車のエンジンの掛かりが悪いなと思ったらバッテリーを充電しよう
2016/01/12
echigoya.t
2016/11/04 更新
最近のクルマの装備ではほぼ常識となりつつあるアイドリングストップシステムですが、使われているバッテリーは普通のクルマのバッテリーとは違うのでしょうか?また、アイドリングストップ車専用バッテリーの価格は?気になるバッテリー情報を大調査しました!!
最近のクルマには、ほとんどと言ってよいくらい、「アイドリングストップ」というシステムが装備されています。では、この「アイドリングストップ」とはどういうものを指すのでしょうか?
クルマが停止中にエンジンが回転している状態を「アイドリング」といいます。
この「アイドリング」の状態では、当然ですが、ガソリンや軽油などの燃料は使いますし、エンジンが回転しているので、排気ガスも排出されます。
つまり、「アイドリングストップ」とは、クルマが停止しているときは「アイドリング」を止め、これにより燃料の消費を減らし、排気ガスを減少させようというものです。
燃料の節約に関しては、アイドリング10分間で、0.15~0.2Lが削減され、
排気ガスに関しては、10分間で約70~100gが削減されるとしています。
前章でご紹介した、燃料の節約と、排気ガスの削減が主なメリットになりますが、具体的にはどのくらいのメリットがあるのでしょうか?
1日1時間で年間4万円!?
1日に1時間のアイドリングストップを行うと、年間4万円の燃料代節約になると言われています。
地球環境の保全に寄与できる!?
当然ですが、排気ガスが削減されるので、子供の未来のための地球環境を保護できます!
アイドリングストップとは、前章でご紹介したように、クルマが停止するたびにエンジンを切るシステムのことです。
つまり、1回の運転中でも、何度もエンジンをOFF/ONする必要があるわけですね。
1.セルモーターに過度の負担がかかる!
エンジンを切/入するのは、いわゆる「セルモーター」という部品です。
当然、通常のクルマと違い、このセルモーターを何度もOFF/ONするので、ここに過度の負担がかかってしまいます。
クルマへ電気を供給するバッテリーにも負担がかかる!
当然ですが、セルモーターは電気で動きます!
ですから、セルモーターを動かすために、バッテリーにも大きな負担がかかってしまいます。
また、アイドリングの時間が5秒以下の場合、エンジンを再起動するための燃料の方が多く必要となってしまい、かえって燃料代がかかってしまいます!!
したがって、断続的な渋滞で、頻繁にストップアンドゴーを繰り返すような状況では、むしろ、アイドリングストップを使わない方が経済的とも言えますね。
ですから、アイドリングストップは状況に応じて使い分けた方が賢明のようです。
前章で、アイドリングストップを行うためには、バッテリーとセルモーターに大きな負担がかかることをご説明させていただきました。
では、アイドリングストップ車に使われるバッテリーは、通常のバッテリーとどう違うのでしょうか?
エンジン1回かけると、バッテリーの10~20%が消耗する!?
実は、バッテリーにとって最大の仕事は、クルマのエンジンをかける作業です!
クルマのエンジンを1回かけるため、バッテリーの10~20%が一度に消耗するといわれています。
アイドリングストップ車には専用のバッテリーが必要!
ですから、通常のバッテリーをアイドリングストップ車に使用すると、充電が追い付かず、すぐにバッテリーがあがってしまいます。
【アイドリングストップ専用バッテリーに必要な能力】
・短時間で充電を完了できるよう能力が向上している
・電極など、部品全体の耐久性が向上している
・満充電になる前でも、安定して電力を供給できるような工夫
以上のような能力が、アイドリングストップ専用バッテリーには必要とされています。
約半年程度で使えなくなる!?
通常の「鉛バッテリー」をアイドリングストップ車に取り付けると、約半年でバッテリーが使えなくなるといわれます。
これは、通常の鉛バッテリーでは、アイドリングストップ車の、エンジンOFF/ONにバッテリーの充電が追い付かないためです。
標準車にアイドリングストップ車専用のバッテリーを搭載すると、すぐに充電されてしまうので常に過充電の状態で使うことになり、これもよくありません。
パナソニック株式会社 松本剛さんへのインタビューより。
このように、アイドリングストップ専用バッテリーを非アイドリングストップ車に使うことも良くないわけですね。
前章で、アイドリングストップ車専用バッテリーがあり、通常の鉛バッテリーとは異なる種類であることをご説明させていただきました。ここでは、アイドリングストップ専用バッテリーのお値段をご紹介します。
アイドリングストップ用バッテリーにも種類がある!?
実は、通常の鉛バッテリーと同じで、アイドリングストップ用バッテリーにも種類があります。
アルファベットと数字の組み合わせで規格が分かる!!
アイドリングストップ用バッテリーの規格は、図のようにアルファベットと数字の組み合わせで決まります。
アルファベットはバッテリー外形の寸法、ハイフンの右の数字はバッテリーの性能を表します。数字が大きければ、それだけ性能も高いことになります。
そして、③には「何もない」か「R(右)」のどちらかが入ります。この③は、バッテリーの端子の位置を意味しており、何も表記がないときは「左」、「R」と表記があれば右ということになります。
通常バッテリーとのサイズ対応表
図は、通常バッテリーとアイドリングストップ用バッテリーの外形寸法の対応表です。
つまり、通常のクルマのバッテリーサイズが「B20」の場合、それと同じ大きさのアイドリングストップ専用バッテリーの外形寸法は「M」となります。
では、参考になる、アイドリングストップ車専用バッテリーのお値段をご紹介します。
車種別アイドリングストップ用バッテリー価格(ユアサバッテリー:2016年10月31日現在)
・スズキ ソリオ (N-55) 12,452円
・トヨタ カローラフィールダー(S-95) 20,239円
・日産セレナ(S-95) 20,239円
・ホンダ NBOX(M-42R) 7,636円(価格はすべて価格.comの最安値)
では、最後に、アイドリングストップ用バッテリの交換とその費用についてご説明します。
不用意に交換すると危険!?学習機能とは?
最近のクルマは、大部分の機能がコンピュータによって制御されています。
ですから、クルマは、エンジンを切っているときでも、バッテリーから電気が流れ、走行距離や時計、ナビの設定内容などを学習して記憶しています。このような機能を「学習機能」といいます。
ですから、このようなクルマのバッテリーを交換するときに、電気がコンピュータに供給されないと、これまで学習したすべてのデータが消えてしまうんですね!!
学習機能を有したクルマのバッテリー交換時は、「バックアップ電源」を用意しましょう!!
楽天では12,900円で販売されている!
写真は、古河電池のバックアップ電源、「FK3000」です。
楽天市場では、12,900円で販売されています。バッテリーの電力供給が止まると、学習値がすべてクリアされてしまいますので、バックアップ電源を先につないでから、バッテリーを交換するようにしましょう。
なお、ご自分のお車が、「学習機能」を有しているかは、お近くのディーラーなどに確認しましょう。
ちなみに、オートバックスでは、バッテリーの交換は540円からとなっています。カー用品店やディーラーでは、バックアップ電源も完備しているはずですから、ご自分での交換に不安のある方は、一度ご相談くださいね。
いかがでしたでしょうか?アイドリングストップも、エコなシステムであることは間違いありませんが、状況に応じてアイドリングストップを使い分けることが、環境にもお財布にもやさしい「エコ」となるようですね。最後までお読みいただき、本当に有難うございました。
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