聞いたことのあるキャブレターのオーバーホール。その費用とは?
2016/07/10
Mive
現在はあまり採用されていないキャブレターですが、古い車種や原付・バイクにはキャブレターが使用されている車両があります。キャブレターは燃料を吸い込む大事な部分なので定期的なオーバーホールが必要になります。ではキャブレターのオーバーホールの方法をご紹介します。
キャブレターとはどのような部品でどんな働きをするパーツなのでしょうか?
キャブレター
キャブレター
キャブレターとは、ガソリンエンジンを燃料とする混合燃焼機関において電力を必要とせず、吸入空気を利用しガソリンへ吸い上げシリンダー内へと噴霧し爆発させるための燃料吸い込み装置です。
キャブレターの構造はいたってシンプルです。
スロットル開度に応じで適正な量の混合気(ガソリンと空気)を生成し、理想的な爆発を生むための設計がされています。
しかし、今日では排ガス規制や性能向上の要求が高まりキャブレターでは細かく制御できない為、コンピューター制御のインジェクション方式が主流となってきました。
ただ、古い車種やバイクには搭載されているので乗っている方は基本的な構造は抑えておくとよいでしょう。
キャブレター方式の燃料噴射システムは今日販売されている車両には搭載されていませんが、メリットやデメリットはあるのでしょうか?
キャブレター
キャブレター
キャブレターの構造はいたってシンプルなので、整備性が非常に高いです。
素人の人でも少し勉強すれば、このあと記述するオーバーホールは簡単に出来ます。
現在のインジェクション方式ではコンピューター制御なので、キャブレターの方が扱っている感が高い、味があると感じる方もいます。
コンピューター制御のインジェクションは、吸入温度なども正確に測りその環境に合った燃料噴射量を制御していますが、キャブレター方式ではアクセル開度だけの制御で燃料噴射量が決まるので、吸入空気温度によってエンジンの調子が変わってしまうことがあります。
また、インジェクションに比べて燃費が悪くなります。
キャブレターは先述したように構造が非常にシンプルな部品です。
しかし、長年使用してきたキャブレターは細い通路をガソリンが通過するため詰まったり機能低下することもあり、オーバーホールを行うことによって、新品状態に戻すことが定期的に必要になってきます。
ここからは、キャブレターのオーバーホールの方法について記述していきます。
オーバーホールとは、その部品を分解して整備することを指します。
キャブレター
キャブレター
長年乗っていても調子が良いキャブレターもあったり、短時間しか乗っていないのに調子が悪くなるキャブレターもあります。
では、どんな症状が見られたらキャブレターのオーバーホールが必要なのでしょうか?
・アイドリングが不安定
・信号待ちでエンストしてしまう
・キャブレター本体からガソリンが漏れている
・フケが悪い
・加速中に息継ぎのような症状がある
・エンジンがかからない
といった、症状が出てくればキャブレターはオーバーホールの時期といえるでしょう。
少しの知識と勇気があれば、キャブレターのオーバーホールは簡単です!
自分のマシンをオーバーホールしメンテナンスすることによってより愛着がわきます。
では、キャブレターのオーバーホールの手順をご説明します。
その前に、オーバーホールにはきちんとした工具やケミカル類が必要なります。
オーバーホール前に、足りないことが無いよう準備しておきましょう。
また、キャブレターにはガソリンが流れており残っている燃料が流れだしたりします。
オーバーホールを行う際、火気は厳禁です。
キャブレター
キャブレター
キャブレターのオーバーホールが初めての方は、簡単な原付などの単気筒から始めるのがよいでしょう。
まず、キャブレター本体を車両から取りはずなさなくてはオーバーホールは出来ません。
原付などの単気筒エンジンなら簡単に取り外せますが、4気筒や自動車になると取り外しも複雑になりオーバーホールも難しくなります。
キャブレター
キャブレター
オーバーホールの初めはキャブレターのフロート室と呼ばれる場所のふたを開けます。
ネジだけで止まっていることが多いので、簡単に開けることができます。
写真のようなフロート(浮)が見えてきます。
キャブレター
キャブレター
外した蓋には、このようなカーボン等が蓄積していることが多く、これらをキャブクリーナーで綺麗に取り除きます。
キャブレター
キャブレター
フロートピンと呼ばれる部品を外すと、フロートが外れます。
ピンは簡単に曲がってしますので、力を入れずに優しく抜きます。
キャブレター
キャブレター
次に、ニードルバルブと呼ばれるフロートに押さえられている部品を取り外します。
この部品はフロート室に入ってくるガソリン量を制御するものなので、汚れている場合はこれもキャブクリーナーで綺麗にします。
摩耗していたり汚れが溜まっていると、フロート室に常にガソリンが入ってきオーバーフロー状態になります。
ガソリン漏れの原因にもつながります。
キャブレター
キャブレター
とても繊細な部品なので注意して引き抜きます。
スロージェット、メインジェット、パイロットスクリューを回し外します。
また取り外す前に何回転で抜けたかどこかに書き留めておきましょう。
キャブレター
キャブレター
キャブレターの蓋部分を取り外します。
黒色をしていることが多いです。
この蓋を外すと中からバネとダイヤフラムが出てきます。
バネが飛ばないように注意しましょう。
このダイヤフラムは空気の流量を制御する大事な部品なので、破損などしている場合は交換しましょう。
キャブレター
キャブレター
フロート室の蓋を利用し、中にキャブクリーナーを入れて浸けておきます。
ジェット類の小さな穴は、釣り糸や細い糸で綺麗に掃除をします。
キャブレター
キャブレター
分解手順と逆に組み立てをしていきます。
ジェット類は外した回転数と同じ数締め付けておきましょう。
また、組立時にゴム製のOリングなどに劣化が見られる場合は交換しておきましょう。
最後に車両に組み付いて、動作に問題がないかテストします。
では、実際にキャブレターのオーバーホールをしてみた人の感想をまとめました。
キャブレター
キャブレター
・エンジンの調子が良くなった
・キャブレターの仕組みが良く分かった
・オーバーホールをして整備に自信がついた
・オーバーホールをするだけで、違うバイクに乗っている感じになった
と、オーバーホールを行ってみて良かったという声が多数ありました。
しかし、中にはオーバーホールをやってみたが調子が逆に悪くなった。
オーバーホール中にパーツを破損してしまった。
といった声もありました。
いかがでしたでしょうか?
キャブレターのオーバーホールについてのまとめでした。
是非、乗っている車両がキャブレター方式の方で調子が良くないなと感じられる方はオーバーホールをしてみましょう!
少しでも難しそうだなとか無理だと感じられた場合は迷わず整備工場に行ってプロに任せましょう。
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