2015/11/15
YMOTOHASHI
日本が誇るスポーツカー「フェアレディZ」。スポーツカーの歴史にその名を刻んできたフェアレディZは様々な進化を遂げながら、現在の「Z34型」にいたります。ここでは、フェアレディZの進化とその実力を検証し、高評価と低評価を見ていきましょう。
フェアレディZは、1969年に日産自動車から誕生したスポーツカーです。北米において販売されると、これが大人気となり日本においてもその地位を築きました。
北米での人気の理由は、他のスポーツカーに比べてコストパフォーマンスに優れていながらもその実力は本物だという理由からでした。
フェアレディZ「S30型」
北米において実力を認められ、大人気となったフェアレディZ「S30型」。
その後もフェアレディZは、「S130型」「Z31型」「Z32型」「Z33型」と進化し、現在の「Z34型」へと繋がっていきます。
1989年、日本はバブル最高期。あらゆる贅沢がつぎ込まれたスポーツカーとしてフェアレディZ「Z32型」が誕生します。
フェアレディZ「Z32型」
1989年に高級スポーツカーとして誕生した「Z32型」。
フェアレディZ「Z32型」のエンジンはVG30DETTで、3.0Lツインターボを搭載していました。最高出力280馬力と、国産車では最高となるパワーを発揮しました。また、VG30DEのNAエンジンも存在しました。
2シーターと2by2(乗車定員4名)の設定があり、ミッションは5速MTとATが設定されていました。ボディ形状はクーペタイプとTバールーフが設定され、ファンの注目を浴びます。
また4輪マルチリンクサスペンション、リアビスカスLSD、アルミブレーキキャリパーと対向ピストンタイプのブレーキなど走りに特化した技術が盛り込まれ、高い運動性能を誇ります。
フェアレデイZはこの「Z32型」で今までとは明らかに違う革新的なフルモデルをチェンジを行い、ファンを驚かせることとなります。
圧倒的な違いはこのスタイリングにあり、全高を低くすることで走行安定性を高め、同時に幅をワイド化させることでコーナリング性能も高くなります。
室内のコントロール系は電子制御化され、スイッチ類を運転席周辺にまとめることでドライバーによる操作性を向上させました。
「Z32型」の室内
電子制御化によりスイッチ類がまとめられた運転席周り。
運動性能としては低重心による安定性とツインターボによる加速性は高い評価を獲得しましたが、燃費が6~7km/Lという部分で厳しい評価も受けることとなります。
それでもフェアレディZ「Z32型」は、国産高級スポーツカーという事でスポーツカーファンの憧れ的存在であり、現在でもフェアレディZファンからは、高く評価されています。
中古車相場は50~80万円位で程度の良いものは100万円超。年数がたっているので、購入の際はエンジンやタービン、消耗品に注意が必要です。
バブルの崩壊とともにその贅沢さと高価であったことから、高い評価とファンからの支持を獲得しながらも2000年にその幕を閉じることとなります。
しかし、この「Z32型」の実力は現在のスポーツカーと比べても遜色のない本物のスポーツカーでした。
フェアレディZ「Z32型」の終焉から2年後。カルロス・ゴーン氏の最高責任者着任に伴いファン、社員からの熱望により、フェアレディZは「Z33型」として復活します。
印象的なのは、ワイド化された前後のブリスターフェンダーを持つスタイリング。このスタイリングは誕生から10年以上たった現在のスポーツカーと比較しても、全く引けを取りません。
フェアレディZ「Z32型」
2年のブランクから2002年に復活した「Z33型」。
Z33型はVQ35DEエンジンが搭載され、NA(自然吸気)エンジンでありながらも最高出力280馬力を発揮しました。
それまで自主規制の最大出力280馬力となる車はほとんどターボ(過給機)が搭載されていましたが、NAエンジンでの280馬力到達は高く評価できるものでした。
「Z33型」搭載のVQ35DEエンジン。
NAエンジンでありながら280馬力を発揮。
低重心化による高速安定性の向上が図られ、スポーツグレードのバージョンSとSTにはブレンボ社製のブレーキキャリパーが採用されるなど、さらにスポーツ性も高められます。
ボディ形状はクーペタイプとロードスター(オープンカー)の2種類が用意され、「Z33型」から乗車定員2名の2シーターのみの設定となります。
フェアレディZ「Z33型」バージョンニスモ 380RS
エアロ・ホイール等ニスモの専用パーツが装着され、エンジンもニスモが手掛けたことにより、パフォーマンスも向上しました。
「Z33型」ではグローブボックスの排除、ドリンクホルダーの設置場所、トランクルームのバーなど使い勝手の悪さにより、実用性の面では低評価を受けることとなります。
ゴツゴツした乗り心地と評価された部分においては、マイナーチェンジによるサスペンションの構造を変更することで改善され、徐々に評価も変わっていきます。
それでも「Z33型」は低速からもエンジントルクが大きいので、ドライバーにとっては非常に扱いやすいスポーツカーに仕上がっています。
そのうえ「Z33型」の運動性能の高さやボディ剛性の高さは評価されるものであり、現在は中古車市場でも注目されつつあります。
現在もファンから高い評価を得ているZ33型。中古相場は50万円以下のものもあり、高年式だと200万円近いものまで存在。100万円前後でも程度の良いものが入手可能。
スポーツカーが少しずつ減少していく中で復活を遂げたフェアレディZ「Z33型」。マイナーチェンジや改善策によりその存在を確実なものにしていく事となります。
減少傾向にある国産スポーツカーの中で、しっかりとその座を受け継ぎスポーツカーとして、そしてフェアレディZとしてその存在を確実なものにしていきました。
2008年にフェアレディZ「Z34型」が登場、ブーメラン型のヘッドライトとテールランプが備えられ、さらにワイド化されたブリスターフェンダーによって、強烈なインパクトを与えることになります。。
フェアレディZ「Z34型」
バンパーに装備されたLEDデイライトと19インチホイールが目を引きます。
マイナーチェンジによりフロントバンパーには縦型のLEDデイライトも装着され、スポーツカーとしてだけではなく高級感も漂わせます。
また、純正サイズでありながらもタイヤ&ホイールが19インチ化されたことにより、スポーツカーとして成長したことが伺えます。
フェアレディZ「Z34型」はホイールベースをZ33型よりショート化し、車幅をワイドにすることでコーナーや高速走行時の安定性をさらに高いものにします。
また、4輪アルミキャリパー対向ピストンブレーキ、ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションの採用で、スポーツカーとしてのコントロール性が大幅にアップします。
エンジンも3.7Lに引き上げられたVQ37HRとし、それに伴い最高出力も336馬力まで引き上げられ、更なるハイパワー車となります。
トランスミッションは6速MTとマニュアルモード付AT(パドルシフト付)が設定されています。
フェアレディZ「Z34型」バージョンニスモ
ニスモが手掛けたZ34型バージョンニスモ。現行型バージョンニスモでは専用エアロも変更され、さらにスポーツ性能も向上させ大幅にレベルアップしました。
フェアレディZ「Z34型」は2シーターのみの設定で乗車定員2名、クーペタイプとロードスターの2タイプのボディが設定されています。
フェアレディZ「Z34型」は外観の迫力も増し、加速性能やコーナリング性能の運動性能もアップされたことによりさらなる評価を獲得します。
Z34型は国産スポーツカーとしては早い段階でパドルシフトが採用されました。
このパドルシフトの採用によりAT限定免許の方でもハイレベルなスポーツ走行を楽しむことができ、高評価されることとなります。
新車では400万円くらいしますが、初期型の中古車あれば200万円を切るものも出てきました。程度の良いものが多いので、中古車でも安心して乗ることができます。
ひとつ気になる部分としては総排気量が3.7Lなので、66,500円と税金が大幅にアップしてしまったところでしょうか?
それでもこのフェアレディZ「Z34型」は、スポーツ性能や上質な作りを見ても分かる通り、国産スポーツカーとしての地位と価値を持った一台なのです。
フェアレディZは時代とともに評価されてきた車
フェアレディZは誕生からこれまで様々な評価を得てきました。スポーツカーが減少していく中でその地位を守り、何よりも誕生から現在にいたるまで存在していることが最大の評価ではないでしょうか?。これからも日本を代表するスポーツカーであり続けてほしい、それがフェアレディZなのです。
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