2015/11/05
seiya
アルファロメオSZはイタリアの自動車メーカーであるアルファ・ロメオが製造、販売していたクーペ、オープンタイプのスポーツカーです。丸みを帯びた独特のフォルムが特徴的なこの車は、アルファロメオ75をベースに、アルファ・ロメオ、ザガート、フィアットという3つの自動車メーカーが協力して作られた車で、1代に限って製造、販売されています。今回はこのアルファロメオSZに関する情報を簡単にまとめてみました。
車体のデザインと制作はザガートが担当しました。「SZ」とは、Sprint Zagatoの頭文字を取ったものです。デザインはフィアット・デザインセンターの主導で行われましたが、「zagato milano」と刻印されたZ印のエンブレムは採用されました。その独特でエッジの利いた外観のデザインから、「Il Mostro(イル・モストロ=怪物)」というふうに呼ばれています。
アルファロメオ75に搭載されていたものと同じ2,959cc V型6気筒 12バルブエンジンを搭載しており、最高出力は75が188英馬力なのに対して、210仏馬力(207英馬力)/6,200rpm、最大トルク25.0kgf·m/4,500rpmという当時のアルファ・ロメオでの中で最も力強い車です。トランスミッションは5速MT、駆動方式はトランスアクスルFRとなっています。加えて、エンジンとミッションを繋ぐプロペラシャフトはユニバーサルジョイントを使用しておらず、代わりにドーナツカップリングを3つ使てっています。またリアはF1の車と同じインボードディスクブレーキが実装されています。このように、重量配分や足回りに特にこだわった車で、思う存分走れるよう設計された非常に高性能な1台です。
この車のエンジン音は爽快な快音で、加えて2人乗りですが室内が意外に広いなど実用的で快適な車です。またそのデザインに心打たれた人も多いと思います。この車の魅力は走りももちろんですが、そのデザインも魅力だと思います。決して毎日乗るような車ではありませんが、非日常感を味わうためにはふさわしい車です。実用性も抜群でいざ使うときにも活躍してくれるはずです。大衆受けを狙って作られた無難なデザインの車ではなく、エッジの利いたアクの強い車なので車好きの方にこそ刺さる1台だと思います。
メンテナンスには幾つかのポイントがあり、その中でも最も注意すべきメンテナンスポイントはプロペラシャフトのカップリングです。
SZ/RZのベースはアルファ75で、その最大の特徴であるトランスアクスルとドディオンアクスルを流用しています。
エンジンの回転数をトランスミッションで減速することなくリアまで伝達するプロペラシャフトの振動を吸収するこのカップリングはゴム製で、走行することによる劣化だけでなく、大切に保管されていたとしても経年劣化をして行きます。
特に長らく走らせていなかったSZ/RZを走らせると、このカップリングは写真のように砕けてしまうのです。
カップリングの交換は、マフラーやリアのミッションケースを外さなければ出来ませんので、作業としても大掛かりなものとなってしまいます。またカップリングは同じ六角形に見えても取り付ける位置があり、それを間違えるとプロペラシャフトが偏心してしまい、異音や振動の原因となってしまいます。
残念ながら、どんなに貴重なクルマであっても、やはり動いている部分は適度に動かしていないと、劣化のスピードは速くなってしまうものです。
ぜひ自分でアルファロメオSZ乗ってみてくださいね!
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