ミディアムクラスサルーンBMW5シリーズ。525Iの2.5Lは170馬力を発生
2016/02/05
とっぱらや
BMWの根幹ともいえるラグジュアリアスなクーペ。1971年に発売され、ドイツをはじめ、米国や日本でも人気を博した美しい2ドアの3.0CSの系譜は、のちに6シリーズと名称変更され、現在にいたるまで連綿と続いている。BMW3.0CSとはどんな車だったのだろう?
BMW 3.0CSは、ドイツ(当時は西ドイツ)の自動車メーカーBMWが1971年から1978年にかけて製造販売していた2ドアクーペである。
BMW 3.0CS
1950年代末の経営危機から立ち直ったBMWは、1500の上級版として1800や2000を投入、1965年のフランクフルトショーでは2000C、2000CSを発表するなど、より上級の市場に向けてバリエーションを拡大させた。その一方、より小型軽量な2ドアモデルの02シリーズを登場させ、高性能版「2002」を追加するなど、高級でスポーティーなイメージを確立しようとしていた。
BMW 3.0CS
1967年には6気筒エンジンの2500/2800を搭載させた大型セダンをラインナップさせ、スムーズでパワフルないわゆる「ビッグシックス」エンジンの登場によって、高級車市場におけるメルセデス・ベンツのマーケットに足がかりを作った。これとともに、2000C/CS系のクーペボディにも大型の6気筒エンジンを搭載することでグラントゥーリズモの市場を開拓することとなった。
1971年、2800CSでビッグシックス・エンジンによるグラントゥーリズモを確立したBMWは、更なる動力性能を得るために、2,985ccエンジンを載せ、BMW3.0CSとして発表した。
BMW 3.0CS
最高出力 180hp/6,000rpm
最大トルク 26.0kg-m/3,700rpm
最高速度 213km/h(4MT)、209km/h(3AT)
車両重量 1,400kg(4MT)、1,420kg(3AT)
リア・ブレーキがドラムからインナードラム・タイプのパーキング・ブレーキが付いたディスク・ブレーキとなったことで、制動能力を向上させている。
2,985ccのエンジンに、ツインキャブレターを装備したエンジンだけでも充分な動力性能を誇っていた3.0CSシリーズに、電子制御式のボッシュ製Dジェトロニックを採用した。
BMW 3.0CSi
これと同時にエンジンの圧縮比を9.5:1に変更、210hp/6,000rpm、27.2kg-m/3,500rpmというエンジン出力を得ている。ギアボックスは、ツインキャブレター版と同じ4MTの他に5MTが用意された。最高速も220km/hへとより向上している。3ATは設定されなかった。
2002でツーリングカー選手権の好戦績を残してきたBMWは、ビッグシックス・エンジンでの参戦を決定したが、2002シリーズから比べると大幅に増大した車両重量は如何ともしがたかった。そこで車両各部を軽量化したモデルを市販モデルとして投入し、ホモロゲーションを取得することにした。
左右のドアをアルミ製に、リアウインドウをアクリル製にし、パワーウィンドウモーターを廃すことで、ノーマルバージョンの1,400kgから200kgも減量させている。
1971年に発売されたファーストバージョンでは、最高速215km/hをマークした。
BMW 3.0CSL
1972年には、早くもセカンドバージョンが発売されている。エンジンは排気量を3,003ccとし、200hp/5,500rpm、27.7kg-m/4,300rpmにチューンナップしている。
大型のフロントスポイラーとリアスポイラーを装着し、ボンネット上には整流版が取り付けられていた。 これにより、最高速は220km/hと5km/hアップしている。
BMW 3.0CSL
1973年にはサードバージョン・モデルが発売。 エンジンは排気量を3,153cc、最高出力206hp/5,600rpm、最大トルク29.2kg-m/4,200rpm を得ている。
大型リアスポイラーは廃されて、FRP製のフロントエアダムとステンレス製リアオーバーフェンダー、トランクリッド上のリアスポイラーを装備している。 最高出力、トルクは増加したが、最高速等はセカンドバージョンと同じであった。
BMW 3.0CSL
BMW 3.0CSLは、レース用ホモロゲーション取得という性格上、1,039台と少数の生産にとどまった。
BMW 3.0CSの基本的なボディデザインは、1965年登場の、2ドアのクーペの2000C/CSを流用したものであるが、この際のクーペ化は1500系のデザイナーだったジョバンニ・ミケロッティではなく、ベルトーネのチーフデザイナー、マルチェロ・ガンディーニが担当している。
BMW 3.0CS
エレガントで軽快、まさに息をのむようなそのクーペ・デザイン
優美なルーフ・ピラーを際立たせるためにあえてBピラーを排し、しかも全体のサイズに対してウインドー面積を広く取っている。
BMW 3.0CS
BMW 3.0CSは、BMWのすべてのデザイン的特徴を結集させた最初のモデルとされている。
BMW 3.0CS
BMW 3.0CSは軽快さとエレガンスを完璧に体現した、1970年代で最も美しい自動車デザインのひとつだ、と言われている。
BMW 3.0CS
好悪が分かれたフロント周辺のデザインは、1967年に登場していたセダン版の2500/2800と同一イメージの丸型4灯式に改められ、6気筒シリーズの一員であることを示していた。
BMW 3.0CS
インテリアはタンレザー、木製トリム
BMW 3.0CS
BMW 3.0CS
BMW 3.0CS
BMW 3.0CS
次は価格を紹介しようと調査してみたのですが、信頼に足る情報はありませんでした。
BMW 3.0CS
それでは中古車ではと調査してみました。生産終了してから、既に40数年が経過しているので、もう中古車市場には出回っていないだろうと思ったのですが、209万円から980万円までの価格で数台ありました。車両状態の違いだとは思うのですが、かなり値幅がありますね。
BMW 3.0CSについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
BMW 3.0CS
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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