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自然吸気エンジンとは違う!ターボエンジンの仕組みについて紹介!

「俺の車、ターボついてて速いんだぜ!」「ターボっていうけど、その仕組みってどなっているの?」・・意外と答えられない人も多いかもしれません。今回は、テレビや書籍、クルマの漫画でも頻出するワード「ターボ」の構造や仕組みについて、紹介していこうと思います。

仕組みを紹介する前に・ターボエンジンと自然吸気エンジンの違い

三菱・ランサーエボリューション

普段みなさんがターボと略している機構の名前、実は「ターボチャージャー」という正式名称があります。NAと言われる自然吸気エンジンとは仕組みが全く異なり、ターボチャージャーという過給機(エンジン内の空気圧を大気圧以上に高める機構)を用いてエンジンパワーを更に絞り出す仕組みに改造されています。

スバル・インプレッサ

ランサーエボリューションやインプレッサWRXなどをはじめ、ラリーカーや1980年代のF1マシンなど、ターボチャージャーを搭載した車はレースなどでハイパワーと好パフォーマンスを発揮し、圧倒的な性能を引き出しています。しかし、そういったターボの仕組みは意外と知らなかったりします。

トヨタ・カローラWRC

今回は、そのターボの仕組みについて紹介していきます。合わせて、ターボ関連のシステムの仕組みについても紹介も行っていきます。ターボの仕組みを知る事で、もっと車に対する知識や愛着を深めていきましょう!

仕組みを紹介する前に・ターボチャージャーの原理

ターボチャージャーの仕組みを紹介する前に、まずは原理を紹介していきましょう。
先ほども紹介したように、ターボチャージャーは過給機というエンジン内部の空気圧を大気圧(普段自分たちが生活している1気圧の状態)以上に圧縮させる機械です。

じゃあ大気圧以上に圧縮されればどうパワーが上がるの?
というお話になりますが、まずターボチャージャーはエンジン内部のシリンダーから排気された排気ガスを利用して、反対側にあるエンジン吸気部分を圧縮します。すると、吸気側からはより圧縮された新鮮な空気が入り込むため、酸素濃度が高い(より燃やす事が出来る)空気を取り込むことが出来ます。

こういった原理から、より酸素濃度が高く、燃焼効率が向上するということはつまり、自然吸気(NA)エンジンよりも多くのパワーを発揮することが出来るという事から「自然吸気よりもターボは出力が高い」と言われる理由です。

ただし、その原理と仕組みの特性から「より多くの空気を燃焼させる」「外的要因で意図的に高圧縮空気を送り込む」という点からエンジンへの負担を通常よりも多く掛けるため、ピストンやシリンダー、エンジンオイルについては自然吸気エンジンに対してより深いメンテナンスが必要になります。

ターボチャージャーの仕組み・ターボチャージャー

それでは本題の、ターボチャージャーの仕組みについて紹介をしていきます。

マクラーレン・MP4-12C

ターボチャージャーを搭載する車で有名な車。吸気方式はターボチャージャー(V12)

ターボチャージャーの仕組みは
・排気ガスの流れを受けて回転するタービン
・タービンの回転を伝えるシャフト
・タービンのトルクを利用して空気を取り込み圧縮するコンプレッサー
・タービンやコンプレッサーの流れを制御するハウジング
で構成されています。

また、ターボチャージャーは排気ガスの流れる量によって過給圧を上げていく仕組みであるため、低回転域では性能を十分に発揮できないというデメリットがあります。

より詳しい仕組み

ターボチャージャーの仕組み・構造

コンプレッサーには遠心式圧縮機が利用されており、タービンとコンプレッサーはシャフトの両端部分で固定され、タービンとコンプレッサーが同じ回転速度で回転しています。

ターボチャージャーとは少し違う、スーパーチャージャーの仕組み

次は、ターボチャージャーとは似ているけど少し違う過給機「スーパーチャージャー」の仕組みについて紹介していきます。ラリーカーやレース関係のワークスマシンなどで耳にする「ツインチャージド」という種類のエンジンでは、ターボだけでなくスーパーチャージャーも搭載されている場合が多いです。

メルセデスベンツ・SLRマクラーレン

スーパーチャージャーを搭載する車で有名な車。吸気方式はスーパーチャージャー(V8エンジン)

スーパーチャージャーの仕組みは、クランクシャフトなどエンジン出力軸からベルトなどを介して取り出した動力もしくはモーターなどから圧縮機を作動させて圧縮空気をエンジンに吸入させる仕組みになっています。また、圧縮機の仕組みの違いから更に遠心式、ルーツ式、リショルム式、スライディングベーン式、スクロール式、レシプロ式という種類に分けられます。一般的に市販される乗用車やスーパーカーでは、低コストのルーツ式が主流となっています。

スーパーチャージャーの仕組みによる特性・なぜツインチャージドエンジンが多い?

また、スーパーチャージャーを採用する車がターボチャージャーと併用したツインチャージドである理由は、スーパーチャージャーの仕組みの特性から、エンジンが高回転になると過給効率が悪くなりエンジン出力をアップさせる性能が引き出せなくなる事が主な理由となっています。

ターボチャージャーの仕組みを知り、エンジンをもっと深く知る

いかがだったでしょうか。今回は、ターボエンジンにおけるターボの仕組みについて紹介しました。意外と知っているようで知らないターボの仕組みや、エンジン回転との関係について簡潔に紹介しました。

ターボだけでなく、車のエンジンやエンジン関連の部品や機械は、とても多くの部品が複雑に絡み合っていますが、ひとつひとつの構造や仕組みを理解することで、より車への知識と愛情(愛着)が深まっていき、より車の運転や整備などが楽しくなることでしょう。

みなさんも、この記事をきっかけにターボのことだけでなく、エンジンについて知識を深めてみませんか?

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