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フィエロ!GM・ポンティアックの量産ミドシップ。性能・価格を調べます

GM・ポンティアックのフィエロ。調べました!!この凄さはポンティアックのフィエロならではです。ポンティアックのフィエロの生い立ちから性能・価格を、ご一緒に見て行きませんか?!ポンティアック・フィエロの中古車価格も・・・・!

『フィエロ』とは・・・・?!

ゼネラルモーターズ(GM)が1984年に発売した『ポンティアック・フィエロ』のことです。

ポンティアック フィエロ

GMを構成する複数のブランドの中で、最新技術の実験場というべきキャラクターを持っていたもの
がポンティアックだったのです。
が、GMは1963年にSOHCエンジンとトランスアクスルを備えたコンパクトカーのテンペストを登場させ、4年後にコンパクトカーながらビッグブロックエンジンを備えたおなじみファイアーバードを発表しました。

そう、ポンティアックは保守的なGMの中におけるちょっと異質なブランドだったのです。

第一回 ロングビーチクラシックス(1st Long Beach Classics)ポンティアック・フィエロ 1

『ポンティアック・フィエロ』の歴史 ━━━ 誕生

そんな中の1984年に、アメリカ車初のリーズナブルな量産ミドシップとして登場したのが『ポンティアック・フィエロ』だったのです。

そのキャッチフレーズは「革新的ミッドエンジンスポーツカー」。
その通りに、シャシー周りは完全オリジナル設計ながらエンジン&トランスアクスルといったメカニカルコンポーネンツを量産コンパクトカーからの流用とすることで、その販売価格を1万ドル以内に収めていたのが特徴でした。

元々アメリカでは2シーターは余り成功しないというジンクスがある上に、アメリカ初の量産型ミッドシップということでも話題になりましたし、数々の販売価格に見合わない凝った手法を採っていたこともあって、その存在はデビューと共に大きくクローズアップされることとなりました。

当初用意されていたエンジンは2.5リッター直列4気筒SOHCのみでした。
トランスミッションは4速マニュアルと3速ATのいずれかが選択できたようです。

このエンジンの最高出力は92hpに過ぎなかったこともあり動力性能という点では特に見るべきものは無かったものの、車重が1100kg少々に抑えられていたこともあり、ハンドリングはそれなりにミッドシップスポーツカーの味を感じることができるものでした。

このエンジンとトランスミッションはシボレー・サイテーションやポンティアック1000といった、いわゆるXカーからの流用品だったということです。

シボレー・サイテーション

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当時、日本車のスポーツカーがアメリカで人気が出始めた時代で、それに対する回答であることは、容易に想像できます。
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『ポンティアック・フィエロ』の歴史 ━━━ 繁栄

ポンティアック・フィエロはその端正なスタイリングとリーズナブルな価格、そしてミッドシップスポーツという付加価値を高く評価され、初年度だけで実に13万台以上を売り上げ一躍大ヒットモデルとなったのでした。
さらにフィエロは1984年度インディ500のオフィシャルペースカーに選ばれました。

1985年、フィエロは前年までのクーペ、スポーツクーペ、SEクーペという3つのグレード構成に新たにGTクーペを加えました。
エンジンを130hpの2.8リッターV型6気筒OHVにグレードアップし前年のインディペースカーに準じたエアロパーツで武装したGTはフィエロのパフォーマンスアップに大きく貢献しました。

Pontiac Fiero GT

『ポンティアック・フィエロ』の歴史 ━━━ 終焉

フィエロが大きく姿を変えたのは翌1986年半ばのことでした。
ここでGTのみリアクォーターパネル部にダミーウインドウをセットしたファストバックボディが与えられました。

さらに1987年になると4気筒エンジンの最高出力が98hpに、V6が135hpにパワーアップされました。
ただ行き渡るべきところには行き渡ったことに加えてモデルチェンジも行われなかったことから販売台数は減少の一途を辿らざるを得なくなり、1987年には4万4000台少々にまで落ち込んでしまいました。

そして、更に問題なのが、「最も火災発生率の高い車」の汚名を着せられてしまったことでしょう。
公式の発表では、エンジンオイルが減ってコンロッド破損により、漏れたオイルが排気系にかかって発火する・・・という話しなのですが、本当にそれだけなのでしょうか?

1988年。スポーツクーペとSEクーペを統合した新たなグレードであるフォーミュラを加えられました。

Fiero Formula

しかし、アメリカ車としては初の量産ミドシップスポーツカーとなったフィエロは、この年を最後にわずか5年の生産だけで消えていったのです。

『ポンティアック・フィエロ』の歴史 ━━━ 復活

しかしヒョンなことからこのクルマの存在が改めてクローズアップされることとなります。
それはアメリカならではのレプリカモデル市場です。

ローコストながら強靱なスペースフレームと樹脂ボディパネルという構成だったフィエロは、その気になりさえすればボディ外板を換えることでまったく別のクルマに仕立てることも不可能では無かったのです。
そう、一種のジョークとしてアメリカでは根強い人気があるフェラーリやランボルギーニのレプリカベースとして、フィエロは一躍注目されることとなったのでした。

レプリカモデル

フェリーノGTB]308のレプリカでフェラーリじゃありませんw中身ポンティアックフィエロなんでイタ車ですらありませんwラインナップにATまでありました

生産中止から20年。フィエロをベースとしたスーパーカーレプリカブームは一段落を見せているものの、その一方でアメリカ車の歴史の中に突如として現れたヒストリックスポーツカーとしてフィエロを再評価しようとするコアなマニアの存在がアメリカでもクローズアップされ初めています。

『ポンティアック・フィエロ』の新車価格

ここでは、『ポンティアック・フィエロ』の当時の新車価格について調べてみます。

しかしながら、『ポンティアック・フィエロ』の当時の新車価格について記述している文献が見つかりませんでした。

唯一見つかったのが前述した、「販売価格を1万ドル以内に収めていた」という一文でした。

『ポンティアック・フィエロ』の中古車価格

次いで、『ポンティアック・フィエロ』の中古車価格を調べたく、国内の各中古車価格掲載サイトを調べてみました。

いくつもの中古車価格掲載サイトに『ポンティアック・フィエロ』が登録されていましたが、まず2台の『ポンティアック・フィエロ』が中古車登録され価格付けがされている「カーセンサーnet」の情報を一部記載します。

≪ポンテアック フィエロGT フェラーリ 308レプリカ≫
●本体価格:238.0万円(消費税価格込み)
●年式:1989(H1)
●走行距離:3.4万km
●車検有無:2016(H28)年11月
●排気量: 2800cc
●エンジン種別:  ガソリン
●駆動方式: 2WD
●ハンドル:  左
●ミッション : フロア3AT
●ボディタイプ: クーペ
●乗車定員: 2名
●ドア数: 2

ポンテアック フィエロGT フェラーリ 308レプリカ

本体価格:238.0万円(消費税価格込み)

≪ポンテアック フィエロGT フェラーリー308レプリカ≫
●本体価格:応談
●年式:1989(H1)
●走行距離:8.0万km
●車検有無:車検整備無
●排気量: 2800cc
●エンジン種別:  ガソリン
●駆動方式: 2WD
●ハンドル:  左
●ミッション : フロア5MT
●ボディタイプ: クーペ
●乗車定員: 2名
●ドア数: 2

ポンテアック フィエロGT フェラーリー308レプリカ

本体価格:応談

次に1台の『ポンティアック・フィエロ』が中古車登録され価格付けがされている「中古車オークションのGBM」の情報を一部記載します。
但しこちらは写真の掲載はありません。

≪ポンテアック フィエロ≫
●本体価格:68.4万円(消費税価格込み)
●年式:1989(平成1)
●走行距離:52,000km
●車検有無:2014/06
●排気量: 2800cc
●エンジン種別:  ガソリン
●駆動方式: 2WD
●ハンドル:  左
●ミッション : FAT
●ボディタイプ: クーペ
●乗車定員: 2名
●ドア数: 2
●総合評価: 4

『ポンティアック・フィエロ』の価格のまとめ

ここまで『ポンティアック・フィエロ』の誕生から販売終了、新車価格や中古車価格まで見てきましたが、いろいろな面で面白い車ですね、『ポンティアック・フィエロ』は・・・・!

特に輸入の面ですが、日本にも一時期『ポンティアック・フィエロ』をベースにフェラーリ風に改造されたものが、カスタム業界に結構入ってきていたようです。

それを反映したかのように、今回調べた中古車価格の対象車のうち2台が『ポンテアック フィエロGT  フェラーリ 308レプリカ』でした。
価格ももう一台のオークション出品車と比べると雲泥の差があり、年数を経た実車の価格とカスタムして新たな魅力を追加した価格との差が表れているものと思われます。

それにしても、生産終了してからの価格の面でも実車よりもそれをベースとして作り変えられたカスタム車の方が高価格で取引されているという変わった運命を背負った『ポンティアック・フィエロ』、ドロクサクテ私は好きです。

1967 Corvair Convertible vs. 1986 Pontiac Fiero - Generation Gap: Cult Classics

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