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F355の後継車、フェラーリ360はスーパースポーツ志向を更に強めて登場

フェラーリ360は1999年にフェラーリのスポーツモデルのボトムエンドを担うモデルとして、F355の後継車として登場しました。360のネーミングは、エンジンの排気量が3.6Lであることを意味します。今回はスーパースポーツ、フェラーリ360について紹介します。

フェラーリ360の概略紹介

 フェラーリ360は、イタリアの自動車メーカーフェラーリが製造していたクーペタイプのスポーツカーです。フェラーリ360は、フェラーリF355の後継車で、搭載するV8エンジンの排気量、すなわち3.6Lから「360」の名称が付いたとされています。

フェラーリ360

全長×全幅×全高 4490×1925×1215mm
ホイールベース 2600mm
駆動方式 MR
乗車定員 2名

 フェラーリ360のボディタイプはクーペとオープンの2種類。クーペは「モデナ」、電動オープンモデルは「スパイダー」と呼ばれています。日本市場では360は左ハンドルのみの展開ですが、オプションで右ハンドルを選択することも可能です。

ヒストリー

1999年 - フェラーリ360発表。同年から日本でもクーペの「360モデナ」「360モデナF1」の販売が始まりました。

フェラーリ360モデナ

 360はフェラーリのエントリーモデル。V8エンジンをミッドに積む本格スポーツカーです。F355までのモデルとは全く異なる、オールニューモデルです。

 ボディディメンジョンはかのテスタロッサ並みに大きくなっており、その性能も段違いに向上しています。大型化された理由は主に衝突安全性能の向上のためでした。

 V8を積むフェラーリのことを12気筒を積むフェラーリと区別してピッコロフェラーリ(小さなフェラーリ)と呼ぶ習わしがありましたが、この360シリーズはもうピッコロとは呼べないほどボディが大きくなりました。

2000年 - フェラーリのオープンモデル20作目となるオープンカーの「360スパイダー」「360スパイダーF1」を追加。

フェラーリ360スパイダー

 フェラーリ360シリーズのフルオープン仕様が360スパイダーです。2001年に日本市場へ正規導入されました。

 フェラーリのエントリーモデルとなるV8シリーズの場合、348そしてF355の時代には「クーペ」、「タルガトップ」と「フルオープン」の3モデルが用意されていましたが、その後継モデルの360シリーズは「クーペ」と「フルオープン」のみの設定となり、GTSはF355を最後に廃止されました。

 フェラーリ360スパイダーはV8エンジンをミッドに積む本格スポーツカーで、開発当初からフルオープンを想定して企画されただけあって、その実力はクーペのモデナとほぼ変わりありません。複雑な動きで開閉するソフトトップはもちろん電動式です。赤以外のボディカラーが似合う跳ね馬として発表直後はおおいに人気を博しました。

 最高出力400psを発生するこのV8エンジンには6MTもしくはF1マチック(セミオートマ)を組み合わせています。豪快なエグゾーストノートを堪能するならスパイダーモデルがおすすめです。

2003年 - 360チャレンジの公道仕様となるチャレンジ・ストラダーレの販売開始。

フェラーリ360チャレンジ・ストラダーレ

2005年 - 生産終了。後継車種のフェラーリF430にバトンタッチ。

フェラーリ360の性能

 エンジンはF355の3.5L V8エンジンを改良し、2mmストロークアップした1気筒5バルブの3.6L V8エンジンをミッドシップマウントする。このエンジンは、F355比では20PSの出力アップ、1.3kg·mのトルクアップを達成しています。

フェラーリ360モデナ

種類 V型8気筒DOHC
総排気量 3586cc
最高出力 294kw(400ps)/8500rpm
最大トルク 372n・m(38kg・m)/4750rpm

 赤いのはエンジンカムカバーではなく、エアインテークのサージタンクカバー。実際のエンジンヘッドはシルバーの角フレームの下に位置しています。さすがオイルパンのないドライサンプ方式、エンジン搭載位置が非常に低いし、ほぼクルマの中心にエンジンがきています。まさにミッドシップ。

フェラーリ360チャレンジ・ストラダーレ

種類 V型8気筒DOHC
総排気量 3586cc
最高出力 425ps/8500rpm
最大トルク 373n・m(38kg・m)/4750rpm

ハッチ内に収まるのは、360モデナと同じ3.6リッターV8・5バルブエンジン。しかしパワーは400馬力から425馬力へアップ。

 トランスミッションもF355と同様、従来の6速MTと6速セミAT(F1マチック)を用意されていますがF1マチックには改良が施され、シフトダウン時にブリッピングが自動で行われるようになりました。F1マチック搭載車はステアリングのパドルで変速を行います。

フェラーリ360のデザイン

 フェラーリ360のデザインは、かなり抑揚に富んだダイナミックなものになりました。先代のF355や先々代の348のスクエアなデザインから一転、また車体が大きくなったため、かなり迫力が感じられるようになりました。

フェラーリ360 モデナ

 全体のデザインはフェラーリの定石通りピニンファリーナが担当しました。

フェラーリ360 モデナ

 アルコア製のアルミニウム押し出し材によるオールアルミ製スペースフレームにボデイ外装もアルミ製である

フェラーリ360 モデナ

フェラーリ360モデナ

 360モデナからミッドシップのクーペモデルはエンジンフードがガラスになり、エンジンルームが見えるようになっている。

フェラーリ360スパイダー

「360スパイダー」「360スパイダーF1」の幌はソフトトップであり、ロールバーが標準装備されています。

フェラーリ360モデナ

フェラーリ360の価格

 フェラーリ360の新車時価格は
360モデナ:16,450,000円(1999年9月)~17,587,500円(2004年4月発売モデル)
360モデナF1:17,650,000円(1999年9月)~18,847,500円(2004年4月発売モデル)
360スパイダー:17,800,000円(2000年10月)~19,740,000円(2004年9月発売モデル)
360スパイダーF1:18,980,000円(2000年10月)~21,000,000円(2004年9月発売モデル) 
でした。

なお、チャレンジ・ストラダーレの新車時価格ですが、2130万円という情報を見つけたのですが、いつ時点のものか不明です(たぶん2003年だろうと思うのですが・・・)。

 フェラーリ360モデナの中古車価格は748万円~1300万円、平均価格1000万円前後、チャレンジストラダーレは2380万円~2800万円、平均価格2600万円前後といったところです。

まとめ

 フェラーリ360について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。フェラーリ360を購入しようと計画されている方々の参考になれば幸いです。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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