2015/11/21
masac1016
日本で最初に量産された三菱の電気自動車『i-MiEV』。その量産、一般販売までの歴史や特徴など、気になる事を調べてみました!環境面からもますます需要が高まる電気自動車の先駆者、三菱のMiEVシリーズとはどんな車なのか、ご紹介します!
三菱の電気自動車
まずは三菱の電気自動車の歴史についてご紹介します!
三菱自動車電気自動車開発の歴史
鉛電池時代にはミニカやミニキャブ、リベロ。
リチウムイオン電池採用後からはFTOやi(アイ)など。
京都議定書などの温暖化対策の法整備により、電気自動車の需要は世界的にも拡大していく流れ。
三菱自動車の電気自動車開発は、自動車部門が独立する前の三菱重工時代、1966年からスタートしました。
当時は電力会社向けの物で、鉛電池を使用していました。
電池をたくさん積む必要があったため車両が重く、車本来の性能を出せないうえ、価格も高いので一般向けではありませんでした。
1990年代に入り携帯電話に使用されていたリチウムイオン電池を電気自動車に応用する研究が進みました。
1994年には「リベロEV」を官公庁、法人向けに発売します。
1995年には三菱自動車で初めてリチウムイオン電池を搭載したEVを『三菱HEV』の名で公表し、11月東京モーターショーに出展。
三菱HEVはバッテリー航続距離を約96kmまで伸ばしました。
バッテリーが無くなるまで走った後はエンジンで発電機を回して走る、現在のアウトランダーPHEVで採用されている技術『プラグインハイブリッドEVシステム』の先駆けです。
モーターショー出展後は、当時大気汚染に苦しんでいたカリフォルニア州の環境庁の試験を受けます。
1999年12月、FTOのEV(プロトタイプ)である挑戦が行われました。
『24時間でどれだけの距離を走る事が出来るのか』
リチウムイオン電池の採用により、急速充電が可能になりました。
三菱自動車の岡崎のテストコースで、20分の急速充電と時速130km走行を繰り返し、24時間で2,142.3kmの走行を達成しました。
この記録がギネスワールドレコードに認定され、現在もレコードホルダーです。
FTO-EV
ギネス記録を樹立した、三菱の電気自動車FTO-EV
2005年5月、コンパクトカーのコルトをベースとした電気自動車開発のプレゼンが行われましたが、まだ具体的な計画はありませんでした。
2005年の後半からベースを『i(アイ)』に変え、i-MiEVの先行開発が始まります。
その頃量産化の目処も立ち、正式なプロジェクトとなり、2006年に三菱i-MiEVは電力会社との共同研究を開始します。
2009年6月に電気自動車として日本で初めての量産を開始し、同年7月から法人向けの販売を開始。
そして2010年4月、一般向けの販売を開始します。
2011年には欧州向けや米国向けのi-MiEVも販売を開始し、軽商用電気自動車「MINICAB-MiEV」も発売しました。
三菱の電気自動車の歴史を簡単に紹介しましたが、リチウムイオン電池のおかげで電気自動車の開発が飛躍的に進歩した事がわかりました。
開発の歴史を積み完成した三菱の電気自動車がどんなものなのか、その特徴を見ていきます!
現在三菱はMiEV(ミーブ)シリーズとして電気自動車を販売しています。
ミーブシリーズには軽乗用車の『i-MiEV』、軽ワゴン・バンの『ミニキャブ・ミーブ』と、軽トラックの『ミニキャブ・ミーブ トラック』があります。
電気自動車にはどんな特徴があるのでしょうか。ガソリン車との違いとは?あらためて見ていきたいと思います!
アイミーブ・ミニキャブミーブ・ミニキャブミーブトラックのMiEVシリーズ
用途によりベストな車種を選べる。
電気自動車にはエンジンがありません。
それに伴い燃料タンクや給油口も付いていません。
エンジンの代わりにはモーター、燃料タンクの代わりに駆動用バッテリー、給油口の代わりに充電口が付いています。
前述したとおり、電気自動車にはエンジンが無い事によるメリットがいくつかあります。
・音が静かで振動も少ない。
・給油の必要が無く、家庭でも充電できる。
・排気ガスが出ないので、温暖化や大気汚染の面でも環境にやさしい。
その他には
・ガソリン代に比べると必要な電気代は1/3~1/9と言われており、経済的。
・停電時には非常用電源として使える。
などがあります。
三菱MiEVシリーズは、ディーラーオプションであるミーブパワーボックスを使用すれば、レジャーや停電時に充電池の電気を使うことが出来ます。
(100vで最大1500wまで)
電気自動車のデメリットとしてあげられるのは、
・航続距離が短い(エアコンを使用するとさらに短くなってしまう)
・車両価格が高い
・充電時間がかかる
・家庭での充電には専用のコンセントを設置する必要がある。
・充電スタンドはまだガソリンスタンドと比べると数は少ない。
などがあります。
このように電気自動車をガソリン車と比べると、さまざまなメリット・デメリットが有る事がわかりました。
充電スタンドはコンビニやショッピングモール、ゴルフ場や宿泊施設などにも設置がすすみ、数が増えてきていますが、さらなる増設が望まれます。
また、航続距離や充電時間のデメリットを解消する為にも、充電池の開発が進む事が期待されています。
三菱の電気自動車i-MiEVは、シンプルが好きな人も目立ちたい人も、満足なカラーとデザインのバリエーションがあります。
そして実際の走行性能はどうなのでしょうか?
i-MiEV(アイミーブ)
三菱の電気自動車の代表と言っても過言ではない『i-MiEV』。独特な流線型のフォルムは街中でも目を引く。
力強い走りと言われる三菱i-MiEV。
その走りの秘密は専用の高効率モーターにあります。
走りはじめから最大トルクを発揮し、走り始めの加速はもちろん、上り坂もストレス無く走る事が出来ます。
最大出力
M:30kW(41PS)
X:47kW(64PS)
最大トルク
M:160N・m(16.3kgf・m)
X:160N・m(16.3kgf・m)
駆動用モーターは後部座席後方、床下に大容量バッテリーを配置しているので車内は広く、
かつ重心が低いので操縦安定性も優れています。
i-MiEVの構造
モノトーンカラーのホワイトソリッド・クールシルバーメタリック・ブラックマイカの3種のほか、
2トーン有料色のレッドメタリック/ホワイトパール・クールシルバーメタリック/ホワイトパールの2種があります。
現在受付中のデザインラッピングも含めると、どれにしようか迷ってしまうほどです。
i-MiEVデザインラッピング第4弾 1
格好いいデザインも可愛いデザインもあります。
i-MiEVデザインラッピング第4弾 2
新車・中古車購入者はもちろん、i-MiEVに既に乗っている人も購入できます。
i-MiEVデザインラッピング第4弾 新デザイン スポーティー
新デザインを加えた11種類のデザインがある。
定員 4名
駆動方式 2WD(後輪駆動)
メーカー希望小売価格(消費税込) 2,261,520円~
JC08モード一充電走行距離 M:120km X:180km
総電力量 M:10.5kWh X:16.0kWh
商用として開発されたミニキャブミーブですが、一般ユーザーからも注目されているそうです。
その理由は何なのでしょうか?
ミニキャブミーブ
商用に最適なミニキャブミーブ
開口部も荷室も広く、積み下ろしが楽です。
1名乗車時の荷室長は最長2685mmにもなります。
荷室にはビールケースなら36ケース、パンケースなら72ケース積める広さです。
荷室長 1830mm
荷室長(1名乗車時) 2685mm
荷室長(4名乗車時) 935mm
荷室高 1230mm (標準ルーフは1125mm)
荷室幅 1370mm (スペアタイヤ位置では1215mm)
荷室フロア長 1935mm
テールゲート開口幅 1145mm
テールゲート開口高 1285mm
荷室床面地上高 675mm
スライドドア開口幅 1425mm
スライドドア開口高 735mm
スライドドアステップ地上高 415mm
仕事の内容によって、2シーター・4シーター、電力容量の大小を選べます。
電量容量の小さい低価格版を選べば、価格が抑えられる事もあり、一般ユーザーはこのあたりに注目しているようです。
また、業種にあわせたラッピング、お店の名前や商品をアピールできる外装にする事も出来ます。
農家の方やパン屋さんなど、早朝に車の運転が必要な仕事にも、音が静かな電気自動車は最適と言えます。
排気ガスが出ないため、自分の車からの排気ガスによる食べ物への汚染の心配も無い事もあります。
シートや内装は、I-MiEVと比べてしまうと長時間乗るには向かないようですが、一般ユーザーでも自転車や大きな家具、その他大きめの荷物を運びたいという理由でミニキャブミーブを選ぶ人も多いのではないでしょうか。
定員 2名・4名
駆動方式 2WD(後輪駆動)
メーカー希望小売価格(消費税込) 1,799,280円~
JC08モード一充電走行距離 M:100km X:150km
総電力量 M:10.5kWh X:16.0kWh
ここまでi-MiEVとミニキャブミーブの紹介をしてきましたが、
三菱の電気自動車にはミニキャブミーブ トラックもあります。
ミニキャブミーブ トラック
軽トラックの電気自動車。
愛称は『電トラ』
最大積載量は350kgと、ガソリン車と同等。
定員 2名
駆動方式 2WD(後輪駆動)
メーカー希望小売価格(消費税込) 1,582,200円~
JC08モード一充電走行距離 110km
総電力量 10.5kWh
以上の3車種が三菱の電気自動車ミーブシリーズです。
ミーブシリーズは車両接近通報装置や、回生ブレーキに高減速度ストップランプ点灯機能が付いており、安全機能もしっかりとしています。
また、三菱が電気自動車のために独自開発した『MiEV OS』で、バッテリー管理や回生ブレーキ制御、スムーズ発進制御などを総合制御する事により、安全で快適な走行を実現しています。
セレクターレバーには、急加速・急発進を避けて省電力で走る『ECOポジション』があり、航続距離を伸ばしやすい工夫がなされています。
i-MiEV接近通報装置
国土交通省ガイドライン準拠の接近通報装置。
時速25km以下での走行時に自動発音する。
三菱の電気自動車について紹介してきましたが、実際に試乗した人、購入した人はどのような評価をしているのでしょうか。
気になる評価を紹介したいと思います。
三菱i-MiEV
黒いボディは格好良い印象を受ける。
走りも静かで70キロで走っていても普通に会話が出来ます。
最近は急速充電器が色々な所に出来てきたので遠出も可能になってきました。
充電時間もMの電池は東芝のSCiBなので寒くても充電時間が短く20分もあれば満充電できてしまいます。電池寿命も1万回と言っているので一生乗り続けるつもりです。
3ヶ月、往復40キロの距離を通勤に使用した感想は………
もう、アイミーブに夢中です。20年以上、15種位の車に乗って来ましたが、最も大好きな車になりました。
と言うか私にとっては車ではなくて家電製品な感じです。
ガソリン、エンジン音、オイル臭……いわゆる車臭い部分に興味がなかった私にとってアイミーブの家電的な感覚はどハマりの最大の要因なのかもしれません。
Mタイプは軽量なため、操作性、走行性が抜群である。軽いのでGタイプのように変な重苦しいGがかかってこない。軽いので電気の減り具合がGタイプよりよい。軽のメリットを最大限生かした車と言える。乗っていて実に楽しい車である。値段も安いので遠慮なくどんどんかっ飛ばして走れる。軽のガソリン車には二度と乗りたくないほどこの車には愛着がある。何しろバイク並みの燃費でこの走りを得られるのだから。軽なのに新幹線のように静粛に走り出すこの味わいは電気自動車ならではである。この走りは、ガソリン車の軽はおろかコンパクトカ-をもはるかに凌いでいる。欠点はもちろん、距離を走れないこと。これはもうどうしようもない。笑ってしまうほど情けなくなるが、とにかく急速充電器が全国津々浦々まで、急速に普及されるのを願うばかりである。ア-ムレストは、標準でつけなければダメ。貨物車じゃないんだから。
満充電で100kmぐらいですが、近所の買い物専用なので苦になりません。
ただ、これ一台では生活できません。うちにはガソリン車がもう一台あるので長距離や大人数の移動にはそちらを使います。
加速はスムーズなのと、運転の仕方で残り航続距離がコロコロ変わるのがゲーム感覚で楽しいです。
ミニキャブミーブ
良かった点
ファミリーユースを念頭に入れてあるので、燃費は良かったです。
気になった点
サスペンションが少し硬いセッティングになっています。高性能エンジンが高い走行性能と高い燃費性能を実現しています。
総評
市街地・山道・高速道路、すべてにおいて素晴らしい走りを楽しめます。パワー不足は感じなかったので、車重とエンジンパワーのバランスが取れた車という印象です。
良かった点
オリジナリティのあるカーデザインがとても魅力的です。大人4人が乗っても窮屈さを感じない、丁度よい大きさのスタンダードカーです。
気になった点
バックシートは膝スペースが狭いので、少し窮屈に感じました。
総評
高い剛性のボディに高性能なエンジンを搭載して、素晴らしい走りを実現しています。
【総合評価】
とっても満足しています。2台目の車としては最高です。送迎、買い物、荷物の多い趣味などに活躍しています。
【良い点】
ガソリンがいらない。小回りが利く。荷物がいっぱいつめる。
【悪い点】
長距離は無理なので、長距離用にもう一台車がいること。
三菱の電気自動車i-MiEV
三菱の電気自動車について調べて、まだ車両価格が高い事や、航続距離が短いので出かけた先に充電スタンドがあるか調べる必要があるなど、デメリットはあるようです。
しかし、それを上回るガソリン給油の必要が無い、運転音が静か、排気ガスが出ないなどの数々のメリットに魅力を感じ、購入される人が多いようです。
中古市場にも三菱の電気自動車の数が増えてきているので、中古で購入すれば車両価格の高さはそれほど気にならないでしょう。
充電スタンドも確実に増えており、電気自動車に乗る環境がさらに整ってきています。
車の買い替えや新しく購入を考えている方にも、三菱の電気自動車を候補に入れて検討することをおすすめしたいです。
MiEVシリーズ「家計簿」篇
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