ミディアムクラスサルーンBMW5シリーズ。525Iの2.5Lは170馬力を発生
2016/02/05
とっぱらや
1957年、前面ドアといったイセッタらしさを残したまま、ボディおよびエンジンの大型化を果たしたBMW600が発売されます。正式名称にイセッタは付きませんが、BMW600をイセッタと呼ぶことに抵抗がある人は少ないでしょう。BMW600の魅力に迫ってみましょう!
BMW 600はドイツのBMWが1957年8月から1959年11月まで製造、販売していた小型自動車です。
BMW 600
全長2,900×全幅1,400×全高1,375㎜
ホイールベース 1,700㎜
乗車定員 4人
1955年から1962年までの8年間に、BMWは16万台ものイセッタ(600も含む)を製造しました。50年代のBMWは、この他には、その対極にある大型高級車しかラインアップに持たず、その高級車路線の不振で経営危機状態にありました。イセッタ(600も含む)はその頃のBMWを経済的に支えるという重要な役割を果たしました。
BMW 600
BMW 600のエンジンは同社のオートバイであるR67/3用空冷水平対向2気筒OHV(594cc/28HP)を流用、582cc/19.5HPにデチューンし、強制空冷用ファンを追加して搭載、リアエンジン・リアドライブ方式とされた。トランスミッションは4速MTが搭載された。
BMW 600のエンジンルーム
・エンジン 空冷水平対向2気筒 OHV
総排気量 582cc
最高出力 19.5PS
最大トルク 3.9kgm
最高速度 103km/h
BMW R67/3
エンジンはR67/3用水平対向OHV2気筒(594cc/28HP)
後軸輪距を拡大し、イセッタには搭載されなかったデファレンシャルギアが搭載された。リアサスペンションには三角形セミトレーリングアームによる独立懸架方式が採用され、セミトレーリングアーム式サスペンションはその後のBMWの多くのモデルに採用されることになった。
BMW 600
ホイールベースを150mm延長でリアシートを増設、リア・ドアを右サイドに1枚追加。
サスペンション
前:独立 スイングアーム コイルスプリング
後:独立 セミトレーリングアーム コイルスプリング
BMW 600の前席
シフトレバーとパーキングブレーキレバーがイセッタではボディ側面に配置されているのに対し、BMW 600では通常の自動車と同じフロア中心に配置されています。
BMW 600
1957年8月に発表されたデザインは、イセッタによく似た卵形のデザインで、
BMW 600
正面から乗降するスタイルもイセッタと共通だった。
BMW 600
ボディサイズとホイールベースが延長され、4人乗りとなり、後席の乗降用に右サイドにドアが1つ追加された。
BMW 600
BMW 600の速度計
速度計は、US仕様のMPH表示でフルスケールで90mph(=144km/h)と80mph(=128km/h)の2種類が存在したらしい。
MBW 600のペダルレイアウト
BMW 600の後席
後席シートは車体サイズからすると驚きの広さ。
BMW 600の前面ドア
前面ドアの裏にはスペアタイヤを格納、トリムでカバーしている。
BMW 600の正面ドア
BMW 600は1959年11月に生産を終了してから50年以上が経過しています。もうわずかな台数しか生き残っていないと思われます。中古車市場に並ぶこともめったになく、ネットで検索したところ530万円のものが1台ありました。
BMW 600のデビュー時期は、ミニマム装備のミニカーから小型車へ需要が急速に移行しつつあった時期にぶつかり、生産台数はあまり伸びることなく、総生産台数は34,813台だけでした。
BMW 600は、前モデルのイセッタと後継モデルの700の両方の要素を持った車で、商業的には両者に見劣りするも、BMWにおけるミニマムカーから小型車への遷移において、技術的にも市場的にも、上手いつなぎ役を果たしたと評価できるでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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