のライトを横一列に並べ、それを透明なカバーで覆うという方法を採ったフロント・マスクをはじめ、前衛的なエクステリア・デザインで注目を集めた。ではアルピーヌA310とは一体どんな車だったのか?
アルピーヌA310はフランスのアルピーヌが、親会社ルノー製自動車のエンジン等を流用して開発し、1971年から1984年まで生産したスポーツカーです。
アルピーヌA310 1600
全長×全幅×全高 4180×1640×1150㎜
ホイールベース 2270㎜
アルピーヌA110の後継車として、鋼管バックボーンフレーム、リアエンジン方式、FRP製車体などA110の構成を受け継いで設計された。実際には、A110の後継車というより豪華で快適なグランツーリスモの性格が強く、結局A110も根強い人気のため1977年まで6年間も並行生産され、A310の方は途中で、PRVエンジンに変更し、リアエンジンのポルシェ911をターゲットとするようになった。
アルピーヌA310 V6
それではアルピーヌA310の性能、デザインと価格について、順次紹介します。
アルピーヌA310は、名車A110の後継車として、1971年ジュネーブ・ショーでデビューしました。しかし、その性格はA110のようなモータースポーツを前提としたものではなく、グランツーリスモを目指したものでした。
パワートレーンはA110と同様のOHV 1605ccエンジンをリアに搭載しましたが、足回りを4輪独立懸架のダブル・ウィッシュボーンとし、ボディも前衛的なデザインを採用して大型化され、A110と比べると非常に豪華な仕様となりました。反面、エンジンが非力であることは否めず、その後4気筒エンジンの排気量アップやインジェクション化が図られましたが、1976年には2664cc V6エンジンに変更され、A310 V6に進化しました。
アルピーヌA310 V6
A310 V6はその後、1985年まで生産が続けられ、後継車であるアルピーヌV6 GT/V6 ターボに発展しました。
デビュー当初のA310は1600VE一種類で、補助灯等を含め6つの角型ライトを並べ、左右を通したプレキシグラスで覆ったシトロエン・SMにも通ずる前衛的なフロントフェイスを特徴とし、初期の78台にはルノー・12ゴルディーニと同じ水冷直列4気筒1,605ccの807-20型にウェーバーツインキャブレターを組み合わせ127馬力(DIN) / 6,000rpmを発生するエンジンを搭載、その後のモデルには844-30型を搭載。
アルピーヌA310 1600VE
807-20型エンジン
総排気量 1,605cc
最高出力 127ps/6,250rpm
最大トルク 13.5kgfm/5,000rpm
844-30型エンジン
総排気量 1605cc
最高出力 125ps/6,250rpm
最大トルク 15.1kgm/5,300rpm
1973年には、インジェクション付きの844-34型で127馬力の1600VFが追加された。
アルピーヌA310 1600VF
844-34型エンジン
総排気量 1605cc
最高出力 127ps/6450rpm
最大トルク 15.1kgm/5000rpm
アルピーヌA310 1600VF
1975年には廉価版として1,647ccの843型にシングルキャブレターを組み合わせ95馬力を発生するVGが追加された。
アルピーヌA310 1600VG
843型エンジン
総排気量 1647cc
最高出力 95ps/6,000rpm
最大トルク 13.1kgm/4,000rpm
4気筒のA310は同じエンジンのA110と比較すると装備が豪華で居住性が良い分車体が重く、A110ほどの運動性能は期待できず、アンダーパワーという評価が付いて回った。
1976年には、フロントエンドを中心にデザインを変更したボディに、ルノー・ボルボ・プジョー共同開発のPRV型水冷90°V型6気筒2,664cc 150馬力(DIN)/6,000rpm エンジンに換装したアルピーヌ・ルノーA310・V6に発展した。
アルピーヌA310 V6
PRV型水冷V型6気筒SOHC
総排気量:2664cc
最高出力:150PS/6000r.p.m
最大トルク:20.7kgm/3,500rpm
最高速度 226㎞/h
アルピーヌA310 V6の最高速度は220km/hに達し、ライバルのポルシェ 911にも引けを取らぬ動力性能と、高い直進性による独自の操縦性、独特のPRV V6サウンドで存在を誇示した。
1982年には、オーバーフェンダー、ワイドタイヤ、エアロパーツが装備された「GT」「GTブローニュ」が追加された。「GTブローニュ」のエンジンは2,842cc193馬力に強化された。
アルピーヌA310 V6ブローニュ
V6
総排気量 2849cc
最高出力 193ps/6000rpm
最大トルク 25.8kgm/4000rpm
生産台数は4気筒モデルの2,340台に対し、V6の方が9,276台と遥かに多いことからも、V6になってようやく本来の面目を発揮できたことが伺える。後継となるアルピーヌ V6GTとV6ターボ(GTA)にもその基本構成とスタイリングは踏襲され、その後もスープアップと改良によりアップデートを図り、最終作となるA610まで受け継がれた。
1971年のジュネーブ・ショーで、新世代のアルピーヌ製GTとして発表されたA310。スタイリングは、角6灯の灯火類を横一列に並べ、それを透明なカバーで覆うという方法を採ったフロント・マスクをはじめ、様々なデザイン的な試みがなされた斬新なものであった。
アルピーヌA310 1600
1976年には元シトロエンのチーフデザイナーで、ルノーに移籍していたロベール・オプロンがフロントエンドを中心にデザインを変更したボディに、ルノー・ボルボ・プジョー共同開発の水冷V型6気筒2,664cc エンジンに換装したアルピーヌ・ルノーA310 V6に発展した。
アルピーヌA310 V6
このシート、座り心地がよさそうですね。インテリア・デザインには豪華で快適なグランツーリスモの性格が色濃くでています。
後席シートはかなり窮屈そうです。
それではアルピーヌA310の価格を紹介しましょう。
アルピーヌA310 V6
1600VE 44,800フラン(1971年)
1600VF 71,200フラン(1975年)
1600VG 61,700フラン(1976年)
V6 79,600フラン(1977年) 139,000フラン【1983年)
価格は発売時のものを載せています。
アルピーヌA310について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
アルピーヌA310 V6
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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