ポルシェの美しきスポーツクーペ ポルシェ ケイマンをレビュー
2016/02/17
里ちゅーん
多くのファンを引き付けてやまない車・ポルシェ ケイマン。最高のドライブ体験のために作られた車は多くあれど、この車はその名前のごとく、1度人を魅了したら決して離すことがない。いったい何が人をここまでこの車に夢中にさせるのか。
ケイマンGTSの3.4リッター水平対向6気筒エンジンが生み出す最高出力340hpは、ベースのSモデルよりも僅かにアップしているだけだが、標準装備される「スポーツクロノパッケージ」の「スポーツ・プラス」の設定にすると、エンジン、トランスミッション、シャシーが速く、鋭く、そして柔軟性を帯びたものに切り替わる。低回転域でも不安になるほどパワーが低いということは全然ない。しかし、パワーがピークに達する7,800rpmまで回転を上げると、ケイマンGTSの水平対向6気筒エンジンは勢いのある積極的な音を轟かせる。ボクスターならソフト・トップを下ろせば、エンジンの音色が変わり、そのGTSバージョンではリチューンされたエキゾーストのおかげで、その体験がより顕著に味わえる。しかし、ケイマンGTSには「サウンドシンポーザー」がラインナップで初めて導入されたため、ハードトップモデルでもエンジン・サウンドを楽しめるようになった。サウンドシンポーザーは「911」で採用されたシステムで、音響チューニングされたエンジンの吸気音をコックピットに響かせる。これによりケイマンGTSとボクスターGTSは今まで以上により一層速く感じられる。シフト・レバーのそばにある「スポーツ・エキゾースト」ボタンを押せば、サウンドのトーンが変調する。トップを下ろさなくてもグッと良くなったエンジン・サウンドを満喫できて最高だ。
輸入車のアイドリングストップはあまり質の高いものがなく、日本の優秀な軽自動車のレベルにまったく達していないものが多かった。その点、ケイマンGTSは素晴らしいアイドリングストップ機構を備えている。特に始動時はほとんどショックを感じない。エンジンやシャシーに対するのと同じ、完璧を求める姿勢がここでも貫かれている。細部をなおざりにしないからこそ、エンジンレスポンスやハンドリングの素晴らしさが生まれるのだ。
例えば、18ウェイのスポーツ・シートは 3,025ドル(約31万円)、サラウンド・サウンド付インフォテイメントは3,990ドル(約41万円)、コントラスト・ステッチが施されたGTSトリムは3,680ドル(約38万円)。さらにパフォーマンスもアップグレードが可能だ。トルク・ベクタリング は1,320ドル(約14万円)、セラミック・ブレーキは 7,400ドル(約76万円)。しかし、少なくともGTSモデルには、PASMやスポーツクロノパッケージ、スポーツ・エグゾースト、20インチホイール、PDLS(ポルシェ・ダイナミック・ライト・システム)、ブラック仕上げのトリムといった約1万6,000ドル(約164万円)相当の装備が標準で備わっている。
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