2016/06/09
starsky82138
2002年に登場した初代コペン。それから12年を経て二代目となるコペン・ローブが登場した。コペンの名を継ぐこのコペン・ローブを初代コペンと比べ改善された箇所や改悪されてしまった箇所をお伝えします。初代コペンユーザーでコペン・ローブに興味のある方は是非ご一読を!
良い部分も悪い部分も人それぞれ価値観が違うので本当はここが良い!悪い!と断言できない事なのですが今回、筆者が気になった部分や思った事を取り上げてみました。
コペン・ローブと初代コペンを比較する前に一度コペンについておさらいしてみます。
ダイハツ製の軽自動車で、2シーターのオープンカー。一般的にオープンカーは後輪駆動が多い中、こちらは前輪駆動を採用する。ルーフは車内2か所のロックを外せば電動で開閉できる。
初代コペン
直列4気筒DOHCターボエンジン搭載。
最高出力64PS 最大トルク11.2kg・m
初代コペンが2002年に登場し生産終了となる2012年までの間、装備が見直されたり特別仕様車が発売されたりしたがフルモデルチェンジは行われなかった。
また、コペンの特徴である電動開閉機構を持たないモデルもあった。
コペン・ローブ
直列3気筒DOHCターボエンジン搭載。
最高出力64PS 最大トルク9.4kg・m
初代コペンが生産終了して約2年後に二代目となるコペン・ローブが発売された。二代目コペン・ローブは現代の車らしくライト類のLED化やエンジンのプッシュスタート機構、アイドリングストップシステム(CVT車)等が搭載されている。
コペン・ローブが初代コペンに比べて良くなったポイントを挙げてみました。
大きな改善や進化したポイントはそんなに多くないんです。その代わりと言ってはなんですが地味な改善が色々とあります。とりあえず見てみましょう。
コペン・ローブのシートベルトガイド
初代コペンのシートベルトは、シートベルトガイドに通し挟み込んで使用する形式であり、使っているうちにベルトがよじれて引っかかる事があったが、二代目はシートベルトガイドが広くシートベルトがよじれにくい。シートベルトを挟まないのでスムーズに引き出せる。
地味な改良点ですが初代コペンオーナーであれば一度は気にした事があるポイントだと思います。
初代コペンはエンジンをかけたりドアロックを施錠・解錠するのにキーやリモコンを取り出さなくてはならないが、コペンローブはキーを持っていれば車に付いているスイッチを操作する事で鞄やポケットから取り出さなくても同様の動作が可能となった。
エンジンのスタート/ストップボタン
ブレーキを踏みながら(MT車はクラッチも)スイッチを押すとエンジンがかかる。
リクエストスイッチ
リクエストスイッチを押す事で施錠・解錠ができる。トランク用のリクエストスイッチもある。
時代とともにする当たり前の進化と言ってしまえばそれまでですけど、デメリットがない改善ポイントだと思います。厳密にはOFF-ACC-ONを直接切り替えれなくなったのでデメリットがあるかもしれませんが・・・。
初代コペンのATゲート
なぜかNからRに入れる動作だけ引っかかりやすい。他の動作は問題なくできる。
これはATの話ですが初代コペンはNレンジからRレンジにシフトレバーがなかなか入らないという事がありました。コペン・ローブではこの点は解消されストレスなくRレンジに入れられます。
初代コペンはバックパネルのフラットな面に直接ネットが付いていて収納力は決して大きくない。
コペン・ローブはわずかながら奥行きがありその奥行きの分だけ収納力が向上した。
多少厚みがある物も出し入れが容易。
コペン・ローブのバックパネルポケット
奥行きを得た事で使いやすくなった。
これも小さな改善ですけどコペンは収納が少ないので助かります。
ちなみに写真にカップホルダーが写っていますね、なんと2つ分あります。増えた!?でも実は初代にも2つ分あるんですね。(センターコンソールボックス内に1つ)
ここでは一長一短というか、良くなったと同時に悪くなった部分もあるところを挙げました。
何かを得る為に他の何かを失う、と言ったところでしょうか?
さっそく見ていきましょう。
初代コペンのエアコンスイッチ類
初代コペンはマニュアルエアコン。温度設定などはできないがシンプルでわかりやすい操作性。
初代コペンのインパネ
初代コペンのエアコンの吹き出し口は運転席側に1つ、助手席側に1つ、そして中央に2つある。
エアコンの吹き出し口が中央に2つあるので2名乗車時にも平等にエアコンの風を浴びる事ができます。
コペン・ローブのエアコンスイッチ類
コペン・ローブはオートエアコンに進化した。ただし、スイッチのデザインはタントとほぼ一緒なのでコペンの特別感は薄い。
コペン・ローブのインパネ
中央のエアコンの吹き出し口が1つに減少。また吹き出し口のルーバーの可動範囲が初代コペンに比べて狭い。
エアコンがオートエアコン化したのは大きな改善点です。
デメリットと言うか失ったものはセンターの吹き出し口1つと、吹き出し口それぞれのルーバーの可動範囲です。
ただ普段1人でしか乗らない人にはそれ程大きな問題ではないでしょう。
雪と無縁ならデメリットはないですが降雪地帯だと・・・
LEDヘッドライト
点灯後一瞬で最大光量になるのと白い光が特徴。
コペン・ローブのと言うよりもLED自体の特性上の問題かもしれないですが、LEDは熱に弱い為LEDを光源とする照明機器は各メーカーで放熱、排熱に工夫を凝らしています。結果、ヘッドライトのレンズはあまり熱くならず降雪中の走行ではHIDやハロゲンに比べヘッドライトに雪が積もり易くなってしまいます。
コペン・ローブのダックテール
お尻が上がった様なデザインによりトランクに高さが生まれトランク容量アップにつながった。
容量アップの元となったダックテールは高速走行時の走行安定性に寄与しているみたいですが、リアが上がっている事で横風に弱くなるという不利もあるんですね。初代コペンはお椀を伏せた様なデザインでフロントもリアも下がっています。初代コペンでは気にならなかった程度の横風でもコペン・ローブではハンドルをグイっと取られるなんて事もありえます。
初代コペン
出足は鈍いが3000rpmを超えた辺りからの加速は素晴らしい。
0-400mタイムです。
※タイムは参考として捉えてください。
コペンローブ
出足の鈍さは改善された。しかしその後の加速に初代コペン程の勢いはなくなった。
0-400mタイムです。
※タイムは参考として捉えてください。
出足が改善されたコペン・ローブは街乗りでの使いやすさが向上しました。それと引き換えに高速道路での追い越し等は幾分か苦手になってしまった様に感じられます。
初代コペンと比べて残念ながら悪くなってしまった部分を挙げていきます。
コペン・ローブのシートヒーター
実際に表面温度を比較した訳ではないが、初代コペンの物よりもぬるく感じる。
寒い日のオープン走行に役立つシートヒーターですが、熱量が不足気味でその恩恵は薄れてしまいました。
チルトステアリング
ステアリングの前後位置を調整するテレスコピックステアリングが装備から外されチルトステアリングのみになりました。
初代コペンが発売された当時テレスコピックステアリングを装備した軽自動車は貴重な存在でした。ですからこのテレスコピックステアリングを装備した初代コペンは、ダイハツのフラッグシップモデルという何か特別な物を感じました。
7速スーパーアクティブシフト付きCVT
コペン・ローブは4速ATからCVTに変更。通常のAT(CVT)モードはもちろん、7速のステップ変速モードとマニュアル変速モードを搭載。
コペン・ローブは初代コペンにある2速発進がなくなりました。
また、シフトダウンの際はシフトダウン後のエンジン回転数があまり高くならない様にしかできません。CVT保護の為か特に1速はその傾向が強いです。結果初代コペン程の強力なエンジンブレーキは使えなくなりました。
コペン・ローブのトランクフード
結露により横長の4つの模様が浮き出る。湿度が高い日の夜等に起きる現象。
気温が低い冬は朝や夜にこの模様の霜が付く事がある。
この現象についてネットで調べてもあまり出てこないので知らない人も多いかと思います。
季節や地域によっては日常的に起こりうる現象です。
ただ日中の温かい時間帯ではこの現象が発生する事はほぼないと思われます。
コペン・ローブ
装備は現代の車らしい正当な進化を遂げた。
多少不便になった部分もありますが総合的な印象としてはキーフリーシステム等の装備面の充実、トランク容量のアップ、出足の改善等、日常での使いさすさが向上したと思います。
今後、初代コペンの様に色々なアフターパーツが用意されると思いますのでそちらも注目です。
気軽にオープンを楽しめるのがコペンの良いところ。それは初代も二代目も変わりません。
オープンでの走行は解放感があって、またちょっとだけ非日常的な感じがして・・・。
コペンはオープンカーにしか味わえない感覚を味わえる数少ない軽自動車と言えるでしょう。
気になる方は実際に見たり試乗してみて下さい。
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