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三菱のトラックと言えば三菱ふそうですが、今は違うんですネ?!

三菱のトラックと言えば三菱ふそうですが、ほとんど『ベンツ』で三菱はちょっとだって知ってました・・・?そんな三菱ふそうの生い立ちから、生産しているトラックの内容や性能、価格まで、調べてみたいと思います。そして未来のトラックも・・・・!

『三菱ふそう』とは・・・・?!

三菱のトラックと言えば『三菱ふそう』のトラックと相場が決まっていますが、正式には今では「三菱ふそうトラック・バス株式会社のトラック」というのが正しい言い方になります。
『三菱ふそうトラック・バス株式会社』って、知ってましたか・・・・?!

『三菱ふそうトラック・バス株式会社』は、英名をMitsubishi Fuso Truck and Bus Corporationと言って、商用車(トラック・バス等)および産業用エンジンの製造会社です。

実は、『三菱ふそうトラック・バス株式会社』は後述しますがドイツの自動車会社ダイムラーの連結子会社なのです。これまた、知ってました・・・・?
プレスリリースや経済誌などでは「MFTBC」の略称も用いられているそうで、国内トラック販売シェアが第三位の会社です。

Super Great V “SPIDER”

『三菱ふそうトラック・バス株式会社』の概要

『三菱ふそうトラック・バス株式会社』は、2003年1月三菱自動車工業からの分離・独立によりドイツのダイムラーグループの傘下として発足しました。
海外での販売比率は高く、ダイムラーグループの中で三菱ふそうは現在、主にアジアを中心としたブランドとしてのポジションにあるそうです。

現に『三菱ふそうトラック・バス株式会社』のトップ役員名は、
   三菱ふそうトラック・バス株式会社 取締役会長          鈴木 孝男
   三菱ふそうトラック・バス株式会社 代表取締役社長 兼 CEO アルバート・キルヒマン
となっていますし、『三菱ふそうトラック・バス株式会社』の株主構成は、
  ●ダイムラー:89.29%
  ●三菱東京UFJ銀行:2.38%
  ●三菱重工業:2.38%
  ●三菱商事:2.38%
  ●その他三菱グループ:3.57%
となっています。

社名の「ふそう」は、1932年当時三菱重工業(初代)の前身である三菱造船にて大型車事業を開始したときに社内公募により決定されたもので、日本の別称「扶桑」に由来するそうです。 中国 の 古書 の 中 で【日本】の 事 を 指した 言葉が【扶桑】だったのです。
因みに「社内公募」とは、後述するB46 型のネーミングに関するものだったのです。
またこの「ふそう」は、「いすゞ」と並ぶ、ひらがなブランドの少数派でもあります。

なお三菱グループ各社とも資本関係を含めた一定の関係を維持しており、三菱金曜会及び三菱広報委員会の会員企業でもあります。

因みに三菱金曜会及び三菱広報委員会というのは、三菱系29社の会長、社長を会員とする親睦会であったり、三菱グループの好感と信頼感を醸成することを目指した各種活動を行っている組織のことです。

『三菱ふそうトラック・バス株式会社』の沿革

三菱造船

1917年、三菱合資会社から造船業の一切を引き継いだ三菱造船が設立される。
1918年、三菱の自動車生産の先駆けとなる「三菱A型乗用車」が誕生。
1932年、三菱造船神戸造船所でB46型ガソリンバス完成、「ふそう」と命名。

三菱 B46 型

三菱重工業(三菱日本重工業)

1934年4月、三菱造船は三菱重工業に社名変更。
1937年、生産拠点を東京製作所(現在の川崎製作所)へ変更。
1946年、戦後初のふそうバスB1型大型ボンネットバス発売。
1950年1月、過度経済力集中排除法により3社に分割され、東日本重工業となる。
1950年、B25型大型ボンネットバス発売。
1952年6月、三菱日本重工業に社名変更。
1959年、国産量産初の大型キャブオーバートラック8t車・T380型発売。中型トラック(2.5〜3t)・ジュピター発売。

三菱ふそう・ジュピター

1960年8月、T330型ボンネット型8t車発売。
1961年2月、T385型キャブオーバー型8t車発売。
1962年、AR820型高速バス発売。
1963年、三菱ふそう小型トラックの基盤を築いた初代キャンター・T720型発売。

初代キャンター T720型(昭和38年)

1964年6月、1950年に分割された3社が再び合併し、三菱重工業となる。
1967年、大型トラック・T950型発売。
1970年、中型トラック・T650型発売。

三菱ふそう T650

トラック野郎やもめのジョナサン レプリカ

三菱自動車工業

1970年6月1日、三菱自動車工業として独立。社内での大型部門の略称は「ト・バ」(トラック・バス)であった。
1973年、大型トラック・Fシリーズ発売開始。
1976年、中型トラック・FKシリーズ発売開始。
1982年、大型観光バス・エアロバス発売開始。
2000年、組織的なリコール隠しが発覚、市場の信頼を失い、販売台数が大幅に低下。

Fシリーズ

三菱ふそうトラック・バス

2003年1月6日、三菱自動車工業からトラック・バス部門と産業用エンジン部門の一部が分社化、三菱ふそうトラック・バスとして独立。
2004年、組織的な欠陥隠しに端を発するトラックの車輪脱落による死亡事故が問題となる。
11月1日、日産自動車に小型車(キャンター・ローザ)用ディーゼルエンジンのOEM供給を開始(日産ではシビリアンに搭載)。
2007年5月21日、日産ディーゼル工業スペースランナーRAとの相互OEM供給車、エアロスター-Sの販売を開始。

エアロスターS

2009年2月25日、2008年年間の世界販売台数が19万7千台超となり、過去最高値を記録した。
2013年5月23日、ダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズにて生産されるアジア・アフリカ地域向け戦略車を発表。

アジア・アフリカ向け戦略車「FUSO」大型・中型トラック

『三菱ふそうトラック・バス株式会社』のトラック車種紹介

ここでは、『三菱ふそうトラック・バス株式会社』の生産している車種のうち、トラックの現行車種を調べてみたいと思います。
まず大型(10tクラス)のスーパーグレートVについてです。

スーパーグレート(SUPER GREAT )は、1996年より三菱ふそう(1996年~2002年:三菱自動車工業、2003年~:三菱ふそうトラック・バス)が製造・販売している10t級の大型トラックのことです。 ニュージーランドではショーグン(Shogun)の名で販売されているそうです。

スーパーグレートV

派生車種には、ミキサー車・ガスローリー・消防用屈折はしご車・海上自衛隊の20000L燃料給油車等々、種々のものがあります。

屈折はしご車KC‐FT系

次に中型(4tクラス)ファイターです。

ファイター(FIGHTER )は、1984年から生産されている中型トラックです。

三菱ふそう中型トラック『ファイター』

次いで小型(2t、1.5tクラス)のキャンターです。

キャンター(CANTER )は、三菱ふそうトラック・バスが製造・販売しているキャブオーバー型小型トラックです。
三菱ふそうブランドで唯一欧州で販売されている車種でもあります。

キャンターの名前のいわれは、馬術の技の1つキャンターに由来しています。
馬術でのキャンターは「軽快な小走りをする」ことで、キャンターという車名にはおそらく「馬のような軽快な走りと高い機動性が確保されたトラック」的な意味合いが込められているのではないかと思われます。

三菱ふそうのキャンター

街中で良く目にする車種ですネ・・・・!

最後は、防衛省向け7tトラック(旧名称:74式特大型トラック)です。

74式特大型トラックは、陸上自衛隊で使用されている輸送車両です。1974年に製式化されましたが、現在では1/2tトラック同様、コスト削減を図るためモデルチェンジを容易にするために「制式化」はされておらず名称は「7tトラック」となっています。また、ベースの民間車のモデルチェンジにより調達年度によって若干仕様(形状)が異なっている場合があります。

74式特大型トラック

過去の『三菱ふそうトラック・バス株式会社』のトラック車種紹介

こちらでは、過去に生産され、今は絶版となった車種の一部を紹介します。

まずはT44(ジュピター)(中型トラック)からです。

T44

1959~1970年に生産された中型トラック。
当時、積載量6t以上の大型トラックと2t以下の小型トラックの中間である2.5t〜4t車は、どのメーカーでも生産しておらず、その中間部分を埋めた先駆車でもある。
当初はボンネット型として発売し、後にキャブオーバー型を追加した。

前述したTシリーズ(大型・中型トラック)やFシリーズ(大型トラック)。

そしてFKシリーズ(中型トラック)。

FKシリーズ

もう一つザ・グレート(大型トラック)です。

ザ・グレート

最後に「第44回東京モーターショー2015」に参考出品されたスーパーグレートVの派生車スパイダーが動く姿をご覧いただきます。

三菱ふそう「スーパーグレートV スパイダー」のナックルブームクレーン操作デモ - Car Watch

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