あなたは知ってる?エンジンブレーキを活用すれば燃費はあがる!
2016/01/22
るおう
エンジン抵抗をブレーキの補助とする「エンジンブレーキ」。MT車やトルクコントロールのAT車なら、ギアを落とすことは簡単ですが、今やCVT車が全盛の時代となりました。CVT車のエンジンブレーキの使い方について調べてみました。
そもそも、エンジンブレーキって何?エンジンブレーキの仕組みを解説 | 【AT MT共通】
エンジンブレーキの仕組みがわかりやすく解説されています。
エンジンブレーキとは、走行中にアクセルを戻すことにより、タイヤ(駆動輪)がエンジンを回転させる際の抵抗によって起きる作用のことをいいます。長い下り坂などで、フットブレーキばかり多用すると摩擦によってブレーキパーツが高温化し、ブレーキ効力が低下する恐れがあります。これを防ぐためにも下り坂ではエンジンブレーキの併用が推奨されています。
また、エンジンブレーキはギアが低いほどその作用が強くなります。MTではドライバーがギアを選択できますが、ATの場合はDレンジのままではギアが高くなっているので2やLレンジにする必要があります。
CVTの仕組み
エンジン(ドライブ)側とタイヤ(ドリブン)側の2つのプーリ(滑車)の間に通した金属ベルトの径が変化することで連続的な変速が可能となります。1つのプーリは円錐状の2枚のディスクの組み合わせてあり、その幅が変わるとベルトの径も変わります。
スクーターの変速の仕組み 説明動画
このCVT説明動画はスクーターのものですが、自動車も仕組みはほぼ同様です。
従来型のMTやATは、大小のギア(歯車)によって変速しますが、CVTは円錐状のディスクを組み合わせたプーリと呼ばれる滑車の間に金属ベルトを通してプーリの大きさを変化させることで変速することができます。このことから無段変速機(Continuously Variable Transmission:CVT)と呼ばれます。また、MTやATと違い変速機での逆回転ができないので、バックの際は遊星歯車などを使って逆回転します。
スバル・ジャスティ
1984年発売のスバル・ジャスティは、1987年にCVT搭載車が発売された。これが、国産車で初めてのCVTが搭載された量産車です。
ホンダが初めてCVTを搭載した6代目シビック
ホンダは1995年に発売した6代目シビックに初めてCVTを搭載しました。
大型車でCVTを搭載した10代目セドリック
日産は1999年にトロイダル式CVTを10代目セドリックやグロリアに搭載しましたが、ATモデルよりも価格が高くなってしまいました。
国産の量産車で初めてCVTを搭載したスバル・ジャスティは、評論家からは評価されたもののユーザからはあまり受け入れられなかったようです。原因はAT車よりも割高だったこととクリープ現象が発生しないので、駐車時にアクセル操作が必要となり、それが煩わしかったようです。
スバルは、これまでCVTに用いていた電磁粉クラッチを廃止しトルクコンバータ採用しベルトも金属製のものを使用したi-CVTを発表しました。クリープ現象も発生するようになり、現在の多くのCVT車ではトルクコンバータと金属製ベルトが採用されています。
普通運転免許証-AT車限定
CVT車は、AT車限定の普通運転免許で運転できます。
AT限定免許は、1991年に創設されたもので、クラッチペダルが無い車を運転する免許証のことなので、クラッチペダルが無いCVT車も運転することができます。
MT車のシフトレバー
MT車(5段変速)のシフトレバー
MT車でのエンジンブレーキのかけ方(5速⇒4速へシフトダウン)
・アクセルペダルから足を離す(弱いエンジンブレーキがかかる)
・クラッチペダルを踏む(エンジンの回転がタイヤへ伝わらなくなる)
・ギアをN(ニュートラル)にする
・クラッチペダルから足を離す(エンジンの回転がタイヤへ伝わる)
・アクセルペダルを踏んでエンジンの回転数を上げる
・アクセルペダルから足を離す
・クラッチペダルを踏む(エンジンの回転がタイヤへ伝わらなくなる)
・ギアを4速に入れる
・クラッチペダルから足を離す(エンジンの回転がタイヤへ伝わる。強いエンジンブレーキがかかる)
※急激(4速→1速)なギア切り替えは、エンジンやトランスミッションに大ダメージとなりますので
注意してください。
AT車のシフトレバー
・Pレンジ:駐車時
・Rレンジ:バック
・Nレンジ:ニュートラル
・Dレンジ:ドライブ
・2レンジ:ギヤを2速に固定したまま走らせることができる。急な坂道などの上り下りに使う。
・Lレンジ:一番低いギヤの1速で固定する時に使う。極端な坂道の上り下りに使うが、通常はあまり使用しない。
AT車のエンジンブレーキのかけ方
・アクセルペダルから足を離す
・Dレンジから2レンジへシフトダウンする
・ブレーキペダルを踏みながらスピードを落とす
・さらに減速する場合は、1レンジへシフトダウンする
・ブレーキペダルを踏みながらスピードを落とす
AT車は、Dレンジからシフトダウンするとことで、軽いエンジンブレーキが掛かり、
更にシフトダウンしていくと、より強いエンジンブレーキを使うことができます。
CVT車のシフトレバー(ダイハツ ムーブ)
・Pレンジ:駐車時
・Rレンジ:バック
・Nレンジ:ニュートラル
・Dレンジ:ドライブ
・Sレンジ:スポーツモード(エンジンブレーキが必要なとき)
・Bレンジ:AT車のLレンジと同様
CVT車のエンジンブレーキのかけ方
・アクセルペダルから足を離す
・DレンジからSレンジへシフトダウン
・ブレーキペダルを踏みながらスピードを落とす
・さらに減速する場合は、Bレンジへシフトダウンする
・ブレーキペダルを踏みながらスピードを落とす
CVT車はその構造上、SレンジやBレンジにシフトダウンして、すぐにスピードが落ちるということはありません。そのため、ある程度はフットブレーキを使いながらスピードを調整することが必要です。
AT車のエンジンブレーキのかけ方イメージ図
エンジンブレーキはアクセルペダルから足を離せばかかりますが、より強いエンジンブレーキ効果を得たい場合は、上述したように、シフトダウンという操作を加えることになります。
このシフトダウンによるエンジンブレーキはMT車やAT車では、それほど問題ありませんが、CVT車では、多用することは車にあまりよくないようです。
CVT車でのエンジンブレーキの多用はCVT自体に負担がかかり、滑らかな加速ができなくなったりする恐れがあり、燃費にもあまりよくないようです。
しかしながら、長い下り坂や急な下り坂ではフットブレーキとエンジンブレーキを併用するようにしたほうがよいです。
減速するのにフットブレーキをなるべく使わず、エンジンブレーキを主に使用する方がいらっしゃるようですが、減速はフットブレーキを第一優先として、あくまでもエンジンブレーキはその補助であることを意識したほうがよろしいのではないでしょうか?
減速目的のフットブレーキをなるべく使わないようにする目的のシフトダウン&エンジンブレーキというものは、まずこういった運転方法自体が無く、もしやっている人がいるとするなら、それは完全に間違っている。
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