2016/01/26
Yasuhiro_Tanaka
車種に適合するモデルの機能や価格をすべてチェックしても、スマホの普及やクラウドサーバーの活用、双方向通信技術の発達などで、エンターテイメント性や実用性の面でも、ここ数年でカーナビメーカー業界は大きく変化しています。そこで気になるカーナビメーカーを紹介します。
パイオニアは国内社外カーナビ市場のトップクラスのメーカーで、オーディオやテレビ、DVDプレイヤーなどを手掛けていた会社ですが、現状ではカーエレクトロニクスが売上の75%を占めています。
もともとはオーディオ関連のメーカーですので、スピーカーやアンプなどにも依存しますが、最高の音楽環境をユーザーに提供するという大きな方向性が見受けられます。
また、カーナビの老舗でもあることからカロッツェリアというブランドで、スーパーハイエンドモデルの「サイバーナビ」、ハイエンド~ローエンドまでの「楽ナビ」という2つのカーナビを販売しており、ラインナップが豊富で多くのユーザーに選ばれており、ブランド力があって人気も高いのですが、反面その種類の多さから各モデルの違いが分かりにくく、選びずらいという欠点もあります。
国内で最も売れているのが「楽ナビ」ですが、ラインナップが最も豊富で測位やルート案内なども安定しているとの定評があります。
ミドルクラス以上のモデルでは、パイオニアが他社に先駆けて「プローブ交通情報(実際に走行している車から様々な情報を収集)」を活用して、実際のルート案内にフィードバックする「スマートループ渋滞情報」を搭載しており、渋滞回避能力も高い為、非常にバランスが取れたカーナビとなっています。
カーナビメーカー
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上位モデルである「サイバーナビ」は、「楽ナビ」の機能を全て含みながら、他社モデルも含めて次元が一つ上の価値観を提供しており、価格も2ランクほど高くなっています。
最高の音響環境と、最高の快適環境を求める人におすすめなのが「サイバーナビ」です。
「サイバーナビ」は「楽ナビ」の基本的な機能を搭載した上で、オーディオ機能を強化、更にルート案内についても車載カメラを利用して、ナビ画面やヘッドアップディスプレイに実際の目前の映像と重ね合わせて案内を表示する事で非常に分かり易いルート案内を可能としています。
カーナビメーカー
パナソニックは言わずと知れた世界的電機メーカーで、関連会社も含めると家電製品の他にも産業機器、通信機器、住宅設備、環境関連機器などグローバルに運営されている巨大企業です。
ここ数年の企業戦略として、カーエレクトロニクスに力を入れており、ポータブルカーナビ「ゴリラ」を発売していた三洋電機を子会社化しています。
基本的には何でもかんでも多角的にやってきた電気メーカーですので、トータル的に完成度の高いカーナビを販売しており、パイオニアに次ぐ人気となってます。
エレクトロニクスではオールマイティーに高い潜在能力を持っているパナソニックが打ち出している「Strada 美優ナビ」は、上位モデルで現状のカーナビ業界で唯一ブルーレイを再生できるカーナビです。
高いレベルでの映像の精度や彩度、専用のカメラ付きリア座席用のモニターを設置する事で、後部モニターではブルーレイの映像を映し出しながらフロントのカーナビでは後方の様子を確認したり、カーナビ画面に設定する事も出来ます。
スマホとのリンクについては「Drive P@ss」という機能で、いくつかのアプリをカーナビ画面から起動する事が出来ますが、パイオニア同様に500以上のアプリと連携する「Navicon」には対応していない為、限定的な連携と言えます。とは言え、渋滞回避の能力が補われた事で、全体的に非常に高いバランスでまとまったカーナビと言えるでしょう。
地図更新については、他社同様にハイスペックモデルでは発売から3年間無料となっています。
カーナビメーカー
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「彩速ナビ」を販売しているケンウッドは、現状ではビクターと統合後の「JVCケンウッド」のブランド名となっていますが、もともとは家庭用オーディオメーカーですので、オーディオ面に力を入れたカーナビの作りとなっていますが、パイオニアのようにお金をたくさんかけて最高の音質を求める人よりも、お金をあまりかけずに結構良い音が聞けるようにしたい人向けのカーナビと言えます。
スマホとの連携についても「Navicon」に対応していますし、なんと言ってもケンウッドカーナビの目玉は、地図更新がダントツで一番安いという点です。
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9インチという大画面のカーナビも発売しており、主にトヨタ車やホンダ車向けに取り付けキットも合わせて販売しています。
上位モデルでは「VICS オンデマンド」に対応しているものの、下位モデルでは「VICS FM多重」のみへの標準対応となる為、渋滞回避能力では他社のカーナビに劣る点は否めません。
「Navicon」には対応していますので、多様なスマホアプリとの連携は可能です。
2015年モデルには、「Navicon」2014年モデルに追加された新しい機能がない為、価格が下がりまくっている2014年モデルの上位機種がおすすめのメーカーです。
カーナビメーカー
クラリオンは日立グループの会社で、かつてはカーラジオやカーステレオを作っていたメーカーですが、1990~2005年までは「アゼスト」(ADDZEST)というブランド名でカーAVを販売していましたので、30代以上の人にはそちらの方が馴染みが深いかも知れません。
2005年の段階でiPodと連携したカーオーディオを北米向けに販売しており、多様なメディアとの連動性が高いメーカーです。
他のメーカーのようにクラリオンならではのサービスや付加価値は存在しないというのが弱点で、逆に他社同様の機能を出来るだけ低価格で数多く盛り込むといった特徴があります。
地図画面の表示もシンプルで素っ気なく、スタイリッシュとは言えない部分がありますし、プローブ情報を活用した渋滞対策も2015年4月にサービスが開始された「VICS WIDE」への対応が初となりますが、これが逆に低価格で様々な機能を盛り込むクラリオンのカーナビの強みを引き出す武器になるかも知れません。
他社のカーナビに対して特定の分野でアドバンテージはありませんし、全てが他社の90%程度のイメージといった印象がありますが、クラリオンはそれを補って余りあるコストパフォーマンスを誇るカーナビメーカーと言えるでしょう。
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