ライトウェイトスポーツカーの雄、TVR。そのTVRが造った350i とは?
2015/12/10
とっぱらや
2003年公開予定だった映画、「西部警察」が事故により中止に。その事故を起こした車がTVRタスカンです。しかし日本人にとってTVRタスカンはあまりなじみのない車種。そこでどんなクルマなのか?あらためてスポットをあて、掘り下げてみましょう。
いまから13年前の2003年、映画の撮影中に男女5人が重軽傷を負った事故により公開が中止になった騒動がありました。その事故を起こした車両がTVRタスカンでした。
映画制作会社の謝罪会見
その事故から1年後、2時間ドラマで西部警察スペシャルを放送。
連続テレビドラマ「西部警察2003」の撮影中に起きた事故で、放送を自粛していた2時間ドラマ「西部警察スペシャル」が、テレビ朝日系で10月31日に放送されることが11日決まった。制作した石原プロモーションの渡哲也社長、テレ朝の早河洋編成制作局長らが記者会見して発表した。
事故を起こした「西部警察2003」はそのまま公開中止。1年後に放映された「西部警察スペシャル」とは別の内容のTVドラマです。
日本ではそのような経歴があったTVRタスカンでしたが、実はこのクルマについて知っている人は意外と少ないのではないしょうか?事故ばかりがクローズアップされたTVRタスカンでしたが、あらためてこの車がどのようなものなのか?詳しく紹介していきましょう。
TVRとはイギリスを拠点にするスポーツカーブランドです。最新鋭のスポーツカーのイメージがあるTVRタスカンでしたが、実はこれは2代目モデルで、初代はずっと過去にさかのぼり、1967年になります。
TVRタスカン(初代)
1967年に発表されたTVRの初代モデル
1967年のロンドンショーで初公開され、1968年に発売された。事実上TVR・グリフィス400の後継車に当たる。車体骨格はTVR・グランチュラ由来の鋼管フレーム・FRPボディを採用しており、外見は後の「Mシリーズ」に似ている。エンジンはフォード製のV8エンジンを搭載。
TVRはバックヤードビルダーのような小規模の自動車メーカー。初代TVRタスカンは生産台数も少ない希少車なのです。
日本で比較的知られるようになったのが2代目TVRタスカンです。本国イギリスでは1999年に生産開始。日本には翌年11月に輸入されました。その後約4年間にわたり、国内へデリバリーされたのです。
TVRタスカン
6穴のヘッドライトが特徴。流れるような美しいデザインです。
曲線を多用した特徴的なFRP製ボディと、シャーシに高張力鋼管スペースフレーム、足回りに4輪ダブルウィッシュボーンを採用している。ボディサイズは、全長4,235mm、全幅1,810mm、全高1,200mmとコンパクトに収まっている。また車重が1,100kgと非常に軽量である。
丸みを帯びたなめらからボディラインはFRP製。シャシーは鋼管スペースフレームを採用するなど、手作りに近い生産体制で製造されていました。まさにエキゾチックカーとも呼ばれるスーパースポーツカーの一種ですね。
TVRタスカンは着脱式のルーフを採用して、さまざまな形態に変化します。
TVRタスカンのルーフ
写真はタルガトップ仕様
TVRタスカンのルーフは軽量なFRP生となっており、取り外しができます。写真のようにタルガトップの形態が可能です。またリヤウインドウはガラスではなくプラスチック製なので、こちらも取り外し可能。ロールバー付きのオープンカーに早変わりです。
エキゾチックカーらしさは室内のデザインにもあらわれています。まるでコンセプトカーがそのまま市販化されたような魅力的なインテリアをじっくりとご覧ください。
TVRタスカンのインテリアデザイン
ベージュをあしらった派手な室内空間
センターのバックボーンフレームが大きく張り出したスーパーカーらしい室内。インパネわまりやシフトノブはアルミ製。各種スイッチには真鍮があしらわれていおり独特の質感を醸し出しています。TVRタスカンはイギリス車なので、日本と同じ右ハンドル仕様です。
TVRタスカンには、高速走行時の安定性を高めるため、機械式リミテッドスリップデフを採用しています。小回りは苦手ですが、ハイパフォーマンスを存分に味わうことができます。
TVRタスカンのデファレンシャルギヤ
機械式LSDを採用するTVRタスカン
TVRタスカンのドライブフィール
ソリッドな乗り味がTVRタスカンの特徴です
今では当たり前の安全装置が省かれている代わりに、TVRタスカンはシンプルで豪快な走りが堪能できます。無駄なものが一切ない潔さもまた、このクルマの魅力といえるものです。
TVRタスカン(3代目)
写真は2006年にフルモデルチェンジした、TVRタスカンの最終モデル
TVRは残念ながら会社が2006年12月に経営破たんし、長い歴史に終止符を打ちました。しかし未来的なルックス、コンセプトカーをそのまま世に送り出したようなデザインなど、非常に魅力的なクルマであったことは間違いありません。この記事でTVRタスカンについて、興味を持っていただけたら幸いです。
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